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高校教師に恋をした  作者: まる
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6


体育が終わり、テンションが上がった私は安藤先生に会ってから帰ろうと思い、人一倍早く帰り支度をして体育館を出た。


体育館を出て職員室へ向かう。


「えっと…安藤先生はどこの席なんだろう?うーーん。」


職員室の座席表とにらめっこをしていた時、職員室から1人の先生が出てきた。


「あれ?千佳さんじゃない!元気だった?最近見かけないから体調悪いのかなって心配してたのよー!」


「あ、こんにちは。大内先生!元気だよ!あのさ安藤先生って今いる?」


大内先生は去年のゼミ担任。

全然学校へ来ない私にも毎日のように電話をくれた優しい女の先生。

中々、心を開かない私でも優しく話しかけてくれて唯一仲の良い先生。


「安藤先生ねぇ。今は職員室にいらっしゃらないみたい。生徒課の先生だし見回り行ってるんじゃないかな?どうしたの?」


「見回りかぁ。そっか、わかった!えっと、うん、大丈夫!また来るよ。じゃあ帰るね。」


安藤先生がいないと教えてもらい、大内先生に別れを告げて駐輪場へ向かった。


そっか。安藤先生いないのか。あぁどうしようかな。

その時、安藤先生が前からやってきた。


「あ、安藤先生!」


「あー!中田ー!!最近休んでるけど、どうした?授業も結構進んでるし来週末にはテストだぞー」


「由香さんから安藤先生が心配してるって聞いて。ちょっと体調不良が続いてて、今日も休んでしまって…。すいません。次からはちゃんと出席しますね。」


さすがに安藤先生が怖いし嫌だから。なんて言えない私は体調不良を理由にしてしまった。しかも次からちゃんと行くだなんて言っちゃって大丈夫かなぁ…

怒られるかな、


「そっかぁ。体調不良ならしょうがないよ!まぁ無理することはないし、お前のペースで出席してくれれば俺は嬉しいし!とりあえず次来れたら出席してみて、授業内容わからなかったら俺はいつでも暇だから聞きにきてよ」


案外優しいんだな、ってそう思った。

今までこんなに連続で休んでたら怒られるか、見捨てられるか、しかしてなかったのにこんなに優しかったのは初めてだった。


「あ、ありがとうございます。頑張ります」


「おう!じゃあ気をつけて帰れよ〜!」


そういって「腹減った〜!」って叫びながら校舎に入って行く安藤先生の後ろ姿を見ながら、私は自転車を出して家へ帰る道を急いだ。

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