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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第三章 第二の来訪者編
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期待の末路

「ドンドンドン!」

「マリ、ほら出てきて」

「こら、マリいい加減にしないかっ!」

外からは私を心配し、叱責する両親の声が響いてくる。

まあ、私が100パーセント悪いのだが、それでも朝仕事前にこんなに怒鳴ることもないだろう。

こんなことで遅刻したら元も子もない。

まあ、私が悪いのだが……。

私にも罪悪感はある。

こんな四畳半程の小さな部屋に篭り、鍵をかけてネットゲームをしている。

こんなダメ人間になってしまっては迷惑かけていない訳がない。

でも、その原因を作ったのは私だけではないと思う。

勝手に期待して、それに応えたら自分のように喜んで、さらに期待を押し付ける。

そんなことをした彼らも少しも悪くはないだろうか?

「マリ、帰ってくるまでには出てきなさい」

私は散々叱責を散らした後、ドタドタと部屋を出て行った。

「はあ、やっぱこうなるよね」

中学校でも虐め続けられ、限界を迎えた私はある日突然家に引き篭もった。

中学校中の教師が私を心配し、生徒が高らかに笑い、両親と親戚は叱責と悲哀の感を垂れ流しにした。

でも、私はもう戻れない。

そんなに強くないから……。




私は罪悪感にも抗えなかった。

毎日、厳しく叱りつける父と優しく心配してくれる母に申し訳なかった。

だから、責めても償いでお金を稼ぐことにした。

ネットで様々なことを調べ、身分を偽ってデートレーダーになった。

自分の小遣いを元金に少しずつお金を増やしていった。

それを毎月、両親に渡し、償いの形とした。

しかし、両親は私の行動の理解ができず、困惑と憤怒を繰り返した。

私には才がある。

それはもう分かっていた。

中学生が株で簡単に成功するはずがない。それが、このザマだ。

よく、アニメやゲームの主人公が自分にしかない能力で嬉しがっているが、何がいいのか分からない。

他者と区別させられる力なんて存在しない方が良い。

でも、分からないのだろう。

自分が不幸を感じない限り、他者を不幸にしない限り、実感が湧かない限り、人は欺瞞の渦の中でぐるぐると回り続ける。

私はその中から、抜け出してしまった。

幸せな欺瞞であるなら、その中で居続ける方が余程幸せなのかもしれない。

私はやっぱり不幸者だ。

才を持ってしまった不幸者だ。

ただ、今悲観したところで全くもって意味をなさないのだが……。

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