心配事
……翌日。
マリは約束通り、学校に行った。
間違いなくこの目で確かめてるから、大丈夫だろう。
俺は心配を感じながらも、オブリビア学園に併設されている俺の部屋、もとい校長室に向かった。
俺は学園の授業方針やオブリビア全体の発展など様々な責務が任されている。
部屋の中に入れられた、依頼書や相談の山を片付けなければいけない。
「はぁー、めんどくせぇな」
自室に誰もいないことをいいことに、大声で独り言を言ってしまう。
もし、見られてしまったら、恥ずかしいことこの上ないのだが……。
「あいつ、大丈夫かな?」
思い描くのはマリの姿。
また何かやらかすのではないかと、親でもないのに心配してしまう。
きっと、この街に来て、頭が混乱しているだけなのだろうと、無理やり決めつけて、資料を片付けるのに勤しむ。
「トントン」
昼休みになり、俺の部屋にノックが鳴った。
「どうぞ!」
声をあげると、扉がゆっくりと開いた。
「おっ、ヴィーヌか」
中には金髪を揺らしたヴィーヌが入って来た。
「どうした?」
「ええ、その。……ガクトの連れて来た」
「ああ、マリのことか」
俺はヴィーヌが言いたいことが容易に想像できた。
「あの子、心配なんだけど」
「それは俺も同じだ。何か、またやらかしたか?」
「いいえ。でも、ずっと誰とも話そうとしないし、外ばかり見て、授業をちゃんと聞いてくれないの。でも、問題は簡単に答えちゃうし」
彼女はかなり悩んでいるようだ。
「教師がそんな顔しちゃダメだ。もっと自信を持った方がいい」
「でも……」
「まあ、最悪俺が何とかする。だから、マリのことは何とか大目に見てくれないか?」
「うん、分かった。私もやれるだけやってみる」
彼女は少し気が晴れたような表情になり、部屋を後にした。
「はぁー。学園に入れない方が良かったのかな……」
今更どうしようもない悩みを垂れ流しする内に昼休みの終了を知らせるベルが鳴り響いた。




