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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第三章 第二の来訪者編
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マリの性格

マリは教室を去ってから帰ることはなかった。

俺も止めることができなかった。

後悔に苛まれているうちに初日の授業は終わりを迎え、俺も帰路につくこととなった。

自宅に戻ると、マリはベッドですやすやと眠っていた。

「おいっ、マリ起きろっ!」

俺は眠るマリを揺らす。

「うっ、う〜ん」

「起きろって!」

「あっ、おは…よう。ガクト君」

目を擦りながらダラダラと起きるマリに少し腹が立つ。

「何で、途中で抜け出した?」

少し怒気を帯びた口調で問いかける。

「起きていきなり説教はきついよ。ガクト君」

あくまでも舐めた口調でマリは答える。

「皆、心配してたんだぞ。何で抜け出したか答えろ」

「……面白くなかったから」

授業を抜け出した時とまんま同じだった。

「何が?」

「簡単過ぎるの」

「いやっ、お前まだ中学卒業したところだろ。あれ、高校レベルの…」

「私には簡単なの」

マリの目は虚ろな表情をしていた。

人よりできるというのは普通は嬉しいはずなのに、どうして彼女はこういう表情をするのか。

彼女の闇は何なのだろうか。

それを問うことはできず、その後数分間は何も話すことができなった。




「ガクト君、何か小説はない?」

彼女の表情は何事もなかったように、元に戻っていた。

「あっ、ああ。そこに30冊くらいあるぞ」

本棚を指差してそう伝える。

「なら、少し借りるね」

マリは小説を一冊選び、ベッドにうつ伏せになって読み始めた。

「なあ、マリ。明日も…行くよな?」

少し、心配しながら彼女の背中に問いかける。

「えっ、あー。まあ、いいけど」

ページをめくる紙の擦れる音が少し響きながら彼女はそう答えた。

気持ちが全くこもっていないのが気になるが、とりあえず行ってくれるならいいだろう。

「マリ、これ解いて見てくれないか?」

「今度は何?」

俺は紙に書いた数学の難問を手渡す。

「えっ、解けばいいの?」

「ああ、解けるなら解いて見てくれ」

彼女はペンと問題を受け取り、小説を下敷きのようにして、考え始める。

……一分後。

「はい」

早くも出来上がった彼女の解答を俺は確認した。

難関大学の入試レベルの問題だったのだが、ものの数分で完璧に答えられていた。

「正解だ」

「そう」

彼女は相槌を打って、小説を読みだした。

彼女はもしかしたら、かなりの天才かもしれない…。

俺がそう考え始めると、彼女に話すことはもうなかった。


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