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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第一章 魔法世界の救世主編
5/70

名前

「で、ヴィーヌ、聞きたいだが…」

金髪の少女に尋ねる。

「うん、…いいよ」

発音や言葉遣いも流暢になってきている。本当に優秀だ。

「こいつら、4人は誰なんだ」

「4人って、何?」

「何って、ここにいる人達は誰かってことなんだが…」

指を指して示す。

「あぁ、私の仲間だよ。一緒に協力して、…生きてきたの」

先ほどの様子から想像するに、数字という概念も存在していないらしい。日本語の勉強の他にも、色々と教えなくてはいけないようだ。

「彼らには、名前があるのか?」

ヴィーヌは少し考える。

「名前って、さっき…ガクトがつけてくれた…もののことだよね」

「あぁ、そうだ」

「なら、…ないと思う。多分、私とそんなに…変わらないから」

「そうか、なら名前をつけないとな。俺も呼びにくいし」

「私からもお願い、なんでか分からないけど、…名前をつけてもらって、…嬉しかったから」

「おう、了解した」




眼前に立つのは、青色の少年。ヴィーヌが俺の前に連れてきてくれた。

彼は、ヴィーヌと手を合わせていた少年だ。

(見た目からすると、なかなかの好青年に見えるな。いかにも、頭が良さそうな感じがする。それに、本を読み何かを考えることが好きそうな雰囲気がある。なら、これがいいだろう)

「お前の名前は、ロイだ」

由来は哲学者フロイトからとった。考えることが哲学だから、この少年の雰囲気と合う。

「………ロ………イ………」

ヴィーヌも凄いが、こいつもなかなかに覚えが早い。

「ロイ、いい…名前」

ヴィーヌが褒めてくれた。ヴィーヌはかなりの美少女だ。教師として、こういうことは慣れているつもりだが、なかなかどうして、照れくさい。

「次は、この子」

ヴィーヌが連れてきたのは、身長の低い赤髪の少女、むしろ幼女だ。雰囲気は成熟してきた感があるのだが、やはり女子高生というよりは、女子小学生といった方が伝わりそうだ。

(うーん、赤髪か。赤くて小さいもの。イチゴ、リンゴ。何か違う。そういえば、トマトに何か、いい品種があったかな)

「よーし、こいつはティカにしよう」

「……………………っ」

喜んでいる雰囲気がある。それなら良かった。




次に前に立ったのは、茶髪の男。他の者達より、身長も体格も大きなものである。筋肉も隆起し、いかにも厳格で強面な感じがする。

おそらく、この中の誰よりも、強いだろう。

(この雰囲気。圧倒的迫力。天性の才能を感じさせる存在感。スポーツ選手を基にして考えるのがいいだろう)

「そうだな、ルースでいこう」

「………………ぁぁ」

何か呻き声のような声がしたのは、気のせいだろうか。

某有名野球選手を参考に名づけた。

彼の強面の表情は、微動だにしない。彼は怒っているのだろうか。

「次で最後…」

ヴィーヌがそう言って、連れてくる。

「うわぁ、これはちょっと困ったなぁ」

思わず、そう口にしてしまうほど、前に立つ少女は異質だった。

少女というより、女性といった方が表現が正しい。抜群のプロポーションと、肩まで伸びた銀髪が、麗しさを倍増させている。

女子高生のように可愛いというよりは、どこかのホステスのように妖艶な雰囲気を身に纏っている。

(良からぬ感情が沸きそうだから、あんまり見たくないな。どう考えても、絶世の美女。こんな美女にはこの名が似合っているだろう)

「えーと、そうだなぁ」

眼前に立つ人を直視できず、言葉がたどたどしくなる。

「お前は、パトラだ」

何とか、言いきれた。こんなに緊張したのは初めてだ。

名の由来はもちろん、クレオパトラからとった。

「うん、みんな…いい名前。ガクト、ありがとう」

ヴィーヌのその一言で、名前つけ大会は幕を下ろした。

それにしても、皆、五者五様かなりのイケメン、美女揃いだ。この世界はこんなにレベルが高いのか。

自分の貞操と嫉妬が少し気になる。

そんなくだらないことを考えながら、自宅での、少しの休憩は、終わりを迎えた。

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