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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第三章 第二の来訪者編
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迷い人

ある日本の某場所。

電子的な機械、最新鋭のモニターが数台、パソコンが数台。

電気と機械で満ちたその部屋に、ポツンと少女が回転椅子に座っていた。

黒髪ショートで目がぱっちりと開いた小柄な少女。

何日か風呂に入っていないのか、髪が少しばさついてはいるが、綺麗に整えれば誰からも美人、美女と言われるであろうその少女は眠気を感じながらも、モニターに向かい、作業をしていた。

一つの画面では、何かの取引を行い、また別の画面ではRPGのネットゲームを嗜んでいる。

一体彼女は何がしたいのかと言いたいところだが、常人に彼女の考えを理解できるものはいない。

ただ、一つだけ分かることがある。

彼女が時折発する言葉だ。

「はぁー、つまんない」

こんな言葉は誰でも使うだろう。

その言葉を何度も呟きながら、椅子に座り続け、少女は理解し難い作業を行い続けた。

「コンコン」

突然、部屋を叩く音がした。

彼女はその音に反応し、コードだらけの床をゆっくり歩き、何も言わず、扉を開けた。

「今日の昼ご飯です」

白衣を着た女性がトレイに乗った料理を少女に手渡した。

少女は会釈をすると、何も言わず椅子へ戻る。

少女はトレイに乗ったパンをひと齧りすると、咀嚼を止めた。

彼女の体はその食事内容に見合い、痩せ細っていた。

もの凄いスピードでタイピングを始め、訳のわからない数字と文字の羅列が入力されていく。

そして、彼女は溜息を一つ。

「逃げたい。死にたい」

言葉を二言呟くと、椅子に大きくもたれかかった。

「はぁー」

再び溜息をつくと、眼前にあるモニターが突然消えた。

「えっ?」




彼女はカチャカチャと操作を繰り返す。

しかし、何も反応がない。

「何これ、どうなってるの?」

少女は焦りの表情を浮かべる。

電源ボタンを何回も押し、モニターを大きく揺する。

「どうしたらいいの?」

自問自答を繰り返し、何度も何度も再起動を試みるが、直ることはなかった。

「はぁー」

彼女は諦め、椅子にもたれ掛かると項垂(うなだ)れた。

その瞬間、突然部屋を幻想的な光が包んだ。

「何、これ?」

不可思議極まりない状況に思わず立ち上がった。

「少女よ、君は何を願う?」

幻想的な光から、老人のような暖かみのある声が響いた。

「うわっ、どこから?」

驚きを体現した様子で、あちらこちらを見回す。

あるのは幻想的な光と電子的な機械だけなのだが。

「少女よ、もう一度問おう。君の願いは?」

再び謎の声が響いた。

「私? そっか。誰か分からないけど聞いてくれるなら話す。私はどこかへ行きたい。世俗との関わりを断てるどこかへ。私みたいな人が、この世に生きていてはいけないから」

何者かも分からない誰かに願いを教えた。

「分かった。君の願いを叶えよう」

「えっ?」

光はどんどん大きくなり、何も見えなくなった。

「少女よ。目を瞑れ。目を開いた時、君が望む場所へ辿り着いているだろう」

謎の声に導かれ、少女は目を瞑る。

光の中に消え、少女は眠りについた。




「うっ、うーん」

瞼にはいつぐらいかの太陽の光が輝いていた。

いつの間にか、仰向けになっていた体を動かすと、手には土の感触がした。

目を開けると、青空と太陽が燦々と照っていた。

「本当にどこかにきちゃった」

荒野の真ん中に落とされた少女は小さな声でそう呟いた。

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