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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第二章 オブリビア建国編
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パトラのお遊戯 オブリビア建国記念杯

「さあ、レースが始まりました! 実況は私、ルチアがお送りします。そして、解説はこの方。才賀学知さんです」

「よろしくお願いします」

俺はなぜか解説という大役を任されてしまった。

「ではガクトさん。注目するのは何でしょう?」

「そうですね。やはり、リードウラヌス、ルースのコンビでしょうか? 英雄ということもあって、期待度が高いです。あと、私事ですが、実はルース騎手が乗っている馬は私が貸した馬なんです」

「そうなんですか?」

「はい。ですので、贔屓(ひいき)になるかもしれませんが、頑張ってもらいたいです」

俺達の実況、解説は、拡声魔法で競技場全体に伝わっているらしい。

少し恥ずかしくなってきた。

「ですが、他の騎手、天馬達も相当訓練を積んできたはずです。どの天馬も見過ごせません!」

「ガクトさん、ありがとうございますっ!」

俺達の声は、観客の歓声と共に、走る天馬と騎手達にはっきりと伝えられた。




「ガクトに借りた馬だ。その分の働きはしないとな」

ゲートが開く前のボックスの中、ルースは自己暗示をしていた。

ファンファーレがなり終わり、他の騎手達も構えている。

「ガタンっ!」

「ゲートが開き各馬一斉に飛び出した! 皆、好スタートをきりましたっ!」

「ウラヌス頼むぞっ!」

「ヒィブルルル!」

実況の声が響く中、全ての天馬が横一線にスタートした。

「ガクトさん。このコースのポイントはどこでしょう?」

「そうですね…。まず、三周という長い距離を走るためのペース配分が非常に重要です。それに、コースに設置されたギミックやそれを回避するための飛行技術もかなり重要になるでしょう!」

ガクトの声が知らせる通り、俺の前には巨大な坂が見えていた。

「ディープライトがギミックに最初に辿り着きました!」

ディープライトは、ムーロ騎手を乗せ、坂道を駆け上がり、飛翔する。

それに倣うように天馬達は翼を広げる。

「ウラヌスっ! 俺達も行くぞっ!」

「ヒィブルルル!」

俺は天を舞った。

「コースに引かれたラインを超えて着地すると、その時点で失格となります。着地のタイミングも非常に重要です」

先頭を行くディープライトは、ラインのかなり前で着地をし、走り出した。

「おおっとこれは、かなりのロスです。飛翔する方が早く行けますから」

「ウラヌスっ!」

俺は手綱を引き、着地点を見定めた。

俺の指示に呼応するように、ラインギリギリで着地をした。

「おおっと、これは素晴らしいです。リードウラヌス見事な着地。そして、加速。無駄の無い見事なさばきです」

「一周目で後方にいた、リードウラヌスは現在四番目になりました。しかし、各馬それほど差はありません。まだまだ、分かりません」

ガクトの解説を聞き流し、二周目に入った。




「ルースっ!」

直線を流して走っていると、隣から声が飛んできた。

番号八番グランドスカーレットを乗りこなす、同じ警備隊所属のルートだ。

「おおっ、ルートか。競技中に危ないじゃないか」

「そんなはずないだろう。うまく、天馬を走らせているくせに」

「それで、どうした?」

「いやっ、いつスパートをかけるのかと思ってな」

「考えてるところだ」

「そうか、でも俺についてこいよ。正直、敵に値するのはお前くらいだから」

「ああ。俺は負けないぞ」

「ふふっ、流石ルースだ。だが、俺も負けないぞっ!」

そう残すと、ルートは風となり加速を始める。

「おおっと、グランドスカーレットここでスピードを上げた。前を走る馬に、徐々に詰め寄っていく!」

「ここで、スピードを上げるのには何か意図がありそうですね。相当グランドスカーレットのスタミナがあるのでしょう」

ルートはギミックで飛翔すると、滑空する形でさらに加速し、一気に先頭は躍り出た。

「素晴らしい飛行技術! グランドスカーレット、後続を引き離しました!」

「ウラヌスっ! 俺達もそろそろ出るぞっ!」

前から三番目の状態で、俺は三周目に突入した。

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