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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第二章 オブリビア建国編
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ルースの警備隊

「で、話とはなんなんだ?」

「まあ、美味い料理を食いながら、ゆっくりと語ろうじゃないか」

俺はルースを連れ、ティカのレストランで食事をしながら、話をしていた。

大事な要件をルースに任せようと考えていたからだ。

「はいっ、サンダーバードのソテー」

「おおっ、美味そう!」

俺は出てきた皿に目を奪われ、会話の内容を少し忘れてしまう。

「ガクト、いい加減にしろ! 用がないなら、俺は帰るぞ!」

「おお、すまんすまん。まあ、カリカリするな。はむっ!」

料理を食べながら、相手を諭す。はたから見れば、とても腹の立つ行為だ。

「で、結局何をさせたい?」

ルースは怒気を帯びながら、尋ねてくる。

「端的に言えば、この国を守ってもらいたい!」

ルースは、怪訝な表情を浮かべる。

「どういうことだ?」

「一言一句そのままだ。ルースには仲間を連れて、この国の警備をしてもらいたい」

「なぜ俺がそんなことを…?」

俺は微笑を浮かべて答える。

「お前が前言ってたろ。この街を守りたいって。その夢を叶えさせてやろうって言ってるんだ」

ルースは、一瞬呆気にとられるが、なんとか正気を取り戻し返答する。

「いや、別にその仕事をするのは構わないのだが、今必要なことか?」

「ああ。法律ができ、ルールとして定着すると、よく思わないと思う人間が必ず現れる。そうなった時、いざこざが起こって、結果的に国に悪影響を及ぼす。だから、それを取り締まる存在が必要だ」

「そんな重要なこと、俺で大丈夫だろうか?」

ルースは、自信なさげにそう答えた。

「大丈夫だ。お前の正義感と強さがあれば、きっとうまくいく」

俺は甘言を言ったつもりはない。ただ、事実を言っただけだ。

「分かった。やってみよう」

「そうか、それは助かる」

「はいっ、食後の紅茶だよ」

ティカは、ルースの就職を祝うように、とびきり美味しい紅茶をそっとテーブルに置いてくれた。




「まったく、この金ってのはいいな。稼げば何でも食べられる。何でも、いい思いができる」

一人の男が平日の昼間から、町中の食事処で豪遊していた。

「はぁ、全く最高だ。あの法律ってのも、バレなきゃ意味ないし、金を奪えば遊び放題。食べ放題。あの男もなかなかいいことしてくれるな」

その男は金を人から強奪しては、食事をする。

いわゆる、悪党というやつだった。

「おっ、いいやつみっけ」

男の前には、華奢な女性がいた。

男はその女性に飛びかかり、人通りの少ない路地裏へ連れ込んだ。

「おいっ、姉ちゃん。金をよこせ。そうすりゃ、痛い目を見させたりしないからさ」

「やっ、やめてください! 魔法を撃ちますよ」

「別にいいぞ。撃てるんだったらな。撃ったら、あんたが監獄行きだ」

「そっ、そんなこと…」

「法律忘れたのか? 他者への魔法の攻撃は、重大な犯罪だぞ」

男は下卑た笑みを浮かべ、女性を強く脅迫した。

「やっ、やめてください! これは必死に稼いだお金です」

「うるせぇな。そんなに痛い目を見たいのか。なら、お望み通り…」

「バァーーーン!!!」

爆音と共に、強烈な衝撃が走った。

「監獄に行くのはお前の方だ。そこの男!」

現れたのは、銀色の鎧を着こなし、剣を携えたルースだった。

いや、正確にはルースを隊長とした、鎧の騎士達であった。

「おっ、お前ら何だ?」

「我ら、オブリビア警備隊だ。そこの男、お前は今この女性を脅し、金品を奪おうとしていた。これは、恐喝罪に値する。そのため、今からお前を捕らえる」

男は嘲笑したような笑みを浮かべる。

「はっ、笑わせるなよ。こう見えても、俺の魔法の力は結構強い。お前ら全員吹っ飛ばしてやる」

「今ので、攻撃する言質をとった。逃げるなら今の内だ」

「はっ、何言ってやがる? いくぞ、ほらっ!」

男が凄まじいスピードで魔法陣を編んだ瞬間、ルースは男の懐に入り込み、備えていた盾で上空に男を押し飛ばした。

「ぐわっ!」

重力に従って、地面に激突した男にルースは切っ先を当てる。

「まだやるか?」

「いっ、いやーーー!」

男はべそをかき、地面に突っ伏した。

「逮捕しておいてくれ」

ルースは、仲間の警備に男を任せ、襲われた女性の元へ向かう。

「大丈夫でしたか?」

「はいっ、助かりました」

「人気の少ないところは危ないので、注意してくださいね」

「本当にありがとうございました」

女性は、深く礼をすると、ゆっくりと歩いて行った。

「全く、ガクトの言った通りになってしまったな。金銭関係の事件が多発している。警備隊のパトロールも、もっと厳重にしないといけないな」

ルースの警備隊が始まって以降、逮捕者は後を絶たない。

この国が本当の安寧を迎えるには、もう少しかかりそうだ。

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