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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第二章 オブリビア建国編
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ティカのレストラン 新鮮な鶏肉

結論から言おう。

俺達は、新たな魔法を生み出した。

それは、ある種人類の夢であり、機械で実現できても、未だ夢となり続ける代物。

イコール、飛行である。

そう。俺は今飛んでいる。

肩甲骨から、体躯より遙かに大きな白い翼を生やし、空気の壁に乗って飛んでいるのである。

「うわっ、こえーーーー」

初めての体験に、不安が漏れるのも仕方ない。

高度2000メートルを猛スピードで滑空しているのだから。

「大丈夫? 酔った?」

そう言ってくるのは、レストランを開業予定のティカである。

「ああ、少し酔ったかもしれない」

何故こんな経緯になったのか、ご説明しよう。

数日前のことである。

日課のようになった、ティカとの食糧調達をしていた時のことだ。

上空から不自然な程巨大な影が差し込み、俺達覆った。

「なんだ?」

ふと、顔を空へ向けるとプテラノドンのような巨大な翼竜がいた。

「うわっ! やばそうだなー」

そう漏らす内に、翼竜はどこかへ去ってしまった。

「ねぇ。魔法を使えば空を飛べるんじゃない?」

ティカが袖を引っ張り、聞いてくる。

「う〜ん、重力を減らしたりできれば、浮かぶことはできるだろうが、重力っていうものの実体が掴みにくいし、常に魔法を使ってなければいけないし、現実的には無理かな」

「そっか……」

と、その場ではそれで終わったのだが、帰宅してからティカが魔法でこの翼を編み、実際に試してみると、意外と上手くいき、現在に至るというわけだ。

「あっ、いたいた」

見つけたのは、紅い鳥。全身を赤い羽毛で覆われ、火を吐く鳥。安直だが、ファイアバードと名付けたものだ。

「よっしゃ、やるぞ!」

「うん」

その言葉と共に、二人の鳥人は大きく、翼をはためかせた。




俺はパラレル飛行でファイアバードの懐へ飛び込み、手に持ったナイフで襲う。

「おらっ!」

すると、空の住人の赤鳥はひらりと攻撃を躱す。

「あれっ?」

「ガクト、私が」

すると、魔法で両手にナイフを作り出し、激しく回転しながら、赤鳥を切り裂く。

「つえーな」

「ガクトよりは、強いよ」

「ガァ、ガァ」

振り向くと色違いの黄色い鳥と青い鳥が、そこにはいた。

「ちっ、サンダーとアイスもきたか」

「大丈夫。任せて」

そう言って、数瞬で懐に入り、二色の鳥を斬りつける。

「はい、終わり」

「全色揃ったな。これで、十分だろう」

この三色の鳥は、それぞれ肉質が違って美味だ。それぞれ、もも肉、ムネ肉、手羽の食感と味がする。全種類揃えれば、様々な料理に使える。

「クゥオオオン!」

俺達が浮かれていると、何かの鳴き声がこだまする。

振り返ると、神話に出てきそうな天馬。もとい、ペガサスのような魔物がいた。

先程の鳥とは異なり、強烈な威圧感と存在感を放っていた。

「私が……」

「やめておけ! 今すぐ逃げるぞ」

放つ威圧感から、勝つのが不可能と判断し、その場を離れようとすると、瞬間移動でもしたように、眼前に詰め寄られる。

「クゥオオオン!」

しかし、甲高い鳴き声をあげるだけで何も攻撃してこない。

「危ない!」

ティカが反応し、ナイフを構えるが、ペガサスの放つ威圧感に怯む。

「クゥオオオン!」

天馬は、何かを懇願するように鳴き声をあげる。

「なんだ、何か欲しいのか?」

「クゥオオオン!」

俺はポケットに入れていたチョコを渡す。

「ほら、食えるか?」

そうして、手に置いたチョコを天馬は口にする。

どこか嬉しそうな顔をすると、俺の体に顔を寄せ付ける。

「おおっ! 懐いたぞ。これ、大丈夫じゃないか?」

「本当に?」

「クゥオオオン!」

そう言って、天馬は目を背中にやる。

「乗っていいのか?」

「クゥオオオン!」

オッケーぽいので、背中に乗らせていただくと、勢いよく駆け出した。

「おおっ、これはいい」

俺達は、そのまま空を駆け回り、二人の鳥人は一匹の天馬を連れ、帰路についた。

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