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天才教師が魔法世界で救世主になる物語  作者: 松風京四郎
第一章 魔法世界の救世主編
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希望の光

「ガクトの指示だ。出来る限り、たくさんの魔法を打つわよ」

パトラが、交戦している3人のもとに駆けつけた。

「了解だ。考えうるだけの魔法を打つぞ」

ルースが強く意気込む。

「あくまで、規模は小さくね」

遅れて駆けつけたヴィーヌが、助言する。

「魔法で殲滅するのではないのか?」

ルースが不思議そうな顔を浮かべる。

「ええ、攻略の糸口を見つけるだけよ」

「ガクトはどうした?」

「後方で、ギリギリまで調べるって」

少し険しい顔を浮かべながら、ルースは答えた。

「そうか、ガクトを信じるしかないな」

「ええ、ガクトは、私達の指導者で救世主だもの」

「ティカ、ロイ! お前らは、まだ魔法がたくさん打てる。頼むぞ」

「オッケー」

「わかった」

二人は、ルースの指示を受け、頷き魔法の準備に取り掛かる。

「まずは、これだ。いくよ!」

準備を終えたロイの手のひらには、魔法陣が浮かび上がり、光を放つ。

ロイが放ったのは、雷魔法だ。

タイラントドラゴンの上に、瞬間的に雷雲が立ち込め、一筋の雷が一閃。

ドラゴンの脳天に直撃した。

「シャアアアアア!」

ドラゴンは、痛みを感じるように声をあげた。

直撃したところは、数十秒の間焦げ、壁を破壊するドラゴンの動きを止めたが、少しした後、焦げは消え、動き始めた。

「くっ、やはりダメか」

ロイが落ち込みに暮れる。

それを無視するように、ティカが魔法を放つ。

「これなら、どう?」

ティカが放ったのは、地震魔法。

ドラゴンの周囲だけを、激しく揺らす魔法だ。

「嘘でしょ?」

ティカは思わず、そう呟いた。

なぜなら、激しく震える足場を意に介さず、悠々と作業のように壁を破壊する姿が、そこにはあったからだ。

「次は、私がいくわ」

そう言い放ち、すでに準備を終えていたパトラは、氷結魔法を放った。

瞬間、壁を攻撃する一本の足が、氷塊に変わった。

………が。

「やはり、効かないの?」

凍ることそのものに意味がないと言うように、凍った足を再び壁を破壊する道具として使い始めた。

「俺が、止める!」

そう言ったルースは、魔法を使い、硬質化した金属を、直接ドラゴンの腹から突き立てた。

巨大な金属の塊が、内側から体を抉った。

しかし、黒いオーラが少しずつ金属を侵食し、数分後には何事もなかったように立ち尽くしていた。

「私もやる」

ヴィーヌは、渾身の力で大火を作り出し、ドラゴンに浴びせる。

ドラゴンは、業火の渦に巻き込まれ、動きを止めた。

しかし、一年前と変わらずに黒いオーラが全てをなかったことにした。

「もう、一体どうしたら?」

そんな諦めと取れる言葉を言うと同時、再びドラゴンは、壁を破壊し始めた。




「すまん、な。俺が絶対、突破口を見つけるから」

後方で5人が打つ魔法と、それに伴う巨龍の反応を俺は固唾を飲んで見ていた。

「氷結、地震、物理は全く効果がなさそうだな」

ドラゴンの反応を見て、推測を立てる。

「雷と火炎は、少し動きを止めたが、あまり意味がなかった」

俺は見ていた。

この二つの魔法を放った時、ドラゴンに直撃する前に、一瞬巨躯が動きを止めたことに。

しかし、解せないのは、二つの魔法の反応の違いだ。

雷の時は、一瞬止めた後、すぐに起動しだしたが、炎の時は、一瞬動きを止めてからは、ある程度起動するまでに時間がかかっていた。何かを恐れるように。

「雷と炎。この二つの共通項はなんだ? それと、このタイムラグは何を意味してる?」

俺は今まで手に入れた知識を、刹那の速さで思い返した。

「雷と炎。この二つの共通点は光っていること。違っていることは、光の質だ。あの龍の反応からして、効果がありそうなのは炎だ。炎の光が何に関係している?」

俺はその時、前日にヴィーヌが話していたことをふと思い浮かんだ。

「ヴィーヌ、その魔物が来たその日、変わったことはなかったか?」

「う〜ん。特に無かったと思うけど、そういえば、いつもより暗かったかもしれないわね」

いつもより、暗かった。

なぜだ?

俺は自問自答を続ける。

光が少なかった。

何の?

夜に光るものは、月か。

それが何に関係する?

夜にしか攻めてこない。しかも、新月の日に。今日もその新月だ。

新月が意味することは……?

「そうか。そうだったのか。あいつの行動には全て意味があった。炎の光を嫌がったことも。夜の、しかも新月の日に来ることも」

俺は一つの確信を見出し大声で叫んだ。

「太陽だーーー! 太陽の光を作り出せーーー!」

そう、この龍は太陽光を怖がっていた。似たような紅い光を放つ炎に、反応していたのはそのためだ。

新月の日に来たのも、説明がつく。月光も結局のところは、太陽光が跳ね返り生み出された産物だ。それを感じ取り、巨龍は新月の日に来たのだ。

俺は、いや俺達は、光を見出した。

文字通り、希望の光を。

俺の言葉を聞き、5人は頷いた。

それと同時に、一斉に魔法を編み出す。

………壁の破壊までおよそ5分。

………夜明けまで、あと30分。

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