表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Mr.プリンセス   作者: 業平アキラ
Mr.プリンセス、恋に落ちる
11/11

10.5*彼女に映るプリンセス

自分、篠村薫というっす。

歳は十七。カオって呼んで欲しいっす。

最近がっかりしたことは、政経でまたまた赤点を取ったこと。

んで、赤点取ったせいでカオの家と近所の幼なじみの花ん家と環にぃん家の家族で行くはずだった海外旅行に強制的に行けなくなっちゃって。

これでも今までで一番気合い入れて勉強したんだけどな…。

戻ってきた答案用紙を遠慮もなく見るなり、幼なじみの花に「やっぱり赤点かぁ…」って言われた。

”やっぱり”ってどういうことだ”やっぱり”って!ムカムカ!

しかも補習は学年でたった一人…泣

吾妻先生は相変わらずの無表情で厳しく教えてくれるけど、補習は合格するまでとことん付き合ってくれるんだ。

顔に出ないけど中身は意外といい先生って感じ。

カオ、最近それに気付いたんだけどね。


こういうのツンデレって言うのかな?



「よし、いいわよ。薫ちゃんの風邪、完治ね」

「わーい!羽矢芽センセーお世話になりましたっす!それから吾妻先生と理事長先生もお世話になりましたっす!」


ちょっと風邪引いて学校からの帰り道で記憶が飛んで、気がついたら理事長先生のお家に居て、なんでか吾妻先生が看病してくれました。

あれから二日でカオは風邪から復活!

もう咳も出てないし、元気百パーセント!

素敵な日曜日だ!

まずは三人の先生に感謝感謝で拝んどかなきゃ。


「ああ」


れれ?吾妻先生、視線カオから逸らした。ん??


「ぶはっ!!お役に立てて光栄や、薫ちゃん。おかげで大野のお兄さんはおもろいもん見せてもろうたさかい有意義な週末やったわ」

「…そうっすか?」


ゆーいぎとか言って理事長先生なぜにそんなに腹抱えて笑ってるんだろ。

カオ面白い事したっけ?


「ふふ…はい、お世話しました♡しかし見事な回復力ね」

「カオ三歳の頃から剣道で鍛えてるっすから!」


風邪もホント十年ぶりに引いたくらい、普段は元気だ。

花と環にぃにはバカは風邪引かなくていいなってよく言われてたから、この事話したらビックリするかもなー。


「すごいわね。今年で十四年?」


「いやー、そんな良い話じゃないんっすよ。他にも父ちゃんと母ちゃんに習い事に入れられたんっすけど、どれも三ヶ月続かなくって。でも剣道だけは何でか楽しくって、気付いたら高校生になってたってわけなんっす」

「ふふ、十分良い話よ。好きってそういう事よね」


好き…?


「へへっ、そうっすか?」

「そうよ。あ、十四年と言えば私たちもちょうど知り合って十四年よね」


そう言って羽矢芽センセーは吾妻先生と理事長先生を見た。

えっと、確か三人は高校で知り合ったって言ってたっけ。


「もちろん覚えてるで。羽矢芽ちゃんはあの頃から綺麗でキラキラかがやいてたし」

「もー、千浪くんたら♡」


おー、羽矢芽センセーと理事長先生ラブラブ〜。


「吾妻は…吾妻はなー」


…ん?理事長先生ちらっと吾妻先生を見た??


「なんだ、大野。文句か?」

「いや、ちゃうけど。んー、むしろ誉めやな」

「嘘をつくな」

「酷!じゃ、薫ちゃんだけに教えたる」


って、理事長先生が手をちょいちょいするから近づくと、ヒソヒソ話してくれた。


「吾妻はな、薫ちゃん」

「え、なんっすか?」


一体どんな秘密が?



「あいつ自身は今と大差ないけど、あの頃はあー見えてモテとったんやで」



……モテ?…………モテっ!?!?



「ぬうぇぇぇぇぇぇぇー!?」



まままままま、マジで!?

意外…って言うか、まあ先生顔は何気に良い方だけど氷の国からやって来てるし…。

でもでもそれよりも、ツンデレブームはカオが小ちゃい頃からあったんだ!

カオ、大発見したよっ!!



「おい、大野!何を吹き込んだ」

「俺の学校の生徒に嘘と変な事は言ってへんで。薫ちゃんぐらいの年代なら喜びそうなネタを話しただけや。以上!」


以上!って理事長先生なんか言葉は大人っぽいけど、近所のガキんちょみたいな言い方だ…。

んで、吾妻先生ってば理事長先生の胸ぐら思い切り掴んでるよ。いいの?!


「なるほど、これ以上口を割る気はない様だな…」


あ、離した。

…ひっ!?吾妻先生なぜその氷の国から来た鬼の顔を…


「篠村、お前の学校の理事長は何を言った?」


こ、怖ー!!!

かかか、顔が、顔がっ!!ひー!

ととと、とりあえず話変えちゃえ!


「あ、え…いや、羽矢芽センセーと理事長先生は吾妻先生と友達歴長いんっすね!」

「そうよ。腐れ縁って言葉がピッタリかしら」


おお!羽矢芽センセー、ありがとう!

吾妻先生が口を開く前に言葉をねじ込んでくれた。女神っ!!

これで吾妻先生が大人しくなってくれれば…


「…なんだ篠村。その目は」

「え゛?」


いやいや、先生の目の方が怖いよ!?


「あら吾妻、薫ちゃんの言いたい事分かんないなんてあんた本当に教師?」

「お前の旦那が経営する学校の社会科の教師だ。ならば貴様は篠村の言いたい事が分かるというのか弓親」

「当たり前よ。なんだったら薫ちゃんのスリーサイズまで分かるわ」

「なぜ話がそこまで飛躍するんだ。大体、弓親は昔から…」


あちゃー、吾妻先生ったら友達にも先生っぽく半ギレでお説教始めちゃったよ。おいおい。

あ、羽矢芽センセー言い返してる。

吾妻先生に受けて立つって超スゲー。


「理事長先生」

「ん?薫ちゃんなに?」

「いや、なに?(関西風)じゃなくってさっきからどうして羽矢芽センセーと吾妻先生ちょっとケンカ腰なんっすか?」

「あー。別に仲悪いとか違うねんで?二人はあれで普通なんや」

「んー…カオには普通に見えないんっすけど…」


先生は氷の国から来たからあんな感じだけどいつもよりちょっと吹雪いてるし、羽矢芽センセーはカオには優しいのにどうしてだ?


「薫ちゃん、喧嘩する程仲がええ言う諺あるやろ。あの二人はそれや」

「こ、コトワザ…」


えっと…コトワザってどっかで聞いたことあるけど…どんな技出すんだっけ?

裏拳?十文字固め?んー…言葉の音的にいったら大技じゃなさそうだから裏拳とかに近い様な気がするなー。


「大野。篠村に諺は通じていない」

「え、ホンマなん?」


「けんかする程仲がいいってのは何となく分かるんっすけど…コトワザってどんな技っすか?」

「そっちかい!」


理事長先生さすが関西人。これが本物のツッコミってやつかー。すっげー!


「薫ちゃん国語は大丈夫なの?」

「赤点はギリギリ取らない程度に大丈夫っす!」


あちゃー、羽矢芽センセーもカオの成績心配してくれちゃってる。

コトワザが分からないのはそんなにやばい事なのかな?

今度、花に聞こっと。


「でも薫ちゃん数学は他のよりちょっとできるやろ?」

「教科全体の中だと一応一番いい点ってだけっすけど…あれ?なんで知ってるんっすか?」


それからなんか吾妻先生びっくりしてないか?

勉強苦手だけどカオだって平均点以上取れる教科ぐらいあるぞ。


「ふふん。千浪お兄さんは何でも知ってるでー」

「まさか理事長先生も宇宙人っすか!?」


保健室のイケメン珠洲先生も宇宙人候補だけど、こんな学校の一番偉い人までだなんて…。

エスパーも案外近くに居そうだな…ごくり。


「待て篠村。大野は理事長だぞ。それくらいの情報は手に入る」

「え、そうなんっすか?」


なんだ~。ワクワクしたのに。


「あぁ、なんでバラすんや!ホンマ夢のないやっちゃな!」

「夢?はっ。笑わせるな大野。誰よりも現実を見つめる策略家のお前が?」

「確かに俺は策略家や。自覚はある。せやかてな…」


あ、あれ?今度は理事長先生VS吾妻先生?!


「またやってる…。千浪君ってば私より吾妻との方が仲良いのよね。ほんと、吾妻が女じゃなくてよかったわ…」


羽矢芽センセーなんだか一人言言って荒んじゃってる?


「あーら、ごめんね☆バカな男共は放っておいていいのよ。で、薫ちゃんは数学の何が好きなの?」


「数学は式があってイコール通過するとそこが答えって単純な所が好きっす」

「確かにそうよね。解き方が分かっていれば、それこそ現代文とか古文みたいに長い文書を読み解かなくても良いし、歴史とか…ましてや政経みたいに細かい事覚えなくてもいいものね」


お、羽矢芽センセーも政経苦手だったのかな?…いや、違うぞ。

羽矢芽センセーってば吾妻先生の方見て言ってる。

吾妻先生も気付いて睨み返してる!?

これは吾妻先生への当てつけか?!


「あと…ヒーロとかヒロインの変身とか合体ロボみたいでカオ好きなんっす」

「変身?合体?」


「羽矢芽センセー、紙あるっすか?」

「これでいい?」

「ありがとうございますっす!きっかけは中一の始めの頃の問題なんっすけど」

「うんうん」


(-8)+(-5)-(-9)+(-2)-(+10)=-16


「ってかっこの付いた式、最初の方に習ったじゃないっすか」

「あ〜、あったわねー」

「外の記号の影響でこのかっこから出すとマイナスがプラスになってプラスがマイナスになったりして答えが変わるのが…」

「変身?」

「そうっす!さらにこれがかけ算のあったじゃないっすか」

「こんな感じかしら?」


(-2)×(+4)×(-6)×(-8)×(-1)×(-3)=-1152


「そうっす!」

「じゃ、こっちはジョイントっぽいから合体ロボってトコかしら」

「羽矢芽センセーさすがっす!」

「ふふ、当然よ」

「それが何かおもしろいなって思ったんっす。そっから他の教科よりは出来ないなりに平均点以上取れる教科になったんっす」


でもカオ頭悪いから、好きでも得意って訳でもないんだなーこれが。


「へー、薫ちゃんやっぱり発想がおもろいな」

「あれ理事長先生、吾妻先生との戦いは…?」


いつの間に羽矢芽センセーの隣に?


「戦ってなどいない」


わ、吾妻先生も居る。

ってか…


「吾妻先生も冗談言うんだ…」

「は?」


カオ、超びっくりだよ…

ツンデレってそんなオプション付いてるんだな。



「ぶはっ!おもろい!!ひー!俺笑い死んでまいそー!」


で、なんで理事長先生はまた爆笑?



「…篠村、帰るぞ」

「え?理事長先生が…」

「そんな奴は放置しておけ。笑い死ぬなんて出来ないからな」

「へー、そうなんっすか」


でも理由が知りたいっって言うか…


「世話になった。また礼に来る。そこの一人で笑ってる奴にも伝えてくれ」

「千浪くん十分楽しんだみたいにだから礼は要らないわよ。もちろん私も楽しんだし♪」

「…チッ…」


え?!先生舌打ちした?!

ぬわっ?!カオ、グイグイ引っ張られて…いや、引き摺られてるなコレ。

吾妻先生そんなに早く帰りたいのか?!


「薫ちゃんまたねー」

「本当にお世話になりましたっす!失礼しまっす!」



吾妻先生わかんねー!

誰か、カオにツンデレっぽい人との接し方教えてくれー!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ