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恐恐物語  作者: 太野 颯仁


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夏の思い出

この話は私が祖母から聞いた話です。

祖母はたくさんの子宝に恵まれ、6人の子供たちがいました。

そのうちの一人の男の子(A)と一緒に体験したお話です。


Aがまだ20代だった頃のとある夏の日。

Aは友達を集めて地元の〇〇山というTV塔がある山で花火をしようということになりました。

ここは陸の孤島と呼ばれており、電車はないため20代ともなるとみんな車やバイクなどそれぞれの

交通手段を持っておりました。

AもGTRという車を持っており、付き合っていた彼女と2人で〇〇山に向かっていきました。


目的地に近づいていくと、彼女がだんだん無口になり、到着する頃には泣き出してしまいました。

友達が集まっても、一向に泣き止まず。

体調が悪いのか、どうしたのか聞いても全然反応してくれない彼女。

Aは集まった友達に申し訳なく思い、とりあえず友達たちには花火を始めてもらい、彼女とAは車に

残り、彼女の様子を見ることにしました。

友達たちがはしゃいでいるのを横目に、彼女に声を掛けますが泣き止むことも、声掛けに反応してくれることもなく。

結局は花火が終わっても泣き止むことはありませんでした。


心配になったAは、彼女と先に解散しAの自宅に彼女を連れ帰り、祖母(Aの母)に話を聞いてもらおうと思いました。

祖母の家は市営住宅で、平屋が横につながっている集合住宅でした。

そのため車を一度家の目の前に停め祖母に一度彼女を預け、すぐそばの駐車場にAは車を停めに行きました。

祖母もAから事前に彼女の様子がおかしいと連絡を受けていたため、Aが家の前ついたタイミングで彼女を迎えに玄関先まで顔を出しました。

祖母は車の助手席からAの彼女を出し、彼女を支えながら家の中に入れてあげました。


車を停め終えたAも家に帰ってき、ひとまず彼女を落ち着かせようとあったかいお茶をいれ、席に着いたときでした。

祖母の脳裏に急に映像が飛んできました。

「今日って〇〇山に行った?」

祖母はAに尋ねます。

続けて、

「そこの大きな木の近くであんたたち花火した?」

Aは驚きました。

まだ祖母にはどこで何をしたなどの説明はしてないからです。


Aは祖母に事の詳細を話しました。

「〇〇山に近くなってから彼女がおかしくなった」

「急に声かけても反応がなくなり、到着したら泣き出して、、」

するとまた祖母に映像がふわっと飛んできて、一言。

「あぁ。なるほどね。」

続けて、

「あんた、○○山はあんまり雰囲気よくないから行くなって言ったよね、、。

あんたたちが花火した大きな木の近くになんか石碑みたいなのある?」

Aは○○山の広場を思いだしながら、

「あー。たしかあった気がする」

と。

祖母はぼそりと言いました。

「石碑のすぐ裏って木があって、そのまますぐ崖になってるよね。

多分そこであんたたちと同い年くらいの男の子が首つってる」


しばらくして、彼女は落ち着き何があったか聞くと、声をかけられているのはわかっていたが声が出なかった。

なんで泣いているのか、具体的な理由はわからない。

でもなんか急につらくて、悲しい気持ちになって。


祖母曰く、その男の子はつらい思いをして、自殺を図り亡くなって。

でも年の近い子たちがすぐそばで花火を楽しそうにしてて。

羨ましくて、妬ましくて、悲しくて。

そして、おそらくその子と波長が合った彼女がその子の感情を受け取ったのではないか、と。

その後、Aは祖母にそういう心霊スポット的な場所で遊んでいたのをこっぴどく怒られました。




彼女も落ち着き、Aへの説教を終え、祖母は思い出します。

「あれ。あんた車に友達載せてるのに、送らなくていいの?

ずっと待ってくれてるんじゃない?連れてくればよかったのに」


Aは急に青ざめ言いました。

「え、彼女と二人で来たんだけど。。」




私が祖母からこの話を聞いたときに、祖母からこういう風に聞きました。

「好青年って感じの男の子で、玄関迎えに行ったときに気づいて。

軽く会釈したら返してくれて、普通の子にしか視えなかったけどね」

と。


霊感がある人は、霊と生きている人間の区別がつかないんですかね(笑)


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