第88話 一期生卒業
はじめての依頼を達成した後は、それぞれのチームは疲弊しており、その日は喜ぶ余裕もなく、きしむ身体をなんとか動かしてベッドで眠るのがやっとであった。それぞれが達成した実感を得られたのは、次の日の朝だった。
6人は、辛かったことや楽しかったことなどを共有し、自分達の経験を語っていく。冒険譚を語り合うのも冒険者の楽しみの1つであることを自然と彼らはやっていた。
そんな様子を見ていると、ナカムラ達は少し安心したかのように胸をなでおろす。
「まぁ、この様子ならきっとなんとかなるだろ」
結果次第では、何度か異なる模擬依頼を繰り返す予定でもあったが、なんとかクリアすることが出来た。この上でさらに繰り返して変な成功体験を積み上げて慢心されるよりも、依頼というものは大変なものであって、準備を怠ってはいけないことや一人では成し遂げるのは難しいという事を念頭に挑戦を続けて行ってほしいという考えをコリーとリンとも話し合った。
その結果、6人が集まった時に講習の終了と冒険者登録の案内をする運びとなった。
驚いた様子ではあったが、自分達が期待に応えられたのだと感じ、喜びの表情を浮かべる。
「色々な事を教えてくださりありがとうございます」
「また困った時は相談させてください
「お世話になりました、頑張ります」
それぞれがこれから始まる冒険者としての活動に期待と不安を抱きながら、感謝を述べていく。
たった1ヶ月ではあったが、1から勉強しながら学んでいった時間は、教官にとっても感慨深いもので、コリーは少し涙ぐんでいた。リンも満足げに6人を見つめていた。
こうして、第1期の冒険者育成コースは終了を迎えた。
ギルド長に結果を報告し、その後の彼らの状況をまた教えてほしいとお願いをして、今回のナカムラ達の依頼は終了となる。
その後、冒険者として活動するようになった6人は、登録したばかりのルーキーでありながら、いくつもの依頼を達成していくようになり、冒険者育成コースの成果が保証されることになった。次々と名前が売れていくとともに、第2期を望む声が出てくるようになりナカムラ達の活動は、冒険者としてよりも冒険者を育成する活動する指導員の相談役も兼ねるようになった。
愚痴とともに飯を共にしながら、育成される側、育成する側、双方の悩みを聞き、提案を繰り返すことで、少しずつ前に進める。そんな環境が出来上がれば、停滞することなく、前に進むことが出来るだろう。
時には悲しい報告もあるが、それでも巣立っていく彼らの中から大成していく噂が流れることは、喜ばしい便りとなっていった。
そして何人もの冒険者を輩出する冒険者育成コースは、国内外での評判となり依頼の数は増えていき、冒険者の行き来が増えることで冒険者ギルドの活気が戻っていったのだ。
色々と病んでおりましたが、ひとまず区切りをつけようと思い、続きを書きました。今後も不定期に、書いてみようと思っています。気が向いた時に、お立ち寄りください。




