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なりきり閻魔ちゃんの冥界ライフ ー私の人生、死んでからが本番ですー   作者: バラモンジン


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53/67

- 柵を断つ  

少しだけ、寂しい回です。短いです。

気楽なコメディだけを楽しみたい方は、飛ばしても構いません。大筋に影響はありません。

次の話もすぐ後に投稿します。

  ※しがらみ


 それを見つけたのは偶然だった。


 梅子は、第七王の泰山王のところから届いた閻魔帳を、一冊ずつ確認していた。仕分けのためには、いちばん後ろのページに書かれている、内容を読むだけで良い。だが、その時は手が滑って、一冊の閻魔帳が床に落ちてしまった。慌てて拾おうとして表紙をつかんだら、最初に書かれていた生前の名前が目に入った。


「!?」


 よく知る名前だった。

 高校時代の担任で、梅子が両親を亡くした時、親身に寄り添ってくれた人だった。その後の短大への進学も、彼女の励ましと指導がなければ叶わなかった。

 返しきれない恩があったのに、何もできなかった。短大も卒業していない。自分は何をしているのか。


 瞬時迷った。

 だが、その後悔が何になるというのか。そういうあらゆる現世のものを投げ捨てて、ここに来たのだ。


 梅子は、先生の閻魔帳をきれいに整えて、仕分けのために、いちばん最後のページを開いた。先生の行く先は、地獄道の中でいちばん軽い、等活地獄だった。

 先生ほどの人でも、最初は地獄道からなのかと、審理の厳しさを思い知る。


 思えば、父母もここを通ったはずだ。

 どんな裁きを受けたのだろう。閻魔帳もどこかに眠っているはずだが、探す気にはならない。

「あの世で会えるかもなんて、思っていた時代もありました」

 自虐めいた独り言を言って、梅子は、もう二度と会えない思い出にそっと蓋をした。



読んでいただき、ありがとうございました。


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