叙述トリック
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
みだら、わいせつ。これに関わる事象というのは、冤罪が発生しやすい。
だから誰でも加害者、被害者になれるということ。
だから気をつけて下さい。特に男性の方。
客観性、主観性、何方も耳馴染みな言葉ではあるが、先に来るのは絶対的に客観性である事を覚えておいた方が良い。
最近、ニュースで芸能人の不祥事が頻発に流れる様になった。SNSが普及し、数多の人々が声を上げられる様になった故、こうなる事は必然であっただろう。
そうぼーっと見ていると、隣に居た彼がなんとも悩ましげに首を傾げた。
「こう言う痴情の縺れ、淫ら、わいせつに至るのって、物的証拠を得ることが難しいんだよね。だから所詮、主観でしか動けない」
突然何を言い出すかと思って彼を見た。彼はそんな私の反応を見て、くすくすと笑う。恐らく困っている私を見て、面白がっているのだろう。
「あのね、世の中、客観性、主観性なんて言葉があるでしょう?
客観性というのは、完全なる三人称。監視カメラで見た視点の事を言う。逆に主観性というのは、一人称視点。必ず自分の解釈が混じる」
その通り。だからこそ、主観から逃れられない人間というのは、客観する事が難しい。出来ないと言っても過言ではない。
其れは言われるまでもなく分かっているのだが……。
「みだら、わいせつ。これらの行為は第三者の視点を得ることが難しい。だから加害者、被害者の主観で進行する事が多い。つまり、物的証拠を得ることが難しいんだ。
つまりね、叙述トリックが成立しやすい」
物語において、語り手というのは信頼出来るものだと多くの人々が思っている。つまり、第三者視点で進んでいると無意識に思っている。けれども其れを利用して、つまり、主観性を持たせる事によって、事実とは異なる認識をさせることがある。これを叙述トリックと呼ぶと認識している。
「……もしかしたら、被害者側が加害者かも知れないと言うこと……?」
「少なくとも僕が見てきた中で、冤罪事件というのはそうやって発生していると思っている。別に被害者を責める気持ちは毛頭ない。でもそうやって起きてる事も少なくないんだ。
だからこのメディアで取り上げられている、みだら、わいせつ次元において、何一つコメントしたくない。事実が薄い分、真実に重きを置かれているから」
そう言うと、彼は頬を抓った。痛くは無い。からかっているのだ。
「第三者が見たら、君をいじめているって思われるかな」
客観性、つまり事実が先にあるんです。
其れを解釈を経て、真実に変わるんです。
これ、とあるドラマの良い名言。
これ、芸能人に関わる話じゃないんですよ。
貴方様方、一般人にも有り得る話なんです。
とあるVTuberの方も仰ってました。
性暴力に関わる事は、第三者の視点が得られない。
だから被害者側の意見が通りやすい。
僕がどれだけ『そんなことしてません』と言っても通らない。
だから当事者以外の人物、友達の発言が非常に重たい意味を持つ。って。
一つ伝えたいのは、被害者を責めるつもりはないんです。
ただその被害者が本当に被害者であるか、見定める必要がメディアや警察にはあるよね。
という話。
例えば被害者側が筋金入りのメンヘラで、定期的にキスしないと、喚く、暴れるといったとします。
相手側は大人しくさせる為にキスをしますよね。
けれどもいざ別れるとなった時、メンヘラ側というのは『無理矢理キスされた』とか言えてしまうんです。
キスされた事は本当だから。其れが不合意か、合意か問わず。
事件の前後関係は当事者しか知らないから。
そうなると被害者側に分があるんですよ。
つまるところ、叙述トリックが進行しやすいし、誰でも加害者になれてしまうんです。
こういう事件、女性よりもきっと男性の方が偏見として多いでしょう。
だから気を付けて下さい。
出来るだけで良いんです。人をよく見て下さい。全て知るのは不可能ですから。