第七十話 戦線の崩壊 (完全版+α)
魔の手は伸びる。その手に気づかないアライアンスの者達は、仲間を殺された怒りと怨嗟によって前が見えづらくなっている。初めてそれに気づいた時には遅いのだ。
だが、それでもなお、アライアンスの者達は進み続けるしかない。どんな脅威が待ち構えようとも、自らに与えられた使命を果たすため、その身を血に捧げるのだ。
赤く、黒く染まる空。地から舞い上がるのは、燃えた木造物の火の粉だ。人々の阿鼻叫喚とする声が響き、それらが耳を劈く。空には鋼鉄の大鳥が何十と飛び、死の雨を降らす。
そんな中、防空台に配属された防空師団の者達は、これまでを共に歩んできた愛車と共に、空に向かって弾を放ち続ける。それが鋼鉄の大鳥に届くことは無いと分かっても、黙って眺めていることなどできない。あちらこちらに響き渡る死の雨の風切り音の中、ただ我武者羅に弾幕を放ち続けた。
あれから数百年も経った今、旧防空台に残るのは植物に侵食され、錆び廃れた高角砲と機銃のみだ。ただ一人、そこに訪れた女は悲しみの目を向けている。
女の名は風月。兵器だった頃、試作車を含め、残存していた二両の内の一両がここに配備されていた。その目的は、政府に関わりのある施設や軍の重要施設、民間への被害を食い止めるための囮だ。
忘れもしない、戦争中期の後半。戦略爆撃機による無差別爆撃を食い止めるべく配備されたのにも関わらず、何も守れずに撃破される屈辱と後悔は、今となってもつきまとうものだ。
だが、彼女は知っている。あの日、男達がつなごうとした未来を。今こそ、男達の夢見た未来は潰えてしまった。しかし、人間の体を得た今、新たな未来は始まっている。そして、その未来は男達の夢見た未来と限りなく近い。
だからこそ、風月は唯一残った高角砲や機銃に花束を添え、手を合わせる。必ず誰もが笑い合える未来を作ってみせると―――
風龍の死から少し時間が経過した頃、鎮守府では、そこに住む女達が慌ただしく、掃除用具を持って走り回っている。突如として、防衛省の役員が鎮守府を訪れることになったからだ。連日のように続く戦闘により犠牲者や怪我人が続出し、鎮守府の掃除は全くと言っていいほど行われていなかった。
結果、今になって女達は箒や塵取、雑巾を片手に廊下を隅々まで磨き上げなければならなかった。鎮守府の主の見込みから、傷心している彼女達にとって、これはストレスの要因になると考えていた。
しかし、結果は予想の斜め上をいくものだった。彼女達はストレスを溜めるどころか、むしろ掃除にむかってこれまでの怒りをぶつけているように見えた。それこそ、廊下が戦場と化すほどにだ。
「そこの隅、磨きが足りてない!!」
「了解!!」
廊下に響くのは、女達の指示と返答の声だ。他者から見れば異常な光景とも受け取れるかもしれないが、彼女達にとってはいつもと変わらないことをしているに過ぎないように感じている。
しかし、ストレスとは時に悪い方向に進むこともあるのだろうか。鎮守府に住む女達は基本的に軍用の長ズボンの上に軍用のロングスカートが標準装備されているのだが、これが熱を籠もらせ、雑巾掛けなどのしゃがんで行う作業においては邪魔になっている。
そうしている内に、怒りが邪魔なロングスカートへ向けられ、ついにはズボンを履いているからという理由で、ロングスカートを脱ぐ者が続出した。
その光景は、膝丈スカートの者や、ズボンが無い者から見れば、恥じらいというものの有無を疑いたくなるものだ。それを言うならば、鎮守府内での正装がチャイナドレスを一部切り取り、一部盛ったような水着の海龍姉妹はどうなのだと言う疑問があるが、その時の彼女達にそこまで考えるだけの思考力は無かった。
一方で海龍姉妹はと言うと、遠くから見ていたその光景をそこまで気にしているようではなかった。
「随分と向こうが騒がしいわね。いくら何でも血気盛んが過ぎるじゃないの?」
「人のことは言えません。私たちだって、既に諌龍や烈龍を失った……今すぐにでも犯人を見つけて八つ裂きに……」
二人の妹の死を哀しむのは、姉の潤龍だ。末に近い者同士、仲の良かった目に入れても痛くない妹達を失った痛みは、決して消えることはない。
「そんな事を言ったところで、二人は戻ってこない。それに、提督と水月さんが結婚する前の戦いで……」
「吹龍、そのあたりにしておきなさい」
突如として、吹龍の言葉を制止する声が掛けられた。声のする方に振り返ると、そこには二人の姉の姿があった。
「瀚龍姉さん、ですがこれは事実に過ぎません。感傷に浸るよりも、私達は前に進むしかありません」
吹龍は、言葉を制止した姉に対して反論する。その言葉は紛れもない事実であり、理の芯を食っている。
しかし、吹龍の言葉に返答したのは、もう一人の姉だった。
「それは紛れもない事実で、お前の言っていることは間違いではない。だが、潤龍のように心を閉ざす者もいる。お前は人間界で何を学んだのだ?」
もう一人の姉から放たれる言葉は、とても厳しいものだった。しかしながは、その言葉もまた、正論であった。
しかし、隣りに立つ妹はこれを見過ごすことのできなかったようで、姉に対して不満を顕にする。
「貌龍姉さん、流石に言い過ぎですよ……」
瀚龍は姉に対して続きを言おうとしたが、妹は首を横に振ってそれを制止する。
「瀚龍姉さん、大丈夫だから。貌龍姉さんの言ってることは正しい」
妹にそう言われてしまっては、姉として何も言うことはできない。仕方なく、瀚龍は姉への反論を心の内にしまうことにした。
それからは黙々とした作業だった。雑巾で床や窓を拭き、いつ防衛省の役員が来ても恥ずかしくないよう、鎮守府内を磨き上げるだけだ。
だが、それから数分もしない内に、目の前を通りかかった一人の女がモップとバケツを持っていたのを目にした。それを見た四人は、あれを使えば良かったのではないかという意見だけが一致した―――
廊下が騒がしいと感じる中、執務室の中では、陸海共同軍の者達が大慌てしていた。防衛省の役員が来るからには、今まで面倒がって放置していた山のようなファイルを片付けねばならず、床に敷かれたカーペットも掃除する必要があった。
「冥月、そっちの書類は纏め終わったかしら?」
「まだです。というか、この書類を残り一時間で終わらせるのは無理難題では?」
「そんなこと言っても仕方ないでしょう。元より仕事量とそれに対する整理が追いついていなかったのだから」
冥月に返す言葉は、姉の水月から掛けられるものだ。その他にも夜桜や紫月、宏月の忘れ形見である姉妹達も執務室の清掃に加わっていた。一室に投入する清掃人員は過剰とも思われるが、書類の整理具合を見ると、この人員数でも足りていない。
そんな中、執務室の窓を開けて土埃の付着したカーペットを叩きで叩く紫月は、あまりの土埃の多さに咳き込んでいた。
「……ったく、どうしてこんなにも土埃が立つんですか。これなら直接水をかけて良いと思いますよ」
「姉さん、弱音を吐かないで作業に集中してください」
文句を吐く紫月に対し、妹の屠月が正論を言う。だが、紫月の言っていることも一定正しく、屠月自身も咳き込んでいる。
そんな中、突如として執務室の扉が開かれた。夜桜が扉の方を向くと、そこには重力装置腕改で複数個の段ボール箱を掴んだ古龍が立っていた。
「古龍、その段ボール箱はどうしたの?」
「提督に持ってくるよう言われましたのでお持ちしましたが……提督はご不在のようなのでここに置いておきますね」
夜桜に言葉を返し、鎮守府の主が不在であることを確認した古龍は、重力装置の電源を切り、掴んでいた段ボール箱をその場に落とす。
鎮守府の主の頼みを終えた古龍は、そのまま持ち場に戻ろうとする。だが、カーペットを叩いていた紫月がそれを止めた。
「古龍、手伝ってくれませんか? 思ったよりも土埃が酷くて、カーペットの掃除が終わらなくて」
「別に構いませんが、具体的に何をすれば?」
古龍の了承と問いに、紫月は何か悪巧みを考えている時の笑みを浮かべる。姉の表情を隣で見る屠月は、姉が絶対に碌でもないことを考えていると、何となく察した。
その数分後、鎮守府の広間では異様な光景が広がっていた。古龍が重力装置腕の手首部分の回転機能を使用し、執務室のカーペットを振り回していた。重力装置の無駄使いの代名詞という謎の言葉を生み出すほどの光景に、その場にいる紫月以外の者は顔を引き攣らせる。
そうこうしている内に、古龍はカーペットの土埃がある程度取れたのを確認した。本来ならば洗浄も必要だろうが、時間短縮のために、そこは割愛することにした。そして、三階の執務室の窓からこちらを見ている紫月に向け、清掃の終了を伝える。
「紫月さん、掃除が終わりました! そっちに向かって投げ込めば良いですか?」
「はい、お願いします!」
紫月の承諾を得た古龍は、カーペットが執務室の窓を通るように丸め、重力操作機構を使ってそれを窓に投げた。それは痛快なほど素直に窓に入り、同じタイミングで入ってきた鎮守府の主の顔に命中した。
その光景を見た、その場の誰もが凍りついた。まさか、このようなことになるなど、誰も予想しなかった。そして、これから何が起こるのかは容易に想像ができることだった。
「っ……なぜカーペットが窓の外から飛んでくる……」
鎮守府の主発した言葉に、その場の誰もが紫月を指差した。紫月はよほど焦っているのか、目を泳がせながら明後日の方向に目を向ける。
だが、それを鎮守府の主が見逃すはずが無い。紫月は無言で肩を掴まれる。その握力は尋常ではなく、肩に痛みを感じさせる。
「さしずめ、古龍にカーペットの清掃を頼んで、終了したところで、窓から投げ入れてもらったところだろう。なあ、紫月?」
「な、何のことだかさっぱり……」
「惚けても無駄だぞ。何なら龍双眼でお前の本心を覗いてやろうか?」
紫月は声にならない悲鳴を上げ、マナーモードの携帯電話のように震えている。
それを見かねた司令官の妻は、後ろからそっと司令官の肩を軽く叩いた。
「元帥、今はこんなことに構ってる暇はありません。紫月の説教は後にして、今は掃除を終わらせてしまいましょう」
妻の言葉に、夫は一瞬どうするか考え、最終的に紫月の肩から手を離した。
「すまんな、気を使わせてしまって」
「いえ、問題ありません。夫を支えるのが妻役目の一つだと、紫桜姉さんもおっしゃっていましたし」
妻の言葉を聞いた夫は、一瞬口を開け、すぐに顔色を暗くする。いつもよりも暗いその顔には、手に届く何か遠くのものを見つめているようだ。
水月は夫の抱える心境を理解した。一年ほど同棲したからか、気がつけばある程度夫の心が読めるようになっていた。
「紫桜姉さんのことですよね。今日帰ってくるとはいえ、やっぱり不安ですか?」
「ああ、どうしてもな……」
鎮守府の主が懸念しているのは、日本の国会へ送り出した紫桜の無事の安否と、現日本政府の龍族への見方だ。アライアンスが国際連合から正式に国と認められたとはいえ、国際社会に浸透した差別の垣根が消えたわけではない。その前例として、国会から派遣を要請された月花が帰り道、人の手によって命を奪われた。妻ですら恐れる紫桜だが、やはり前例があるために不安が残った。
しかし、夫の懸念に反し、妻は姉のことをそこまで心配していなかった。確かに前例はあるものの、姉がその気になれば、日本政府など数時間の内に制圧できると考えていたからだ。それの考えは、姉の夜桜や、妹の冥月も同じだった。
そこからは、少しの沈黙が続いた。そこに漂うのは、清掃を続けられる空気ではなく、ただ純粋な気まずさだ。
しかし、それは執務室内の固定電話が鳴いたことにより、打ち破られた。鎮守府の主は固定電話の受話器を手に取り、用件を確かめる。
『アライアンス連合国だ。用件を請う……分かった。出撃までに五分ほど要する。それまで持ちこたえてくれ』
用件を聞き終えた司令官は、固定電話に受話器を戻した。司令官の言葉からして、決して良くないことが起こったのは明白だった。
「チリ、バルパライソの街が吸血鬼により壊滅的な被害を受けた。この件についてチリ政府からの要請を受け、我々は吸血鬼の殲滅を任務とする」
やはりかと、その場の全員は溜息をつきそうになる。だが、いつ有事が起きても分からない状況下では、仕方ないと言えば仕方ないだろう。そして、司令官の言葉が指すのは出撃する人員の募集だ。
「では、新装備を渡されている私は戦場に赴きましょう」
水月は一言だけ言い、固定電話近くの司令官の元へ歩み寄る。最高戦力が一人いるだけでも十分だと思われたが、それ以上に驚かされたのは、水月の出撃が確定した後だ。
「では、私も戦場に赴きましょう」
「屠月!? あなた、これが初陣ですよね!?」
「はい、そうですよ」
姉の焦りの声に、屠月は平然と言葉を返す。それを聞いた紫月の表情は、顎が外れたのかと疑うほどの驚愕へと変わる。
だが、出撃する者はそれだけに留まらない。
「水月が行くなら、私も行くわ。ここ最近、まともに体を動かしてなかったからね」
「それを言うなら私も行きましょう。やっと新型装備が回ってきたんです。このままだと、宝の持ち腐れになるので」
夜桜と澪月が声を上げる。彼女達の姉妹はというと、屠月の姉とは違って出撃を止めるようなことはしない。彼女達が出撃を重ねているのも要因の一つだが、この有事の時にそんな悠長なことを言っている暇はない。
屠月は姉の言葉を無視し、声を上げた二人と共に水月の横に並ぶ。それ以外の者は彼女達とついの場に立ち、鎮守府に残る選択をした。
「分かった。では、廊下の陸軍に出撃要請を掛け次第、艤装を装着して出撃を行う」
司令官はそう言い、転移門を開くために手を前に翳す。しかし、どういうわけか夜桜はそれを止めた。掴みどころのない笑みを浮かべ、妙案があると言って―――
バルパライソでは、絶え間ない爆発音と、広がり続ける紅い炎が燃え盛っている。海上には空母機動部隊が展開され、沿岸部では打撃部隊が黒塗りの鉛玉を放ち続けている。
その光景を遠くの海上から見る吸血鬼は、狂気的な笑みを燃え盛る街に向けている。
「業火、それはこれまでの悪行を清算するもの。聞こえるか人間。お前達が、我々を狂わせたのだ」
女はただ一人、恨み言を呟いている。それを聞く者は誰一人おらず、女の独り言となっている。
しかし、その場に立つのは女だけではない。隣に立つ人型の何かは、女と共に燃えさかるバルパライソの街を見つめている。その瞳は、業火の炎を映していない―――
バルパライソの街と森林の境界に到着したアライアンスの陸上部隊は、その凄惨さに驚愕した。今いる高所から見える沿岸部の建物は、全てが炎に包まれている。青空には黒煙が昇り、美しかったであろう街並みを焦がしている。
中でも、水月はこの光景に既視感を覚えていた。韓国の防衛に出撃した時も、あの街のように、あちらこちらが燃えていたのを覚えている。
しかし、そんなことで呆気を取られている暇はない。数分前に屠月が放った航空機が制空権を維持する間に、この街に蔓延った吸血鬼を掃討しなければならないのだ。
街に突入した部隊は、特殊盾展開装置板を所有する夜桜と水月を戦闘に進んでいた。本来ならばもう少し早く進むべきなのだろうが、今回は前陸軍の者達が同行しているため、油断はできない。というのも、これが夜桜が司令官に提案した妙案なのだ。
一方、部隊に編成されている深月や幻月は夜桜の判断に疑問を抱いていた。即座に出撃できる戦力が少ないとはいえ、この未知の危険な戦場に全陸軍の者を、しかも全員連れてくるなど、常軌を逸しているものだ。この脆い戦車達は、この戦場に対応できるのかと疑いたくなる。
そんな中、どこからかレシプロエンジンの音が聞こえてきた。音のする方を向くと、屠月の放った艦載機を撃墜するべく、空母機動部隊から発艦されたであろう艦載機の編隊が飛行してくるのが見える。この脅威を排除するべく、防空任務を任された空月、風月は機関砲を上空に向ける。
しかし、それに待ったを掛ける者がいた。
「お二人とも、私も援護しましょう」
声を上げたのは丁月だった。彼女の主砲は連装高角砲で、航空機を仕留めることは容易なものだ。二人はその提案を了承し、改めて敵機に照準を向ける。
そして、戦闘開始の狼煙は上がった。敵機が高角砲の射程内に入った瞬間、丁月は近接信管弾を放つ。それは一直線に敵機へ向かい、やがてそれらの前で爆発した。
突如として、隊長機を含む五機が撃墜され、一機がエンジンに致命的な損傷を与えられた編隊は、そこで初めて、アライアンスの陸上部隊を視認する。念の為に搭載されていた爆弾を抱えた機械仕掛けの鳥の群は、アライアンスの陸上部隊に襲い掛かる。
しかし、その突撃はあまりにも無謀だった。少しした瞬間、またもや近接信管弾が放たれる。機械仕掛けの鳥は決死の回避を試みるも、結局は回避しきれなかった機体から撃ち墜とされる。
もう少し近づくと、追加で機関砲の弾が飛んでくるようになった。この弾幕から逃れることは厳しく、機械仕掛けの鳥は動きの制約を受けさせられた。それと同時に気づかなければならなかった。まだ余裕のあった時に撤退するべきだったと。
「敵機の全滅を確認。レーダーに映る機影はありません」
「なんとかなったわね」
風月の言葉に、丁月は安堵の声を零した。その表情は胸をなでおろすかのようであり、とても穏やかなものだった。
「丁月、ありがとうございます。私達の機関砲だけでは対処できませんでした」
「何を言ってるのよ。私だけじゃ装填速度の問題で倒しきれてないわよ」
風月の感謝の言葉に、丁月は謙遜して答える。しかしながら、事実である言葉を素直に受け止める気持ちもあった。
その時だった。突如として近くにある下り坂になった大通りから、建造物が倒壊する音が聞こえた。部隊がその方を向くと、数えることもできないほどの敵戦車が雪崩のように坂を駆け上がってくるのが見える。
そして、吸血鬼の身に纏う装甲板には、鉄十字の紋様が刻まれていた。それは、奴らが旧吸血共和帝国最恐と恐れられた『黒鉄軍』であることを示していた。
しかし、部隊が何よりも驚いたのは、それらを視認した風月が、どういうわけかの前に出たことだ。夜桜は静止しようとするも、それよりも前に空月が言葉を放つ。
「敵戦車の前方は軽装甲です。奴らの掃討は、私にお任せください」
空月の絶対的な自信と、敵戦車が迫りくる敵戦車に対処するべく、夜桜はそれを承諾する。
空月は坂の前に立つと、即座に両腕の機関砲に繋がれた弾薬ベルトを別のものに繋ぎ変える。そして、空月は一切の容赦を排除した無慈悲な掃射を開始した。
機関砲の砲弾は敵の軽装甲目標を軽々と貫き、一、二撃で必ず絶命させる。
「流石、装弾筒付翼安定徹甲弾。それも、ドイツ最恐と言われたTigerを正面から撃破できる貫徹力を持った物。敵は為す術ないようね」
後方に控える風月は、空月への羨みを口にした。
事実上の姉である流月から聞いたことだが、空月の改良された機関砲では、装弾筒付翼安定徹甲弾が撃てるようになったらしい。風月も撃てないことはないらしいが、空月ほどの貫通力は持ち合わせておらず、せいぜいトーチカを破壊できるくらいだそうだ。
そんなことを考えていると、いつの間にか空月は敵の軽装甲目標を全て撃破していた。残るは重装甲目標のみとなり、夜桜はこれを転機と見た。そして、秘めていた作戦を実行に移した。
「前陸軍、前へ!! 敵戦車を各個撃破せよ!!」
「「了解しました!!」」
夜桜が指示を出し、一部のものを除く前陸軍の者達が突撃を開始した。それと同時に、深月や幻月は理解させられた。この、脆いと思われていた前陸軍の真の力を―――
バルパライソの沖では、あの女が冷淡な目でバルパライソの市街地を見つめている。その上空では航空戦が繰り広げられ、空母機動部隊の航空隊は、速度差のある黎明ジェット機を多く含むアライアンスの航空隊に押されている。
沿岸部では砲撃を行っていた打撃部隊が、突如として高台から飛翔した砲弾によって撃沈されている。その出処は分からず、打撃部隊は一方的な攻撃を受けていた。
しかし、女は突如として口角を上げる。
「今回は奴がいるようだな。お前なら殺れるか?」
女は隣に立つ人型の何かに話しかける。それは何も言わず、ただゆっくりと頷くだけだ。
「命ずる。あの場に存在する全てのアライアンスの生命を、奪え」
女の言葉に、それはゆっくと動き出した。体中に装着された艤装を戦闘状態にし、腕に取り付けられた剣で空を斬る。
女はそれを見て笑みを浮かべる。こうなってしまえば、目の前にいる怪物を止めることはできないのは明白だ。それと同時に、アライアンスの者達が屍と化す光景を想像すると、心に染みついた殺意がより騒いだ。
怪物は止まることを知らない。取りつけられた腕の剣は、既に紅く染まっていた―――
前陸軍は雪崩のように押し寄せる吸血鬼と正面衝突した。後方でそれを見る主力部隊は、前陸軍が目の前の重装甲目標に敵うはずないと思っていた。
だが、現実は大きく違った。機動力のある者は近くの建物の壁に跳び移ったかと思うと、地面を走るかのように建物の壁を駆ける。そこから宙に跳んだかと思うと、今度はその間に、砲弾を撃ち出す。それは敵の脳天を貫き、一撃で絶命に至らしめた。
吸血鬼達は宙を舞う前陸軍の者の体勢が悪いと見て、即座に砲口を向ける。だが、それは前陸軍の仕込んだ巧妙な罠の内の一つだ。
「奴さん、ちと、正面が疎かなんじゃない?」
その言葉が放たれた次の瞬間、丘の上から大口径の榴弾が放たれた。それは弧を描くように飛翔し、吸血鬼が密集する場のど真ん中に着弾した。榴弾の爆発は、吸血鬼を吹き飛ばし、さらなる隙を生み出させる。
「乙月、隙を作ってくれたこと、感謝します」
次の瞬間、狙撃に徹していた丙月が発砲する。旧式ながらも乙月に近しい口径を持つ対戦車砲弾は、吸血鬼の胸部に取りつけられた装甲板を貫き、体を貫通すると、そのまま直線上にいた吸血鬼をも貫いた。
それと同時に、先ほどまで宙を舞っていた者達が体勢を整え終え、満身創痍の吸血鬼達に襲い掛かる。その手にはダガーナイフが握られており、無防備な敵の背中に振るわれた。
敵の背中から鮮血が舞う。その傷は背骨や肋骨を切り裂き、敵を再起不能にした。
「こいつら、背中だけは弱いみたいね」
「これなら機動戦で勝てる」
機動戦での勝利を確信した禄月と絨月の二人は、無防備な敵の背中を次々と斬り裂いた。中には致命傷に至らないものもあるが、それでもなお、敵の動きを鈍らせるには十分だった。そして、動きを鈍くした敵の残党の前に現れるのは、まだ余力を残した前陸軍の者だ。
「恨みはありませんが、ここで死んでいただきますよ」
「私達にも守るものがありますので」
そう言って、中距離から徹甲弾を敵の心臓に放つのは、幣月と佩月だ。簡易的ながらも砲安定装置を搭載した砲撃は、敵の重要臓器を軽々と貫く。
しかし、敵も黙って殺されるだけではない。僅かながらでも爪痕を残そうと、こちらを翻弄する前陸軍に動きに食らいつく。そして、その魔の手は数体の吸血鬼に囲まれてしまった鐸月に伸びる。
だが、その手も前陸軍に触れるには至らない。突如として、その場にいた吸血鬼は吹き飛ばされた。大口径榴弾が爆発するその風圧は、鐸月すらも体勢を崩しかせる。
脳震盪を起こし、倒れた吸血鬼達は、殺されないよう即座に立ち上がる。だが、立ち上がった吸血鬼に待ち構えるのは、鉄板をも打ち砕かんとする殴打だった。吸血鬼は軽々と吹き飛ばされ、地面を転がる。そして、やっと転がり終わったところで、掠月の機銃掃射で眼球を潰された。
鐸月は立ち上がり、戦闘態勢を取りつつも、吸血鬼を殴り飛ばした者に感謝の言葉を飛ばす。
「智月、ありがとう」
「良いってことよ。それよりも、気合を入れなさい。残りを蹴散らすわよ!」
「了解!」
智月と言葉を交わした鐸月は、再び機動戦を仕掛けるために走り出した。一方で、智月は掠月が機銃掃射で動けなくした敵にゆっくりと近づく。そして、動けない吸血鬼の脳天を、腕に取り付けられた主砲から放たれる砲弾で貫いた。
吸血鬼が絶命すると、智月は掠月に言葉を掛ける。
「ありがとうね。ただでさえ戦場への対応が難しいのに」
「いいえ、私にできることはやらせてください。この命を賭してでも、遂行してみせます」
掠月の言葉を、智月はあまり良くは思わない。彼女は旧大龍帝国で二番目に製造された戦車であり、その性能は第一次世界大戦でイギリス軍が使用したMk.V戦車の雄型と変わらない。今の彼女にとっての戦場は、常に高度なものなのだ。
一方、丘上の主力部隊は、一部の者を除いて目の前の光景に驚愕していた。まさか、戦争初期に登場した戦車が、後期になって登場した吸血共和帝国の黒鉄軍の新型戦車と、ほぼ変わらぬ対等な立場で戦闘を行えていたのだ。それも、機関砲の口径と同じ主砲口径の者達がだ。
「信じられないわ……まさか、あの黒鉄軍を簡単に翻弄するなんて……」
「技量の差とは、ここまで出るものなのね……」
前陸軍の力を侮っていた深月や幻月は、思考力が低下するほどの衝撃を受けていた。目の前に広がる光景は、ただただ一方的な殺戮なのだ。
ふと、横を見ると、狙撃に徹している四人が見える。その内の三人は同系統の重駆逐戦車であるが、残りの一人は前線で戦っている智月の発展型ともいえる重戦車だ。前線で戦える速度を持つ彼女は、なぜか狙撃に徹している。気になったた幻月は、弾薬を再装填するその女に話しかけた。
「慶月、どうして前線に出ないの? 智月とほぼ同じ性能のあなたなら、前線でも戦えるでしょうに」
「ああ、そのことですか。それなら見ていただければ分かると思います」
慶月はそう言うと、装填を終えた主砲から、敵に向けて徹甲弾を撃ち出す。そして再装填を始めたかと思うと、慶月は主砲のレバーを引き、薬莢を排出する。
それを見た幻月は、全てを察したように目を見開いた。
「分かりましたか? 私の主砲は単発式のボルトアクション方式なんです。禄月や絨月はマガジンなので、案外乱戦でも戦えますが、私はこれなので、前線には向かず……」
慶月の言葉からは、悔しさが垣間見えた。幻月は悪いことを聞いてしまったと思い、内心反省した。それと同時に、慶月の新型主砲の開発を、流月依頼しようかと本気で考えた。
その時だった。突如として、丘上の側面の道から、またもや数え切れないほどの吸血鬼が押し寄せてきた。
「深月、ここは私が防御に徹する。援護は任せたわよ」
「了解。くれぐれも盾を突破されないようにね」
深月の言葉を確認し、幻月は走り出した。そのまま、雪崩込む敵の中に、盾を構えた状態で突撃した。重低音が鳴り響き、幻月は即座に波の中に呑み込まれた。
だが、幻月は無策で敵の波の中に呑まれたわけではない。直後、血しぶきが空に舞い上がった。よくみると、そこには短刀を振り回し、大盾で敵を跳ね飛ばす幻月の姿がある。
「澪月さん、幻月を援護するので砲撃支援をお願いします」
「了解したわ」
深月は澪月に協力を呼び掛け、幻月の援護射撃を行う。それでも減らない敵の物量だが、三人は諦めない。
やがて、そこに空月も加わり、戦況は徐々にアライアンスが優勢になっていった。沿岸部の打撃部は、夜桜と水月の砲撃により壊滅し、後方に控える屠月が制空権を握った。勝利は目前まで訪れていた。
そして、ついに敵は壊滅した。その場に転がるのは、黒塗りの装甲板に身を包む吸血鬼の屍のみだ。損耗は十数発の弾薬のみで、肉体に損傷は見られなかった。
「戦闘終了。残りはバルパライソの街を捜索し、敵の残存兵力の有無を確認する」
「「了解」」
夜桜目の前の者たちに指示を出し、バルパライソの街の捜索に出ることにした。後は、後方に控える屠月に連絡を取り、こちらに合流させるだけだった。そのため、夜桜は屠月に無線を送ろうとする。
だが、その時、隣に立つ水月は異様な気配を感じ取った。まるで、心臓を何者かに掴まれたような緊張感が、体のありとあらゆる部位に走った。そして、この気配は強力な殺意を持つ、一度知ったことのあるものだ。
そこで、水月はこの気配の正体に気づいた。
「皆、今すぐ伏せて!!」
水月はそう言い、隊列の最後尾にいる空月、風月の背後に駆け、シールドを展開する。
その次の瞬間、シールドと何かが衝突し合う轟音が響きく。水月の展開したシールドの前には、自らと同じ軍服、艤装を纏った何かが、シールドに剣を突き立てていた。
だが、それは一瞬の出来事だ。水月の目の前に立つ存在は、シールドに突き立てた剣を離すと、刹那の間に無防備だった水月の側面に移動する。水月は反応する間もなく、腹に喰らいつこうとする剣を見ることしかできなかった。
だが、剣が水月の腹を捕らえることは無かった。大盾を構えた幻月が間に入り、間一髪のところで水月に刃が届くのを防いだ。
しかし、剣の威力が強すぎたためか、幻月の大盾に亀裂が入った。それだけに留まらず、その威力は幻月を吹き飛ばし、背後にいた水月を巻き添えにした。吹き飛ばされた二人は民家の壁に叩きつけられ、自らの骨の砕ける音を聞いた。
一方、存在に気づいた部隊は攻撃を開始していた。夜桜に至っては、我が妹を傷つけられた怒りから、存在に近距離戦を仕掛けた。
しかし、部隊の必死の攻撃も虚しく、存在が傷を負うことは無かった。それどころか、弾幕の僅かな合間を発見し、急速に部隊へ接近する。それに反応できる者は、誰一人としていなかった。
そして、前陸軍や部隊の中間地点にいた者は気づかない。背後に立っている、風月の心臓が貫かれていたことを。
隣に立ち、唯一それに気づいた空月は絶句した。あまりの恐怖に機関砲を撃つ手を停めてしまう。だが、一秒もすると、心友を殺された目の前の存在に、強い憎悪を覚えた。
「風月から離れなさい!!」
空月は腹から声を上げ、恐怖で動かなかった腕を無理やり動かした。そして、存在に対して零距離射撃を行おうとする。その距離は躱せるものではなく、機関砲から放たれる装弾筒付翼安定徹甲弾は確実に存在を貫く―――はずだった。
突如として、空月は腕の先の感覚が無くなるのを感じた。それと同時に、視界が明後日の方向を向いているのに気づいた。世界が全て逆になり、空に地面が広がる。そして、目の前には自らの体が映っている。
そこで、空月は全てを察した。首を切り落とされたのだと。混濁する意識の中で、自らの命は終わったのだと。
主力部隊のがその事実に気づいたのは、空月の叫びが上がってからすぐのことだった。目を向けると、うつ伏せに倒れた風月と、首を斬り落とされて息絶えた風月がそこにいた。存在は血のついた剣を薙ぎ、血を払い落としている。
(なんなのよ……これじゃまるで……あの時の……)
深月は顔を引きつらせ、恐怖に駆られた。静寂の空間でこちらを見るのは、まるでアニメの世界でしか出てこないような、典型的な三角の並んだ口と、円状の目が、黒洞々としているのだ。
だが、存在はこちらに向かって攻撃を仕掛けてはこなかった。それどころか、別の方向とこちらを何度も繰り返し見つめ、その場から動こうとしない。
それを隙と見た澪月は、これまでに類を見ない早撃ちを見せた。だが、存在はその攻撃が分かっていたかのように、瞬間移動ともいえる動きで躱した。
部隊は反撃がくると感じ、即座に散開できる状態へと移行した。だが、存在は部隊に攻撃を仕掛けなかった。その代わり、不気味な笑みを残し、残像を見せる速さでその場から去った。
部隊は唖然としていたが、目の前で命の灯火が消えかかっている風月がいることを思い出し、即座に駆け寄った。夜桜が風月の体を起こすも、風月の体には力が入っていなかった。風前の灯火となった風月は、思考が回らない状況下で、近くにいた深月に手を伸ばした。
「深月……ごめんなさい……私……」
「喋らなくていい!! すぐ鎮守府に戻るから、もう少し耐えなさい!!」
深月はそう言うも、風月は首を横に振る。深月も風月も、部隊も分かっていたのだ。この傷は心臓付近を貫き、この出血を止める方法は無いと。
「姉さんに伝えて……私は、無駄死にしたって……」
「……っ!!」
深月は言葉が出なかった。握っていた風月の手から、体温が抜けていくのを、ただただ感じ取ることしかできなかった。
だが、風月の言葉は終わっていなかった。息も絶え絶えになる中、まだ残っている意識を頼りに、必死に言葉を繋いだ。
「後、もう一つだけ……結婚……おめでとうって……」
風月の言葉に、その場の誰もが歯を噛み締めた。つい数日前、流月は相手の男と密かに結婚をした。男は、本来ならば盛大に執り行いたかったはずだが、戦争中とのこともあり、式は密かに行われたのだ。
風月は姉の結婚式に出席したかったが、残念ながらそれは叶わなかった。その後の忙しさもあり、結婚祝いの言葉すら掛けられなかった。それ故に、それがずっと心残りだったのだ。
「……分かった。伝えるから、あなたは安心して眠りなさい。必ず、戦争が起こらない世の中にしてみせるから」
深月の言葉を聞いた風月は、ゆっくりと目を閉じた。
そして、風月の意識は混濁を始めた。目を閉じたため、目に映るのは暗い空間だけだ。だが、その暗闇よりもさらに深い闇が、視界を覆っていくのが分かった。
(皆さん……私も、そちらに逝きます……また、よろしくお願い……します……)
風月の最期は、血に濡れた最期だった。だが、その死に顔はとても穏やかなものだった。
夜桜は風月を地に寝かせ、深月は風月の手を腹の上で握らせた。そして、二人は立ち上がり、その場の部隊も揃って敬礼を捧げた。彼女に、良き輪廻があらんことを願って。
だが、遠くから近づいてきた二人の女は、そんなことを気にしている場合では無かった。
「姉さん、皆!! 今すぐ、あの存在を追って、殺してください!!」
「水月、あなたは早く鎮守府に……」
「あの方向は、屠月がいる方向です!!」
「え……」
部隊の誰もが絶句するその言葉は、大切な仲間の死を一瞬にして薄れさせ、脅威がそこにあるという現実を思い出させた。
そして、案の定、屠月はあの存在と対峙していた。目の前の存在が、どれほどの強さを持っているかは分からない。だが、動かなければ殺されるのは明白だ。だからこそ、今できる抵抗を行うしかない。
存在の脅威は目の前まで訪れ、牙を剥き出しにしていた。それは、アライアンスにとって、絶望の入り口に過ぎなかった―――
【登場人物】
《旧大龍帝国 首脳陣》
(軍備管理部門/鎮守府元帥)
・旧大龍帝国元十三代首脳 龍造暁翠
《旧大龍帝国 海軍》
(神龍型駆逐艦)
・七番艦 DN-007 古龍
(海龍型潜水艦)
三十八番艦 Kz-038 貌龍
四十五番艦 Kz-045 瀚龍
四十七番艦 Kz-047 吹龍
四十八番艦 Kz-048 潤龍
《旧大龍帝国 陸海共同軍》
(戦艦型超戦車/紫桜型超戦車)
・二号車 X-1147 夜桜
・三号車 X-1146 水月
・四号車 X-1145 冥月
(空母型超戦車/紫月型超戦車)
・一号車 Y-1496 紫月
・二号車 Y-1497 屠月
(駆逐艦型超戦車/宏月型超戦車)
・二号車 V-744 澪月
《旧大龍帝国 陸軍》
(重戦車)
・THE-4火力支援重戦車 幻月
(自走対空砲)
・ZUS-57自走対空砲 空月
・DAZ-28自走対空砲 風月
(主力戦車)
・KSM-24主力戦車(試作型) 深月
《旧大龍帝国 前陸軍》
(駆逐戦車)
・A-36駆逐戦車Ⅶ型 掠月
(巡航戦車)
・B-2/37型巡航戦車 禄月
・B-3/37型巡航戦車Ⅱ型 絨月
(軽戦車)
・DT-1軽戦車C型 鐸月
(中戦車)
・P4A2中戦車(57)W 幣月
・P4A3中戦車(57)W 佩月
(重戦車)
・IK-1S重戦車B型 智月
・IK-2重戦車(zlk-88) 慶月
(重駆逐戦車)
・ISRU重駆逐洗車Ⅰ型 丁月
・ISRU重駆逐洗車Ⅱ型 乙月
・ISRU重駆逐洗車Ⅲ型 丙月
【裏設定㉟】
今回死亡した空月と風月は、実のところ、姉妹である。作中では流月が風月の姉であるが、兵器時代の設定を踏まえると、流月の車体を基盤とし、空月の砲塔に簡易的なレーダーを搭載したものが、風月の設計思想なのだ。だが、結果的に空月の砲塔の面影がなくなったため、流月が姉となった。




