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少女なる兵器 Act.1〈旧版〉  作者: 深瀬凪波
第二次龍鬼戦争
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少女なる兵器 第39話「新たな第一歩」

突如として暁翠に告白された水月。しかし、水月は自身の過去を思い出して、暁翠の告白を断ろうとする。しかし、暁翠の過去を聞き、暁翠自身も告白をするかどうか躊躇していたことを知った水月は………………

 水月は突然の出来事に混乱していた。まさか、暁翠から告白されるなんて思ってもいなかったからだ。

 水月はパニックになりながらも、平然を装って暁翠に話しかける。


 「えっと、なんの冗談ですか?」

 「俺は本気だ」

 

 その言葉で水月は、平然を装えなくなってしまった。水月は顔を赤くして、暁翠から目をそらす。水月は、目をそらしながらも会話を続けた。


 「その……私は兵器であって……結婚というのは少し…………」

 「そんなものは関係無い、俺は真剣にお前との今後を考えている」


 暁翠はそう言いながら、水月の手をとった。水月は既に、平然を装えなくなっていたが、これによって更に頭がパニック状態になってしまった。その時、既に水月の目は泳いでいた。

 そして、水月は一度頭を整理した。そして、顔をそらしたま話は始めた。


 「私の……ような者が……け、結婚なんて……許されるはず……無いのです…………私は……最期まで生き延びてしまった……臆病者です…………」


 水月は兵器時代の自分を思い出しながら、暁翠の告白を断ろうとした。それでも暁翠は諦めてはいなかった。暁翠は理解していたのだ。水月が本当の気持ちを隠していることに。


 「お前はそれで良いのか? このまま自分の気持ちを押し殺して生きていくつもりか? 水月、本当の気持ちを聞かせてくれ!!」

 「!!」

 

 水月は、その言葉に背中を押されたような気がした。そして水月は、本当の気持ちを話し始めた。


 「本当なら、結婚したいです……ですが、私にはそんな資格無いんです!! 祖国のために何も成果を出せず、おめおめと生き残ってしまった私は!! 私は…………」


 水月の口から放たれた言葉は、本音と迷いであった。兵器時代の過去が、水月を今まで縛っていたのである。

 水月は兵器時代、期待されていた性能とは裏腹に出撃の機会に恵まれず、無用の長物とまで言われてしまった。そして何よりも、最後の開戦で夜桜と冥月を守りきれなかったことを水月は引きずっていた。


 「水月、俺はお前に告白するのを躊躇っていたんだ」

 「え?」


 水月は驚いていた。暁翠が告白を躊躇するなど考えられなかったからだ。水月から見ていた暁翠は、いつも即座に冷静な判断を下していた。

  

 「元帥が躊躇するとは……思ってもいませんでした」

 「正直な所、俺の身代りで死んだ妻のことを考えると、再婚をする資格など無いと思っていたんだ。それで霊花に相談してみたら「叔父上らしくない。いつもの叔父上はどこまでも真っ直ぐである。それに、伯母上も叔父上の事を尊重してくれるじゃろう」と言ってくれたんだ」


 水月は、暁翠の過去を聞いて呆然としていた。霊花霊花が居ることから、一度結婚していることは予想がついてはいたが、暁翠の妻が暁翠を庇って死んだことは知らなかった。

 水月がそんな事を考えていると、暁翠が再び話し始めた。


 「俺は気がついたら、いつもお前の事を目で追っていた。最初は気の所為だと思っていたが、それは気の所為じゃなかった。俺はお前のことが好きだ」

 「…………本当に……本当に私なんかで良いんですか?」

 「あぁ、今後も共に居てくると嬉しい」


 そう言いながら、暁翠は水月の左手の薬指にそっと指輪をはめた。水月はその指輪を見た。プラチナ製の指輪は、執務室の窓から降り注ぐ光で輝いていた。


 「こんな私で良いのなら、どこまでもお供します。不束者ですが、今後ともよろしくお願いします」


 水月の目からは、自然と涙が溢れていた。水月は単純に嬉しかったのだ。自分の過去をも受け入れ、好きだと言ってくれる人が近くにいたのだから。


 「水月、お前に涙は相応しくない」


 そう言いながら暁翠はハンカチを取り出し、水月の涙を拭いた。


 「水月、行こう」

 「はい!」


 暁翠は水月を連れて鎮守府本部の中から出た。季節は春、外には桜が咲いていた。風に吹かれて散った桜が、鎮守府の敷地内と海へ飛んできていた。

 そんな中、暁翠と水月は鎮守府の門から出た。門を出た2人は、鎮守府に敬礼をした。これで鎮守府とは別れになるのだ。鎮守府への別れを告げる礼であった。

 暁翠は鎮守府の門を閉め、門の鍵を閉めた。

 

 そうして暁翠と水月は、全員を先に向かわせたとある場所へ向かっていた。

 しばらく歩くと、竹の柵で囲われた竹林の丘陵が見えてきた。暁翠が言うには、あの場所が集合場所らしい。

 近くまで行くと、竹林の間に緩やかな道があった。定期的に整備されているのか、道がには落ち葉1枚すら無かった。

 しばらく曲がりくねった道を歩いていると、中央の開けた場所に一軒の古い和風の戸建の家があった。その周りには、いくつもの畳が敷かれ、和傘がさされている日陰の下に、全員が集まっていた。よく見ると、1つ1つの場所に座る者が指定されていた。1つの席には、茶が入れられている湯呑みが置かれていた。


 「全員集まっているな……水月はあそこに座っておいてくれ。すぐに戻る」


 暁翠の指示に従って、水月は指定された場所へ行くと、そこには紫桜、夜桜、冥月の3人が座っていた。


 「いらっしゃい、水月」

 「紫桜姉さん、夜桜さん、冥月……これは一体?」

 「私にもさっぱり……元帥が私にこれを渡していたから、私は指示に従っただけよ」


 そう言って紫桜は、1枚の紙を出した。紙には細かく指示が記載されていた。紫桜はこれのとうりに指示を出していたらしい。

 何故こうして集まっているのかを考えていると、暁翠が戸建の家から出てきた。

 そして暁翠は、全員に向かって話し始めた。


 「全員、改めてご苦労だった。今回の戦争で9人の仲間を失った。その悲しみは割り切れないと思う。だが、この場にいる全員で前を向いて歩き続けて欲しい。これからはそれぞれ違う道へ歩いてゆくだろう。関わりも少なくなるかもしれない。今日は無礼講だ、全員で飲んで、食べて、語り合ってくれ」

 「はい!!」


 暁翠の言葉が終わると、戸建の家から京花と京華が重箱を持って、全員の席を周った。京花と京花は、1つの場所に1箱づつ重箱を置いて行った。

 最初は誰も食べようとはしなかったが、しばらくすると宴会のような状態になっていた。

 水月達も、茶をしばきながら会話をしていた。


 「へぇ……そんな事が…………」

 「あの時は片腕は戻らないと覚悟してたわね…………」

 「私が居たら、確実にいたぶってから沈めてたでしょうね…………」


 紫桜は、水月が一度片腕を切り飛ばされたことに驚いていた。だが、それと同時に怒りも湧いていたようだ。

 そんな話をしていると、水月は戸建の家に入っていくのを見た。


 「少し失礼します」


 水月はそう言い残すと、戸建の家の中へ入った。

 家の中に入ると、霊花が竈の火を調節していた。その横で、暁翠が何かを作っていた。


 「ん? 水月、どうしてここにいるんだ?」

 「何か手伝った方が良いと思いまして……」

 「生憎だが、人では足りてるんだ」


 暁翠が自身の後ろを指差すと、そこには白波と白蓮が居た。2人は餅をこねているようであった。


 「こんにちは、今回は手伝いとして来てるのだけど、自己紹介だけでもしておくわ。私は大龍帝国元一代首脳 龍造白波よ」

 「大龍帝国元五代首脳 龍造白蓮よ。あ、これ私が働いている所。何かあったら来てみて。午前中ならそこにいるから」


 白蓮はそう言いながら、水月に店の住所が書かれている紙を渡した。しかし、水月はそのことなど頭に入っていなかった。2人が大龍帝国の元首脳であった事に驚いていたのだ。


 「もしかしてですが……残りのお二方も…………」

 「えぇ、翔和は元2代首脳、去音は元3代首脳よ」


 水月は頭が混亂していた。大龍帝国の初代、2代目、3代目、5代目が存命していたことに驚きが隠せないでいた。


 「水月、少し手伝ってくれんかのう? 火の火力調節がちと難しいものでのう」

 「水月、そこの引き出しの中にエプロンと三角巾が入っている。霊花を手伝ってくれ」

 「はい」


 暁翠の指示で、水月は霊花のことを手伝うこととなった。

 霊花は炎を扱えはするが、力が強すぎるあまり扱いに慣れないでいた。


 「この火力なら、これくらいの薪がちょうどいいです」

 「成程のう……勉強になる…………」


 その後、なんやかんや合って水月は暁翠達の手伝いをしていた。

 そうして、宴会がお開きになると暁翠は全員を連れてショッピングモールへ向かった。全員分の今後生活に必要なものを買うためである。

 まずは、全員分の私服を買いに行った。戦争中は規律のために、正装以外は身につけてはいけない決まりであった。しかしそれはもう無いため、今後の生活で使う私服などを買いに来ていたのである。

 その後は、オーダーメイドのスーツを注文しに専門店に行ったり、近場のアパートやマンションの下見に行ったりした。

 そうしている内に、夜がやってきた。暁翠は全員を連れて鎮守府に戻った。


 「お前らの住所が決まるまで、ここは常に開放している。後、規律はもう無い。ここでも自由に過ごしてくれ」


 そう言いながら、暁翠は鎮守府の門の鍵を開けた。

 鎮守府の門を潜った全員は、一旦それぞれの部屋に戻った。

 水月も自室に戻り、暁翠に購入してもらった私服やを棚の中に仕舞った。そして一度椅子に座り、暁翠がはめてくれた指輪を眺めた。


 ー元帥の正妻として頑張らなくちゃね……ー


 そんな事を考えていると、水月の部屋の扉が叩かれた。扉を開けてみると、そこには紫桜、夜桜、冥月が立っていた。


 「紫桜姉さん、夜桜さん、冥月……どうかしたの? まぁ、一回中に入ってちょうだい」


 水月は、紫桜達を自室へと招き入れた。そして自室の扉を閉めると、夜桜が突然水月に詰め寄ってきた。

 

 「水月……で、この指輪は一体誰からの贈り物かしら?」

 「詳しく聞かせてもらいますよ、水月姉さん」


 夜桜と冥月が、凄まじい圧をかけながら水月により詰め寄ってくる。紫桜はそれをただ見ているだけであった。


 「いや……あの……その……これは………………」


 その晩、水月は3人による長い問だしを受けた。

まぁ……なんて言えばいいんでしょうか……はい、結婚(仮)しました。メタいを話すると、この展開は作品を書いている上で含むか迷ったのですが、結果的にこれは採用しました。まぁ、これはストーリーの最終回に関わってくる重要なポイントになりますので、覚えていただけてたら嬉しいという感覚です

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