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少女なる兵器 Act.1〈旧版〉  作者: 深瀬凪波
第二次龍鬼戦争
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少女なる兵器 第35話「無響」

補給部隊の補給路を確保すべく、龍造達とは反対側のルートを使って氷島裏へ進撃していた、龍珱、龍玲、龍鶴の3人。しかし、突如として飛来した爆撃機達により、龍珱は………………

 龍城が一人で敵を引き付けていた頃、龍珱、龍玲、龍鶴の3人は、龍造達とは反対側のルートを通って氷島裏へ進んでいた。

 目的は、海龍達が追い詰めているはずの敵艦隊の殲滅、及び輸送路の確保であった。


 「おかしいわね……海龍達と連絡がとれない…………」


 旗艦を努めていた龍珱が焦りを感じていた。海龍達との連絡が取れないだけでなく、追い詰めていたはずの敵艦隊すらも見えなかった。


 「………………………」


 龍玲は何も言わずに対空電探に手を当てていた。龍鶴は辺を見回し、いつでも迎撃体制を取れるようにしていた。

 それからしばらくして、目的地まで距離が半分を切った時であった。龍玲の対空電探が敵機を捉えた。


 「敵機、10時の方向、数、およそ50!!」


 龍玲の言葉で、龍珱と龍鶴は迎撃体制を取る。

 それから数分後、敵機が主砲の射程圏内に入った。


 「41式対空榴弾装填完了、全砲門一斉射、撃て!!」


 龍珱の言葉で41式対空榴弾が敵機へ向かって一斉射撃された。龍玲と龍鶴も同様に一斉射撃を敢行する。


 対空榴弾は空中で爆発し、敵機を数機ほど撃墜した。それでも敵機は30機以上も居る。


 龍珱達は、即座に高角砲と機銃での迎撃体制に移行した。

 高角砲と機銃が射程圏内に入ると迎撃が開始され、砲弾と機銃弾の弾幕が張られた。しかし、所詮は高角砲と機銃。命中精度はあまりにも低い。その場は、弾幕と敵機が交差する戦場と化した。


 「チッ!! 攻撃が全く当たらない!!」

 「命中、敵機炎上!!」


 龍珱達の声と敵機のレシプロ音、砲声、銃声が鳴り響く戦場は、まさに世界大戦中の戦場を再現しているようだった。

 数分後、敵機の数も大分減り、戦闘が収まりつつある時だった。龍珱に向かって、何処からか砲弾が飛翔してきた。


 「な、砲撃!?」


 龍珱がギリギリ気づくも、回避までは間に合わなかった。砲弾は龍珱の膝に命中した。


 「…………っ!!」


 龍珱が痛みで体制を崩す。そこへ、敵機から爆弾が投下された。体制を崩した龍珱は回避することができず、爆弾を右耳に喰らってしまった。そのまま龍珱は、海上に倒れた。


 「龍珱姉さん!!」

 「龍珱!!」


 龍玲と龍鶴が叫ぶ。しかし、龍珱は直ぐに立ち上がり、敵機の迎撃を再開しながら龍鶴に向かって叫ぶ。


 「龍鶴!! 貴女は敵艦隊の撃滅をお願い!! ここは龍玲と二人で抑える!!」


 龍鶴は黙って頷くと、敵艦隊が居るであろう方向へ前進し始めた。

 しかし、それによって敵機の攻撃はより激しくなった。先程よりも龍珱に爆撃が集中し始めた。膝を負傷した龍珱は爆撃を全て回避できず一発、2発と爆撃を受けた。そこへ敵艦隊の砲撃が加わり、戦況は更に劣勢になり始めた。


 ー龍鶴……お願い……早く敵艦隊を撃滅して…………ー


 その頃、龍鶴は敵艦隊に向かって単独で突貫していた。敵戦艦の砲撃は龍珱達を狙っていたが、護衛艦隊の駆逐艦達は龍鶴に対して砲撃を行っていた。

 龍鶴は薙刀で砲弾を両断しながら、最高速度で進んでいた。敵艦隊との距離はまだあるが、主砲の射程圏内には入っていた。


 「主砲、一斉射、撃て!!」


 龍鶴が砲撃を敢行する。砲撃は敵戦艦を庇った護衛の駆逐艦に命中した。駆逐艦は、そのまま沈んでいった。

 そこからしばらくして、敵艦隊の距離が近くなり主力の攻撃が龍鶴に向き始めた。


 「ここよ!!」


 龍鶴は薙刀を槍のように投擲した。薙刀は敵戦艦の方を貫き、砲撃を鈍らせた。

 その間に、龍鶴は敵戦艦の懐まで接近していた。そのまま龍鶴は敵戦艦を足で蹴り飛ばした。


 「さっさと沈みな…………!!」


 龍鶴が敵戦艦にとどめを刺そうとしたが、龍鶴はその場から飛び退いた。

 直後、爆弾が数発敵戦艦の至近距離に落ちる。飛び退いたのが2秒遅ければ確実に被弾していただろう。


 「厄介ね……どうすればよいものか…………」


 龍鶴は必死に思考を巡らせる。しかし、方法が全く思いつかなかった。敵機が飛び交い、敵戦艦が正面に居る。この状況は戦術的において不利な状態であった。


 そこからはしばらくは無謀な戦いが続いた。互いに砲撃を行い、命中するときもあれば、躱す時もあった。龍鶴は何度か接近戦を試みるも、敵機が爆弾を行う為、中々敵戦艦に致命傷を負わせられなかった。


 そして、息も絶え絶えになってきた頃、突如として敵戦艦の足元から深龍が飛び出した。深龍はそのまま、敵戦艦の太腿に魚雷を突き刺した。魚雷は爆発を起こし、敵戦艦の体制を崩させた。


 ー今しかない!!ー


 龍鶴は好機を逃すまいと、敵戦艦に接近し始めた。しかし、そこへ敵機が爆弾を投下する。

 今度は、屠龍が海中から姿を現した。屠龍は機銃を構えると敵機に対して掃射を開始した。機銃弾は全ての敵機に命中し、敵機は全滅した。


 「龍鶴、今よ!!」


 屠龍が龍鶴に向かって叫ぶ。龍鶴は敵戦艦に接近しながら、屠龍にに頭を下げた。そのまま龍鶴は敵戦艦の懐を取る。


 「これで、最期だ!!」


 龍鶴は敵戦艦を、薙刀切り裂いた。敵戦艦はその座に倒れ、海中へ沈んでいった。

 龍鶴は敵戦艦の沈没を確認すると、深龍に目を向けた。

 深龍は、魚雷の爆発で手を負傷した。


 「深龍!! 今直ぐ手の手当てを!!」


 龍鶴は深龍の手当てを始める。しかし、爆傷が酷く中々血が止まらない。

 そこへ補給部隊を任されていた、龍桜と龍姚が到着した。


 「龍鶴さん、これを使ってください。」

 そう言いながら龍桜はガーゼと圧着テープ、防水テープ龍桜に渡した。


 圧着テープとは、旧大龍帝国軍が使っていたガーゼのテープ版のようなものだ。ガーゼの質を持っていながら粘着質も持っているため、傷口に直接貼ることで出血の勢いを多少抑えることができた。 

 ガーゼと圧着テープを貰った龍鶴は、それらを駆使して深龍の傷口を止血した。


 「ありがとう、龍鶴、龍桜、龍姚。3人がいなかったら今頃どうなっていたか…………」


 深龍が三人に礼のことばを述べた。

 「良いのよ、それよりも自分の命を大切にね」


 龍姚がそう言うと深龍は頷き、屠龍と共に水中へ戻って行った。


 それから3人は、龍珱と龍玲が居る所へと戻った。


 「龍珱、なんとか片付いたわ」


 龍鶴が龍珱に話しかけるも、龍珱はキョトンとした表情をしていた。龍鶴が何かおかしいと思っていると、龍玲が話し始めた。


 「龍珱姉さんは……もう耳が聞こえないの…………」


 龍玲の言ったことを、龍鶴は信じられなかった。

 龍鶴が敵戦艦と奮戦していた時、龍珱は爆撃機の攻撃でもう片方の耳にもう1発爆撃を受けていた。爆発の威力が強かった為だろう、そこから龍珱は音が聞こえなくなった。

 実の所、龍珱は右耳に爆撃を受けた時点で右耳が聞こえなくなっていた。龍珱はその事を黙っていたのだ。


 「龍珱、嘘だと言ってちょうだい!!」


 龍鶴は龍珱に話しかける。龍珱は龍鶴が何を言ったの

かを、表情と口調で理解して龍鶴に話しかける。

 「嘘じゃないわ。私はもう耳が聞こえないのよ」


 龍鶴はその言葉を聞いて、現実を受け入れるしか無かった。

無響、それは音が全く聞こえないという意味を込めてつけました。龍珱はこれで耳が聞こえなくなってしまいました。これは、龍珱の兵器時代設定をそのままこちらにも転用した形になります。ここから龍珱はどうなるのか、終戦までご期待ください

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