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少女なる兵器 Act.1〈旧版〉  作者: 深瀬凪波
第二次龍鬼戦争
41/109

少女なる兵器 第23話「戦争中期の戦車達」

裁判の一件から数日後、水月は自走砲達と、自走対空砲達が喧嘩をしている場に遭遇し、元帥の言葉で一時的に喧嘩が収まった後、どうしようかと悩んでいたが時に、とある戦車達が出てきて………………

 五藤裁判長の自宅にお邪魔してから数日後、水月はいつも道理、執務仕事を手伝っていた。丁度、資料室に資料を置いてきた帰りだった。廊下を歩いていると、どこからか揉めている声が聞こえてくる。トラブルの予感を感じた水月は、揉め事が起きている方向へ向かって歩いていった。

 「そもそもとして、その重装甲がおかしいのよ!!」

 「だとしても、88mm速射機関砲は異常よ!!」

 近づいていくと共に、少しづつ声が大きくなってくる。水月がその場に着くと、14人の戦車達が揉め合いになっていた。堀月、沈月、氷月、流月、炎月、覇月、叡月……自走砲達に、空月、風月、黒月、暗月、霜月、北月、東月……対空自走砲達だ。全員、龍吸戦争中期に開発、生産された戦車達だ。何があったのかは分からないが、大きな揉め事になっていることは明らかだった。

 「あの……何があったの?」

 水月が話しかけると、一同は揃って水月の方を向いたと同時に、一斉に喋りだした。

 「自走砲にしても32.6cm、42.6cm砲、搭載はおかしいでしょ!!」

 「57mm機関砲は理解できても、88mm速射機関砲はおかしいですよ!!」

 「取り敢えず……喧嘩……駄目……絶対………………」

 「弾幕が正義なんですよ、絶対に!!」

 それぞれの話が入り混じり、水月はよく話を聞き取れなかった。その時だった、暁翠がその場へ割って入ってきた。

 「お前ら、取り敢えず一回落ち着け。何があったかは執務が終わってから聞くからな。」

 暁翠の言葉で、その場に居た水月以外の全員は、一時解散となった。

 「水月、一体何があったんだ?」

 暁翠が、水月に尋ねる。

 「いえ、全く存じ上げません。」

 「そうか、まぁ、今回お前に任せた仕事は以上だ。後はゆっくり安め。」

 そう言い残すと、暁翠は執務室へと歩いていった。

 その直後だった、水月に取って馴染みのある4人がこちらに向かって歩いてきた。

 「でさ、この前の格闘術で元帥にコテンパンにやられちゃってね。」

 「元帥には、逆立ちしても勝てないわよ。」

 「戦車が、どうやって逆立ちするのよ。」

 「砲塔を、地面に埋めるんでしょうね。」

 海月、深月、瀧月、疾月の四人だった。いずれも、龍吸戦争末期に製造された主力戦車、自走高射機関砲、機動戦闘車で、実戦に参加することは無かったが、高水準の性能で纏まった大龍帝国陸軍の最後を飾る戦車だ。

 「あら? 水月じゃない。こんな所でどうしたの?」

 海月が、水月に話しかけてくる。

 「少し……ね……自走砲の娘達と対空自走砲の娘達が喧嘩しててね………………」

 水月は、何があったのかを自身が知っている範囲で話た。

 「成程……だったら私達に考えがあるわ。瀧月、疾月、お願いできるかしら?」

 「えぇ、分かったわ。」

 「任せておいてちょうだい。」

 そう言うと、瀧月と疾月は別々の方向へ歩いて行った。

 「何をするつもりなの?」

 水月が尋ねると、海月は笑って答えた。

 「何、少し実力と役割を見せつけるのよ。」

 その言葉に、深月は深く頷いた。水月は、海月達が何を企んでいるのか分らなかった。

 その頃、疾月は自走砲達の元へ向かっていた。

 「少し時間いい?」

 疾月が自走砲達に話しかける。最初に反応したのは、氷月だった。

 「何?……疾月…………」

 氷月は、相変わらずのカタコト言葉で対応する。

 「少し、私と模擬戦をしない?」

 「その模擬戦ってのはどういった物だ?」

 流月が、疾月に問う。すると、疾月は少し口角を上げて、黙っといてついてくるように指示した。

 場所が変わって、疾月達は旧大龍帝国本土へと来ていた。龍林海へ着くと、疾月が模擬戦説明を始める。

 「ルールは簡単、誰か私に一撃でも演習弾を当てられたら貴女達の勝利よ。逆に、貴女達全員が、私の一撃が命中したら負け。それじゃぁ、模擬戦開始。」

 そう言うと、疾月は、森の中へ消えていった。

 「…………どうするの?」

 堀月が全員に問う。それに答えたのは叡月だった。

 「私が疾月の気を引くから、皆は何処かに隠れて待ち伏せしていてちょうだい。」

 その作戦に、異論を唱えるものは居なかった。

 それから10分後…………叡月が疾月をおびき寄せに出てからまだ帰ってこなかった。

 「おかしいわね……いくらなんでも帰りが遅すぎる………………」

 「えぇ、流石におかしいわ……………」

 叡月を心配した、堀月と沈月が声を出した瞬間だった。

 「えぇ、おかしいわね。」

 疾月が背後に立っていた。二人は直ぐに応戦しようとしたが固定砲塔であるが為、背後を取られてしまっては応戦準備ができなかった。疾月は沈月を撃ち、沈月に砲撃を命中させた。間に合わないと判断した堀月は、全員に無線を入れた。

 「全員、全方向に注意して!! 疾月は………………」

 堀月が入れた無線は、全員に伝達されえいた。これにより、堀月、沈月、叡月が、疾月にやられてしまったことが分かった。

 その頃、炎月と覇月の潜伏場所では二人共焦りを感じていた。42.6cm対戦車砲を積んでいる分、装填速度が絶望的に遅かったからである。副砲として8.8cm砲を積んでいるが、固定砲塔が故、取り回しがあまり良くなかった。せめてもの対策として、お互いが背中を預けるようにした。しかし、それは無駄だった。疾月はレーザー測距儀を使い、遠距離から二人に砲撃を命中させた。

 「嘘でしょ…………」

 「一発も撃てないなんて…………」

 炎月、覇月と連絡が取れなくなった氷月は焦っていた。砲塔は回転するが、32.6cm砲塔を積んでいるが故、装填速度が遅かった。砲塔も回転速度が遅く、実質固定砲塔と言っても過言ではなかった。

 「氷月、どうしたん………………!?」

 流月が氷月に話しかけようとした時、疾月が正面から突っ込んできた。流月は、直ぐに照準を合わせようとした。しかし、疾月はスタビライザーの効果があって、行進間射撃を命中させた。疾月は余裕の表情を浮かべた。しかし、その余裕は直ぐに消え失せた。氷月が、疾月に照準を合わせ終わっていたからだ。直後、氷月が主砲を発泡する。しかし、疾月はそれをギリギリの所で躱してみせた。そして直ぐ様反撃の一撃を、氷月に命中させる。

 結果、自走砲達は、疾月一人によって完敗した。疾月は、模擬戦が終了してから帰還する前に「どんな車両にも役割があり、それぞれの特徴がある。」とだけ言い残していった。

 その頃、瀧月は対空自走砲達の元へ向かっていた。

 「少しいいかしら?」

 瀧月が、自走対空砲達に話しかける。最初に反応したのは、暗月だった。

 「話って一体何?」

 「少し、私と勝負しない?」

 とだけ言うと、自走対空砲達を旧大龍帝国本土へ呼び出した。旧防空台に全員を集めると、瀧月は説明を始める。

 「これから、紫月さんに協力してもらって、対空射撃のテストをする。ルールは簡単、貴女達が私より少ない弾薬消費量で航空機に機関砲、機銃を当てられたら勝利よ。それじゃ、紫月さん、よろしくお願いします。」

 瀧月の合図で、紫月が龍式艦上戦闘機72型 疾花を発艦させる。まず初めに、空月が機関砲を撃ち始める。結果は78発目で命中。次に撃ち始めた。結果は21発目で命中。搭載していた簡易レーダーの恩恵結果であった。その後は、黒月……42発目で目中。暗月……92発目で命中。東月……346発目で命中。北月……116発目で命中。それぞれが自己ベストを出した。そして、瀧月の番がやってくる。

 「紫月さん、水花を出してくれませんか?」

 「分かりました。」

 紫月は瀧月の指示どうり、龍式ロケット戦闘機63型 水花を発艦させた。ロケット推進力により、疾花とは比べ物にならないスピードを出していた。瀧月は、35mm高射機関砲を構えると、レーダーと連携させ、一発を水花に向けて発泡する。その弾は、見事に水花に命中した。

 これにより、勝負は瀧月の勝利に終わった。鎮守府に戻ってから、瀧月は去り際に「どんな車両にだって得手不得手はある、それによって役割も変わるわ。」とだけ言い残していった。

 そして、自走砲達と自走対空砲達が再び向かい合う。会話ではそれぞれが協調し合っていた。影から見ていた水月は、何故協調海月に訪ねた。

 「あの娘達は、戦争中期に生まれたからバランスが偏ってしまっているのよ。だからこそ、互いに分かち合えず喧嘩になってしまった。それなら、一度頭を冷やしてから大切なことをを伝えるだけよ。」

 海月の答えは、戦争末期に生まれた戦車だからこそ言える回答だった。なにはともあれ、今回の一件は海月達により解決した。今後の彼女達は、さらに強くなるだろうと思いながら、水月はその場を立ち去った。

今回は一気に戦車が登場させました。特に、戦争末期に製造された、海月、深月、瀧月、疾月は、かなり重要な車両になってきます。

そして、2023年の小説投稿はこれが最後になりそうです。2024年からも張り切って小説投稿を続けるので、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m

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