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少女なる兵器 Act.1〈旧版〉  作者: 深瀬凪波
第二次龍鬼戦争
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少女なる兵器 第17話「元姉妹」

 輸送作戦Ⅱの戦闘で、左腕と左足に麻痺を負った夜桜のリハビリを手伝い終わり医務室を出た水月。しかし扉を出ると、龍造と龍翔が喧嘩をする声が聞こえてきて……

 水月達は輸送作戦Ⅱを完遂して、鎮守府に帰投した。しかし夜桜が左腕と参左足に重症を負い、作戦的には戦術的敗北となってしまった。

 あれから数日後、水月は夜桜のリハビリの手伝いに来ていた。発射された対艦ミサイルの威力が強すぎた為、左腕と左腕が衝撃により麻痺してしまっていた。暁翠が治療とリハビリをさせていた事で、かなり麻痺も治ってきていた。

 「夜桜、だいぶ良くなったわね。」

 水月からしたら、夜桜の早期回復はまさに喜ばしい出来事だった。暁翠が言うには、夜桜は早くて2日で麻痺が完治するらしい。この日のリハビリは1時間ほどで終わった。水月が医務室から外に出ると、角から話し声が聞こえてきた。声適的に、龍造と龍翔であった。しかし、聞こえてきた内容は喧嘩だった。

 「龍造姉さん、どうしてですか! 私達は元姉妹ですよ!」

 「龍翔……解って頂戴……私達は別々の艦艇としての役割がある……故に私達はもう姉妹ではないのよ……」

 龍造と龍翔は言い争っているようだった。そこに、夜桜の容体確認を終えた暁翠が割り込む。

 「お前ら、とりあえず一回頭を冷やせ!」

 暁翠の一言で、龍造と龍翔は一時的に別れた。水月は事情が知りたくて龍造に話しかける。

 「龍造、一体何があったの? それに、元姉妹って……」

 龍造は水月の質問に、直ぐ答えてくれた。

 「龍翔が自らを戦艦への改装を望んでいたのよ。元姉妹とはいえ、私は了承出来ないのよ。」

 水月は、元姉妹の意味について龍造に尋ねた。

 「あら? 言ってなかったけ? 龍翔、龍彩は私、龍造型戦艦改装航空母艦よ。」

 水月はとても驚いていたと同時に納得していた。水月は兵器時代に龍造、龍彩に会ったことがあり、艦首部分がよく似ていたのを覚えていた。

 「成程……でも、龍造……戦艦への改装くらい許可してあげれば良いんじゃないの?」

 しかし、龍造は首を横にふる。

 「私は敵から恨みを買いすぎている……龍翔が戦艦になれば……私の妹として敵から集中砲火を受ける可能性がある……それだけは絶対に起きてはならない……」

 龍造が龍翔の戦艦への改装を承諾しないのは、龍翔の事を考えての事だった。その刹那、兵舎から爆音が轟く。龍造と水月は兵舎の方へ走り出す。鎮守府から兵舎への通路は瓦礫で塞がれていた。

 「どうすればいい……艤装は鎮守府内では使えない……」

 2人が思考を巡らせていると、背後から声が聞えた。

 「2人共下って! 主砲撃て!!」

 水月と龍造が反射的に匍匐の体制をとると同時に、瓦礫が吹き飛び道が開ける。後ろを向くと、龍鶴が艤装を着けたまま立っていた。

 「龍鶴……どうして艤装を着けたまま……」

 「そんな事はどうでもいい! 早く兵舎に残っている皆の救助を!」

 龍鶴にはっとさせられた水月と龍造は兵舎の中に走っていった。兵舎の内部激しく損傷しており、一定距離で何がが爆発したことが分かった。一つ先の角を曲がると、寄月が血塗れになって倒れていた。水月と龍造は直ぐに寄月に駆け寄る。寄月はギリギリ意識を保っていた為、水月と龍造が駆け寄ってくると状況の説明を始めた。

 「水月さん……龍造さん……何があったのか……説明します……突然……何かが爆発したんです……詳しくは……私には……分かりません……ですが……爆撃ではない事は……確か……で……す…………」

 寄月は全てを伝え終わると、何が切れたように意識を喪った。龍造は意識がない寄月を抱えると、龍鶴の所に走って連れて行く。

 「龍鶴、早く寄月を医務室へ運んで頂戴!」

 龍鶴は頷くと、寄月を抱えて医務室に走って行った。それと入れ替わるように、龍珱が龍玲が走ってきた。龍珱は息を上げながら龍造に状況説明を求めた。

 「何があったの!? 龍玲と龍鶴と演習をしてたら突然兵舎が爆発して……」

 「寄月曰く、何があったか分からないらしい。ただ、爆撃では内事は確かだ。おそらく兵舎に残っていた皆が負傷している可能性がある。」

 そう言って、龍造は兵舎へ戻って行った。龍造は、龍翔の自室へ走って行った。龍造は龍翔の自室に着くと、扉を勢いよく蹴り開けた。しかし、そこには信じられない光景があった。龍翔の左腕と下半身が、瓦礫の下敷きになっていた。

 「龍翔!」

 龍造は龍翔に駆け寄ると、瓦礫の撤去を始める。

 「龍造……姉さん……」

 龍翔は今にも消えてしまいそうな声を出す。瓦礫の撤去中に、龍彩が龍翔の部屋に入ってきた。龍造は龍彩に気づくと、助けを求める。

 「龍翔! 瓦礫の撤去を手伝って頂戴! じゃないと……龍翔が!」

 龍彩は龍翔に命の危険が迫っている事を感じ取ると、急いで瓦礫の撤去を始めた。2人が息を合わせて瓦礫の撤去を進めた為、龍翔を早く助け出すことに成功した。龍翔に肩を貸した2人は、龍翔と共に兵舎から抜け出した。そのまま医務室へ向かうも、部屋は負傷者でいっぱいだった。暁翠も手当に追われているようだった。しかし、龍翔を見た暁翠が血相を変える。

 「龍造、龍彩! 龍翔を寝かせて抑えつけろ!」

 暁翠が出した命令を、2人は拒否しようと反論する。

 「何故です!? まずは出血の措置を……」

 しかし、暁翠は言葉を遮り叫ぶ。

 「いいから命令を聞け! 龍翔の腕が二度と動かなくなるぞ!」

 その言葉を聞いた2人は、渋々龍翔を床に寝かせ、抑えつける。抑えつけたのを確認すると、暁翠は注射器を龍翔の左腕に打つ。その瞬間、龍翔の左腕に焼けるような激痛が走る。

 「…………っ!!」

 龍翔は痛みでのた打ち回りそうになるが、龍造と龍彩が体と腕を抑えている為身動がとれなかった。

 数分後、龍翔の左腕の痛みは消えたいった。それを見ていた暁翠がホッとする。

 「何とかなったな……龍翔、お前は腕の骨にヒビが入ってていたんだ。ヒビが入った所に整骨剤を直接注射させてもらった。後は怪我の治療をして安静にしていたら大丈夫だ。」

 その後、龍翔は暁翠に怪我の手当をしてもらい、療養室のベッドに移された。ベッドに移された龍翔は、龍造に話しかける。

 「龍造姉さん……助けてくれてありがとう……私……あんな事言ったのに……」

 しかし、以外な事に龍造も謝罪してきた。

 「私こそ、言いすぎてごめんなさい。どうしても……貴女を危険な目に合わせたくなかった……戦艦になれば私の妹だとバレて敵の集中砲火を浴びせられると思ったの…………」

 龍翔は龍造が戦艦への改装を承諾してくれなかった理由をここで理解した。

 「そう……龍造姉さん……私達は姉妹じゃないのかな……」

 「そんな訳ないじゃない! 龍翔も龍彩も私の可愛い妹よ!」

 「龍翔姉さん……」

 龍翔は自然と涙を流した。水月はその光景を、扉の隙間から見ていたのであった。

 さぁ、やっと披露できまた! 龍造と龍翔、龍彩の元姉妹関係の設定! 実の所……おっと、これはまだ喋るわけにはいきませんね……

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