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おうちへようこそ!

三人が転移陣を抜けた先は、ドワーフダンジョンのちょうど入り口あたりだった。

ドロシー一行はそのままダンジョンを抜け、帰路へとついたのだった。


ドロシーが家へとたどり着いたのは、ダンジョンを抜けてから数時間後のことだった。

時はすでに深夜。

とっぷりと日も暮れて、辺りを行きかう人の姿もまばらだ。

ドロシーは、まだアスファルトで補整されていない、石造りの古い街道を抜けて、一軒の古びたアパートまでたどり着いた。


「ステラ、ここがわたしたちのおうちだよ!」

「ここが……おうち……?」

ドロシーの胸に抱かれながら、ステラは困惑の表情でその建物を見上げた。


ステラが困惑するのも無理はないだろう。

なにしろそれは、とんでもないボロアパートだったからだ。


木造二階建てのボロアパート『骸骨荘』。

遠目には廃墟と見まがわんばかりの古びた外観の建築物である。

壁に塗られた白ペンキがあちこち剥がれ落ち、黒ずんだ木目の壁が顔をのぞかせている。

遠目には人間のあばら骨に見えるその異観は、成程、骸骨荘の名にふさわしいものだといえるだろう。

ひとたび嵐に吹かれればすぐにでも倒壊しそうなその異様さは、はっきり言って人が住んでいるかも怪しいものである。


いまだ困惑するステラを尻目に、ドロシーはスタスタと古びた鉄階段を登っていく。

「ここの二階奥がわたしたちの部屋だから。」

ドロシーが階段を一段、一段登るごとに、赤錆の浮き出た階段がぎぃーぎぃーと嫌な音を立てる。

ほんとにこんなところに人が住んでいるのだろうかと、ステラは思った。

しかし、通路に面した窓からは、暖かい光が漏れている。

一応これでも、人はすんでいるようだ。


やがて一行は、通路の奥にある一室んの前で立ち止まった。

「ここがわたしたちの部屋!二〇六号室だよ!」

ドロシーは懐からカギを取り出すと、錆びついた鍵穴に無造作に差し、ガチャガチャと動かす。

「ちょっと待ってね、ここ古いから鍵穴が壊れかけてるのよね……。」


それから更に数秒四苦八苦してから、ようやくドアのカギが開いた。

「よっしゃ!開いた!」

ドロシーは元気よくドアをあけ放つ。


「ようこそステラ!わたしたちのおうちへ!」

「…………。」

ドロシーの部屋、これから自分が生活する新し住処……。

そのあまりの凄惨さに、思わずステラは絶句してしまう。


さほど広くはない室内には、そこかしこに魔導書や技術書が山のように積み重ねられ、今にも倒れそうになっている。

さらに床には、ロボ丸のスペアパーツらしき機械部品や工具が散らかっており、まるでゴミ捨て場のようなありさまである。


しかしドロシーは、そんなステラの心中を察することなく、部屋の中央にあるギリギリ人が寝られるスペースまでいき、布団を敷いて寝転がる。


「今日は疲れたからもう寝ようか。お休みステラ、ロボ丸。」

ドロシーは部屋の電灯を消すと、ぐーすかと寝息を立てて寝てしまった。

ステラはいまだ困惑しながらも、ドロシーの布団の中に潜り込み、一緒に寝ることにした。


これからどんな日常が自分を待っているのだろう?

これから訪れるであろう新しい日々に、期待と不安にむ胸をふくらませながら、ステラは静かに眠りへと落ちていった。











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