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ドワーフ工房への直通便

  「アリスさん、この魔法陣ってまさか……?!」

「そう、そのまさかじゃよ。これはドワーフ遺跡の転移陣と同じものじゃよ。あの転移陣を解析し、わしが独自に複製したのじゃ。」

そう言うと、アリスさんは腕組みをしながらうんうんと満足げに頷いた。


 アリスさんは石畳みの上に描かれた転移陣に近づくと、両手をかざし魔力を流し込んだ。

すると、転移陣に眩い光が走り、厳かに回転をはじめた。


 「ふむ、どうやら上手く動いとるようじゃな。それでは行くとするかの?」

アリスさんはこちらを振り返ると、ちょいちょいと手招きした。


 「ちょっと待ってください!行くって……何処へですか?っていうかこれ、いったいどこに繋がっているんです?」

「なんじゃ、随分察しが悪いのう、ドロシー殿。そんなもん、決まっとるじゃろうが?ドワーフ遺跡じゃよ。ほれ、さっさとこんか。」

アリスさんはやれやれといった感じでかぶりを振って答えた。


 「いきなりドワーフ遺跡って……。わたしまだ何も準備できてませんよ?ほんとに行くんですか?」

「安心せい。別に探検の続きをしようというわけではない。ちょっと見せたいものがあるだけじゃ。なぁに、ついてくればわかる。」


 アリスさんはわたしの抗議に耳をかさず、起動した転移陣に入っていった。

すると、アリスさんの身体が光の粒子に変換され、転移陣の中に吸い込まれていく。


 「あ、ちょっと!……あー、もう!ほんとに勝手なんだから!しょうがない、ステラ!ロボ丸!レオナ!行くわよ!」

「りょーかい!マスター!」


 わたしたちはアリスさんの後を追い、転移陣へと脚を踏み入れた。

視界が眩い光で満たされ、わたしたちの身体が転移陣へと吸い込まれていく。


 一瞬の浮遊感。

それから重力。

視界を覆う光が徐々に弱まっていき、朧げながら目の前が見えてくる。


 「……ここって。」

わたしは周囲を見渡し、思わず呟く。

ドーム状の天井。

周囲に散乱する用途不明の機械群。

そして、中央に屹立する古代の工作機械。


 忘れもしない。

わたしとステラが初めて出会った場所。

わたしの運命が大きく変わった分岐点。

「ドワーフの工房……。」

わたしは眩く輝く工作機械を見つめ、絞り出すような声でそう呟いたのだった。

 






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