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ドロシーの名案

「ウオォォォォォォォォリャアアアア‼︎‼︎‼︎」

ロボ丸の拳が蜘蛛の眼球を砕く。

蜘蛛は勢いよく後方に吹っ飛び、壁にぶち当たる。

壁にめり込んだ蜘蛛は、そのまま二、三度痙攣した後、黒煙を吹き上げ動かなくなった。


「はぁ、はぁ……、もう終わり?」

疲労で息を荒げながら、そう呟く。

これまで、いったい何体の蜘蛛を仕留めただろう?

これで四十体……いや、五十体目だろうか?

余りにも敵の数が多く、途中で数えるのをやめてしまった。


ゴゴゴゴゴゴ……‼︎‼︎‼︎

また地響きが響く。

土煙を上げ、また数本の煙突が地面から伸びる。

煙突の側面に穴が開き、そこから蜘蛛がポンポンと射出される。


「ま、まだ来るの……⁈」

次々と蜘蛛を吐き出す煙突を見上げ、私は呆然と呟く。

あまりの連戦に私たちは疲弊し、そろそろ限界が近づいている。


ロボ丸のガントレットには縦横にヒビが入り、プロテクターはあちこちが砕け、ぼろぼろになっている。

ほとんど裸同然の格好だ。

ステラも同様で、ボロ切れ同然のボディアーマーが体に纏わり付いている。


「クソッ‼︎」

私は悪態をつくと、腰のポシェットからマジックポーションを取り出してがぶ飲みする。

薬臭いゲップを吐くと、ポーションの空き瓶を地面に投げつけて叩き割る。

これが最後のマジックポーションだ。


ステラたち魔導人形は私から魔力を供給されることで動いている。

私とステラたちは見えない魔力の糸で繋がっており、常にリアルタイムで魔力が流し込まれている。

つまり、私の魔力が尽きるとステラやロボ丸は機能を停止し、そのまま動けなくなるのだ。


そして、ステラやロボ丸が技を使うたびに魔力はガンガン減っていく。

私にはエルフの血が流れているので、魔力量と魔力の回復値にはそこそこ自信がある。

しかし、こうも闘いが長引くなら話は別だ。


マジックポーションをケチらず、もっと多めに持ってくればよかった。

しかし今更後悔しても遅い。

今あるものでなんとかするしかないのだ。


ポシェットの中をまさぐり、残りのアイテムを確認する。

ポーションはすべて使い切ってしまったので、もう残っていない。

あるのは煙幕弾が二つと、虎の子のマジックボムが一つ。

マジックボムは、蜘蛛の様な大型の機械人形が現れた時の為に持ってきた、高威力の魔力爆弾だ。

しかし、あまりに威力が強すぎるため、使い場所を間違えると私たちも巻き込まれてしまうかもしれないという危険極まる代物だ。

今はまだ、これを使う時ではないだろう。


「アリスさん、何か強い魔法でどかーんとぶっ飛ばせませんか?」

私はダメ元でアリスさんに聞いてみる。

アリスさんもかなりぼろぼろだけど、魔族なら何か私たちの知らない切り札を持っているかもしれない。


「悪いな、ドロシー殿。儂もそろそろ限界じゃ……。魔力が尽きかけておる。……儂もそろそろ年貢の納め時かのぅ……。」

アリスさんは憔悴し切った顔で、力なく笑う。


やはりアリスさんも限界が近い様だ。

今あるものでなんとかするしかないだろう。

また、目の前に蜘蛛が迫って来ている。

蜘蛛が、その長い脚を振り回して襲い掛かってくる。

すかさずロボ丸とステラに指示して、蜘蛛の群れを迎撃させる。


私は蜘蛛の攻撃を交わしながら、打開策を考える。

倒しても倒しても、蜘蛛は何体も湧いてくる。

蜘蛛はあの煙突から出てくるようだ。


あの煙突は地下に繋がっているのだろうか?

その地下に蜘蛛の格納庫があるのではないか?

そこを破壊すれば、蜘蛛はもう出てこない……?


ふと、私の脳裡に一筋の閃光が走った。

私の頭に一つの考えが像を結んでいく。

……これなら行ける!

あの忌まわしい蜘蛛の群れを、見事に駆逐できる!


「アリスさん、みんな、私にいい考えがあります!」

「ドロシー殿、何か考えがあるのか?」

アリスさんが蜘蛛の猛攻を捌きながら答えた。


「えぇ、とっておきの名案です!」

私はニヤリと笑って答えた。









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