地下で見たもの
「……しゅじん……ご主人!起きるロボ!」
ロボ丸がバシバシとわたしの頬を叩いて起こしに来る。
「……う~~ん……あと10分……。」
「寝ぼけてる場合じゃないロボ!とっとと起きるロボ!」
わたしがまだ起きないとみるや、今度は頭をゲシゲシと蹴り始めた。
このブリキ野郎……よりにもよってご主人様の頭を足蹴にするなんて……。
今度スクラップにして粗大ごみ置き場に捨ててきてやろうか……(#^ω^)
……あれ?なんか前にもこんなやりとりがあったような……?
これが……デジャブって……やつ……?
うぅん………眠い……また意識がまどろみ、心地よい暗闇へと堕ちていく…………。
むにゅっ
唇になにか柔らかい感触を感じる。
違和感を感じ、ゆっくりと目を開ける。
瞼を開くと、そこにはステラの顔があった。
ステラが私の唇にキスをしているのだ。
私が目を覚ましたことに気づくとステラは接吻を止め、その小さな唇をゆっくりと離した。
「ロボ丸!マスター起きたよ!」
ステラは後ろに振り返ると、嬉しそうな口調でロボ丸に報告する。
「まったくいつまで寝てるロボ!とっとと起きて周りを見るロボ!大変なことになってるロボ!」
腕組をしたロボ丸が、呆れたような表情で私を見下ろしている。
私は頭をぶんぶん振ってまだ残っている眠気を強引に吹き飛ばす。
……大変なこと?
目をこすりながら、気を失う前のことを必死に思い出そうとする。
確か、石板にメダルをはめ込んだんだっけ。
そうしたら転移陣が発動して、すごく強い光に包まれて、それから……。
そこからの記憶がない。
恐らく転移陣に巻き込まれて、また気を失ってしまったのだろう。
するとここは……
「ダンジョンの隠し部屋?」
またダンジョンの新しいエリアに飛ばされてしまったのだろうか?
しかし、それにしては妙に明るいような……。
それに空気の味も違う。
ダンジョン特有のあのかび臭さがない。
まるで森の中にいるかのような、むっとした青臭さを感じる。
「マスター、空を見て見るロボ!」
ロボ丸が困惑した表情で天を指さす。
つられて私も天を仰いだ。
そこにあるものを見て、私は思わず絶句してしまった。
ダンジョンの中にあってはならないものがそこにはあったからだ。
そこにあったのは……青い、青い空。
眩く光る太陽に、白く大きな入道雲。
「どういうこと?ここはダンジョンの中じゃないの?!」
まるで困惑する私たちをあざ笑うかのように、鳥たちがぎぃーぎぃーと鳴き声を上げて頭上を飛び去って行った。




