過去編その6、会談後のアリィ
超短めです。文が……(´;ω;`)
普段ならばすぐ終わる近況報告。その後はプライベート程度のもので終わっていたエルフとハーピィ・クィーンの会談は、森の侵入者の情報による会議に発展した。
エルフの村周辺と大森林内部。そこで退治した人間は、王国の鎧を身にまとっていた。
ーーーイスティア王国。人間至上主義の王国。その騎士たちが大森林とエルフの村周辺に出現。
森林では生き物の死体が散乱し、エルフの村周辺では子供が攫われかける事態が起こる。幸い森林ではアリィが狩った事で抑えることができ、村周辺では大人が対処したことで未遂に終わった。
エルフの村か大森林全てか。目的は分からないが、狙われていると考えていいだろう。
一旦は警戒レベルを上げることで話は纏まった。族長とハーピィ・クィーンは奥の部屋へ行き、戦士長、アリィ、ヴァレリーの3人はそのまま解散という形になった。ヴァレリーと戦士長は各々持ち場に戻り、アリィは1人取り残された。
これからの予定は聞いていない。今までハーピィ・クィーンを初め、親とも言える4体のモンスターの指示で行動してきた。なにか行動する時はいつも決まって4体のいずれかの指示を聞いてから動いていた。
狩りをしようにもここはエルフの縄張りだ。縄張りに侵入して勝手に狩りを行ったり、我が物顔で居座ったりした獣の末路は悲惨なものだ。
それに、ここはハーピィ・クィーンの知り合いが住んでいる場所。その知り合いに手も足も出なかった。経験が、本能が『勝てない』と警告しているのだ。
だが、アリィは人間であって獣ではない。獣に育てられたからと言って、種族が変わる訳では無いのだ。
人間の子供というのは好奇心旺盛なものだ。親に対し「ねぇねぇ」と聞いてきたり、あっちこっち行ったり目移りしたり。手綱を握っていないと行動が読み難い。
そんなアリィが歩いた先に見えたのは、庭だ。
綺麗に整えられた木々に芝。森では見ない形の物だ。特に大きな木でできた熊やイノシシの人形はなんなんだろうと観察するように見つめている。
自分の生活している大森林とは違う。草木が少ない砂漠地帯とは違う。湖の中とは違う。初めて見る光景。
庭を歩き回り、観察し、手で触れてよじ登る。
手触りはこちらの方がツルツルしていてさわり心地がいい。
木は大抵ザラザラしていて棘もあるが、コレは違う。
ふあ……と欠伸が出た。視界も時々暗くなり、身体はコクリコクリと前へ出る。
……スヤァ
アリィはそのまま意識を手放した。
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