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七時限目 『 タラテクト・ゼラ 』【 バルーンアート写真付 】

    挿絵(By みてみん)


「タラテクト・ゼラ」は、アルケニーのゼラが下位の魔獣の仔蜘蛛だった幼少期です。


「アルケニーのゼラ」「タラテクト」の記事と一部重複します。


 タラテクト・ゼラのテーマソングが本文の最後にあります。

 

    挿絵(By みてみん)

               「しゅぴっ!」

タラテクト・ゼラ


 ■種別:昆虫型魔獣(蜘蛛の魔獣)


 ■主な出現地域:辺境の山野、カダールの周囲


 ■出現数と頻度:単独/きわめてまれ


 ■サイズ:仔猫なみ (→ その後成長)


 ■危険度:小


 ■知能:動物 → 人間の子どもなみ?


 ■人間への反応:

 ①王種の群れ → 攻撃的

 ②野生化した後→ 熱愛盗視(カダール限定)、潜伏警戒(その他大勢の人間)


 ■登場エピソード:

『蜘蛛の意吐 欄外スピンアウト』タラテクト・ゼラ 1〜3 (https://ncode.syosetu.com/n4627ff/58/ 〜 https://ncode.syosetu.com/n4627ff/60/ )



❀ ❀ ❀



 _______ 仔蜘蛛 (( ̄▽  ̄;P

「タラテクトのゼラは、本編第一部の回想シーンに登場したけど・・・」


 K; ⌒ 〜⌒)~ ♪___

「連載終了後、新エピソードが書かれた。それが『タラテクト・ゼラ1〜3』」


 ____ しまっていこー! ( ̄∇  ̄ ;P

「顔がさ、にまにましてるね」


 K; ⌒ ▽⌒)_だよー

「うれしーともさー。 過去編『タラテクト・ゼラ』は、バルーンアートをつくったら執筆されることになったんだ」

「だまって入れたデザインも採用された ♪ 」


 _____お尻のハート ♪ ( ̄o  ̄ ;P

「さびしい森のひとり暮らしが分かる短編だ」


 K; ⌒ _⌒)忍ぶ恋__

「ま、我慢し切れず、こっそり街へ潜り込むけどね」


 ______…… ( ̄_  ̄ ;P

「……忍び込んでるね」



❀ ❀ ❀



■身体的特性とパワー

 タラテクト・ゼラは赤紫色の瞳、黒毛のからだの蜘蛛の魔獣です。


 ほかのタラテクトと比べて牙の威力、糸の強さ、運動能力はとくにすぐれておらず、本来、格上の魔獣に挑む実力はありませんが、タラテクト・ゼラは自分自身はまったく無傷で、毒蛇の魔獣を窒息で倒しています。


 カダールに出会ったとき栗鼠や仔猫サイズで、人間の火魔術の爆発で高く吹き飛ばされていました。宙から地面に落ち、からだは焦げて右の前脚を一本失い、瀕死の状態でした。


 あまりにボロボロで。

 8歳の男の子が、蜘蛛魔獣の退治に加わりたくて家を抜け出したというのに。どうにも憐れになって、逆に仔蜘蛛を拾って帰ってしまったほどです。



○タラテクト・ゼラの差異

 カダールにかくまわれますが、前足の欠損は治りません。ゼラはその後、別のすがたの上位種になっても足を治さず、七本脚の蜘蛛でいました。


 しかし、タラテクト・ゼラの特殊性はおもに内面でした。

 例えば、子どものカダールに誤って噛みついたとき『罪悪感』めいた情動をもちますが、ふつうのタラテクトに無い反応です。

 さらに野生にかえると、すぐれた観察力・判断力で巣網の工夫に取り組みます。


 ゼラは変異種ではありません。


 ですからゼラの特殊さは、もともとタラテクトすべてに備わった因子があって、本来、一生目覚めないはずが、特殊な条件が偶然そろって発現したかも知れません。


 特殊条件として考えられるのは ──

「変異種でないにしても、大発生の狂奔の影響下で生まれた」「一度、瀕死の怪我を負った」「人間に救護されて、逃げられない状況で飼われた(異常なストレス)」「人間の血を舐めた」「やさしく接して、いろいろ話しかけられた」

 ……です。


 タラテクト・ゼラが死にかけた点は、

 ── 人間の場合ですが。脳機能が一度止まったり止まりかけると、回復した多くの人がプラス志向の人生観や価値観に変わって、生きていることへの感謝の気持ちが湧いて、 他人に対して優しく思いやり深く接しはじめる傾向があるそうです。


 蜘蛛の魔獣に人間の臨死体験が当てはまるか不明ですが、引き金(トリガー)の可能性はあります 。


 また、人血の影響に関して、魔獣研究者のルプセィラ女史は捕獲したタラテクトで実験を行い、否定的考察をしました。しかし、血が、ほかの要素と複合的に作用する可能性は残されています。

 ゼラの証言があるからです。


『パアッと開いていろいろ解るようになったのは、カダールの血を舐めてからだから』

(本編第五章:五の二十二)



■履歴

 タラテクト・ゼラは王種大発生で誕生して、狂奔する大群の一員として人間社会に進攻しました。

 人間に王種が倒されると、もともと単独生活だった大蜘蛛は逃げ散りましたが、追撃は激しく、仔蜘蛛のゼラでさえ、魔術の炎に吹き飛ばされてもなお、ハンターたちに追われました。


 命を救ったのは、秘かに討伐の現場に近づいていたカダール(8歳)で、部屋にかくまいゼラという名も与えます。

 ウィラーイン伯爵家の花壇に当時あったゼラニウムの花。その赤紫色が、拾ったタラテクトの瞳の色と似ていたのでした。


「いいか、ゼラは魔獣で、俺は人だ。人と魔獣は一緒に居られ無いんだ。解ってくれ」


 幼いカダールは愛着を持ちながらも、怪我を治した仔蜘蛛しゃべれませんにそう言い聞かせて野に返します。戻ってこなくなるまで何度も。

 しかし、仔猫ほどしかない蜘蛛は、とんでもない決意を固めていました。


「さみしいはやだ(中略)人と人なら一緒にいてもいい? じゃあ、じゃあ、ゼラは人になる!」


 タラテクト・ゼラは「ある者」の導きで人化のため、格上の肉食魔獣を狩り始めます。

 そして、寂しくなると領都のローグシーに忍び込み、気づかれないようにカダールを見つめました…… 騒動を起こさない為、すがたを隠して気配を絶って。何度も何度も。

 そうやって、何の悪意もなしに、凄腕の暗殺者やシノービのような隠蔽と潜入の能力をのばしたのです。


 毒蛇の因子を獲得して「ポイズンタラテクト」となったゼラは、その後、領都ローグシーの近郊に隠れ家を作って、上位種「ブラックウィドウ」へと進化します。



❀ ❀ ❀



                 ♪♪

  タラテクト・ゼラのテーマソング

 ^^^^^^^^^^^^^^^^

 ♪ぜーら、ぜら、ぜら、たらてくと

 森の奥からやってきた

 ぜーら、ぜら、ぜら、たらてくと

 黒い身体の元気な子

 ‬

 今日も元気に森に行く

 いっぱい食べて強くなる

 いつか人になるために

 人になって、あなたのもとへ



「しゃー! たべるものー!」‬


 遠くから見る赤毛の子

 今日も元気にやんちゃする

 人とは一緒にいられない

 だからここから見守るの‬


「ン、今日も元気」‬


 ぜーら、ぜら、ぜら、たらてくと

 森の奥からやってきた

 ぜーら、ぜら、ぜら、たらてくと

 おしりのハートを見つけてね


________________[作詞・NOMAR ]



   挿絵(By みてみん)

                    侵入成功!



❀ ❀ ❀



 関連事項

 △ タラテクト

 △ アルケニーのゼラ

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