十時限目『 ブロンズヘッド・センティピード 』
ブロンズヘッド・センティピード
(ジャイアントセンティピード )
■種別:ムカデ型魔獣の下位種
■主な出現地域:魔獣深森や魔蟲新森の浅いところ
■出現数と頻度:単独、ふつう
(群れの場合;30頭以上、まれ)
■サイズ:3〜4メートル
■危険度:小
■知能:昆虫レベル
■人間への反応:攻撃
■登場エピソード:なし
■身体的特性とパワー
魔獣深森の浅いところにくらす下位の魔獣で、いわゆる「ジャイアント・センティピード」です。ブロンズの名は外殻(とくに頭部)の色艶からつきました。
食欲旺盛な肉食で、基本的に単独生活です、
下生えや木陰、岩陰などの暗いところに潜み、遺跡や廃屋といったやや人工的な環境でも見かけます。
武器は毒をもった太い牙で、大顎の噛む力そのものも強く、板戸くらい食い破ります、下位種の中では高めの攻撃力で、蟲系モンスターらしいしぶとさもあって接近戦になると厄介です。
一方、勢いまかせの噛みつきは自動的・反射的です。攻撃圏に入って来れば、自分よりはるかに大柄な相手、大勢の相手でも( 敵わないとわからないまま?)挑みかかって行くことがあります。
このため魔獣ハンターたちから危険と評されながら、狩りはそれほど成功しないようです。
▷ 魔獣素材
かたい外殻の板(体節の甲)がまとまった数とれます。
金属や革素材の装甲よりも薄く、軽いことから、ハンターの防具に利用します。大きな牙(頭)は、兜や肩当て、小楯の飾りにされることがあります。
▷ 変異
成長途中の餌や毒で、変異しやすい特性があります。
ほとんどの場合、異常脱皮して、斑紋や凹凸が外骨格に生じたり、でたらめに新しい眼が出来る(神経系のつながりはない)ような無意味な変異です。
凶暴化や大型化の変異でベテランハンターが思わぬ怪我をさせられたり、暴走した個体が人間の生活圏へ迷い出て来ることもありますが、多くの場合、極端な変貌は病的異常を起こしやすく、環境適応を難しくしてします。*
▷ 群れ
まれに、大きな洞窟や廃虚で群れていることがあります。一か所に百頭を越えていときもあり、うかつに刺激すると一斉に襲って来ます。
巨大ムカデは、ふつう同種同族とも敵対的で飢えれば共食いしますが、例外的に、同じ卵塊の兄弟姉妹たちと集団で過ごす時期があります。
ふ化して間もない頃から数年、弱い時期を生きのびる仕組みで、通常、幼体からある程度成長すると、餌不足、手狭になるすみかのストレス、あるいは天敵の襲来で散り散りになります。危険な成虫の群れは、偶然、好条件がつづいて離散するきっかけがなかった結果です。
群れといっても序列や分業はなく、数を生かして獲物を包囲することもありません。機械的な攻撃反応から狩りがはじまり、いつも平押しで我先に獲物へ飛びかかると、寄ってたかって毒牙で噛みつく効率の悪い狩りをします。
同じ血族なので、変異する場合、しばしば群れ全員が一斉に同じタイプの変異をみせます。
*; からだサイズや体型の急変で、物にぶつかりやすく動きが騒々しくなる / 物陰に隠れられなくなる / 強化された毒が傷口から体に入ったとき、自家中毒を起こす / 正常な脱皮ができなくなる / 水に落ちると原因不明の痙攣であっけなく溺死する、など
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■ 魔蟲新森のムカデ魔獣
魔蟲新森は、ごく最近、人類文明圏の中心地の地下から突然広がりだした異形の森です。いくつもの都市を滅ぼし、小国を呑み込み、聖都の遷都を強いる大災害をもたらしました。
ジャイアントアントなどの昆虫系魔獣が大勢進出したことで知られますが、当初、ムカデ魔獣は目立った存在ではありませんでした。
人間社会が強く意識したのは、ある程度、被災地の内外が安定した頃(5年前後)からでした。
この時期、森の内外の都市廃墟やかつての交通の要所。とくに大勢の都市住民を埋葬した昔の大規模霊園と、被災者が大勢死んだ土地建物で深刻なアンデッド災害(ゾンビの集団発生と大移動)が心配されていました。
一部でアンデッドの大群は現実化しましたが、別の場所ではなぜか下位のムカデ魔獣(ブロンズ種変異体〉が異常発生しました。その中には、亜種や上位種の疑いの強い危険な個体も認められました。
これまでムカデ魔獣はあまり研究されていなかったので、種族の特定や変異、今後の群れの動きの予測は困難です。




