一九時限目 『 首狩り兎 / / 中央諸国の魔獣災害 ・エイリアン・キラー・バニー 』
首狩り兎
■異称:森の白い悪夢
■種別:草食動物型魔獣(大ウサギの魔獣)
■主な出現地域:魔獣深森の奥地
■出現数と頻度:1頭(常に単独)、まれ
■サイズ:人間大
■危険度:中〜大(単独)
■知能:低い?
■人間への反応:きわめて攻撃的
■登場エピソード: 『火炎嬢のいらだち』11話(https://ncode.syosetu.com/n6134gh/11/)ほか
■身体的特性とパワー
魔獣狩りのハンターは、魔法を使う魔獣を「真の魔獣」と呼ぶことがあります。
首狩り兎は、白い毛皮のかわいらしいすがたですが、真の魔獣を代表する一種で、人間が視界に入ると躊躇なく襲いかかって来ます。
瞬間移動めいた見えない突進。
人間の首を一瞬で刎ね、強化された金属盾も切断する斬撃魔法。
首狩り兎の攻撃は、手練れのハンターにも『姿を見失えば首が飛ぶ』と怖れられ、たとえ真正面に姿を捉えていても迎撃は命がけです。
さいわい、首狩り兎は必ず単独であらわれ、群れの目撃事例さえもありません。
首狩り兎の食性そのものは草食、果実食です。
おいしい草木の実や葉を好み、たまに高い木の枝に跳躍して、果実を前歯で切り落とします(それだけでもグリーンラビット並みの身体能力です)。
▷ 白い毛皮
真っ白な首狩り兎は、時折、金や銀、桃、赤などの色味が報告されます。
『色付き』の魔獣兎はより一層手強く、さらに特殊な能力をもつといわれ、未知の上位種とする研究もあります。今のところ、首狩り兎の目撃報告そのものが多くなく(正確には遭遇して生還できた事例が少なく)謎です。
■履歴/ /
中央諸国の魔獣災害『エイリアン・キラー・バニー』*
兎系の魔獣は高い知名度があります。
ふらふらと生息地を離れる性質のものが多いためで、首狩り兎もまた、辺境の人里へ出て来た遭遇事例がいくつかあります。
(もっとも有名な事例は、ハンターギルドの創建前に遡る『幸の神官の友』のエピソード * * です)
エイリアン・キラー・バニー(AKB)は、例外的事例よりさらに奇妙な一群の事件で、魔獣深森からはるか遠くの文明諸国で「いるはずのない殺人兎」が人や家畜を襲っているとされます。
騒動が起きるのは、大陸中央の都市近郊や平和な田園地帯です。野生の中大型動物がいなくなった土地で牛や馬、羊などの家畜が信じられないほど鋭利に「断裁」されて見つかり、毎回、白い殺人兎が事件現場で目撃されます。
エイリアン・キラー・バニー(AKB)と名付けられた白兎の凶行は50件近く、過去200年に遡るといわれ、近年の事件では、住民や兵士の被害者が続出して、地域社会に国内難民を生むほどの混乱を引き起こしました。
『首狩り兎』がエイリアン・キラー・バニー(AKB)の正体である確証は、未だにつかめていません。
が、すでに中央諸国の民衆の間では事実のように語られていて、ある事件では、有力貴族が正式に『首狩り兎』の首に多額の懸賞金をかけています。
一方、盾の三国のハンターや魔獣研究家は懐疑的で、エイリアン・キラー・バニーの出現地点があまりにも魔獣深森から遠く、人工的に整備された土地であるため、毎回、首狩り兎を装った人間の犯行を疑っています。
*;エイリアン・キラー・バニー(AKB)は、イギリスに現れるとされる未確認動物、エイリアン・ビッグ・キャット(ALIEN Big Cat、ABC)が元ネタです。
**:くいしんぼウサギと格好をつけたがる神官
(https://ncode.syosetu.com/n8462ga//)
❀ ❀ ❀
関連事項
△ グリーンラビット
△ ホワイトゴースト・ヘェア
◎ トークのひととき
◇ 西の聖都ローグシーに試験牧場! 緑の革命は起きるか⁉︎
……グリーンラビット(緑魔兎)
◇ 北の盲獣、黒い視線を射る白兎
……ホワイトゴースト・ヘェア (白霊兎)
◇ そして、今回……首狩り兎。
K〉ウサギ魔獣、三題 !
走り切りました _φ( ̄□  ̄ ;K : へぇ(ーー;P
(ウサギだけに!) ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
P〉ウサギ系モンスター………さすがにもうネタは。
K〉スイィム・ラビット(水棲)、モスグリーン・ラビット(ナマケモノみたい、超スローでからだに有毒の苔がみっしり)、ウィングラビット(耳でダン○″飛行)、パペットラビット(魔獣ではなく古代の動物型戦闘ドローン。からだが縦に真っ二つになって、チェーンソーの刃がギラッ!)、ポイズンヘェア(毒霧を口から吹く野兎。毒草のエッセンスで、毛皮も毒毒色)、ハードシェル・ラビ………
P〉いやだよ、そんないたら。
K〉いやっ、て。
P〉冒険の始まりから終わりまで、主人公がウサギとしか戦わないファンタジーをつくる気かい?