一二時限目 『 ジャイアントクロウ // 中央諸国の魔獣災害 』
□□SS□□ 猛る鴉群、ローグシーに襲来!!
ハラード(無双伯爵)
「子供と年寄りは家の中へ! 街の者は出番だ! 我らの街に青空を取り戻すぞ!」
領都ローグシーの住人
「「「オオオオオオオオ!!」」」
*ジャイアントクロウ王種
( ビクウッ⁉︎ )
偵察のクチバ
「相手はジャイアントクロウの普通種です。クチバシ、鍵爪で目をやられないように気をつけてください」
ハンターギルド職員
「兜の貸出しはこっちだ! 順番に並べ!」
「スリングの玉、矢の補充はこっちだ!」
ハンター
「まったく、肉は不味いし素材にするのもいまいちだし」
「今のとこ羽布団にするかって案があるぞ」
「羽がデカクて硬いだろうに」
「いいとこ燃やして畑の肥料か?」
グラフト(武装執事)
「ふむ、ジャイアントクロウは木の枝を吊るして見切る修練よりもいいですな、旦那様」
ハラード
「見切りの精度を上げるにはいいか? グラフト、久しぶりにどちらが多く狩れるか競おうか?」
グラフト
「ははは、懐かしいですな。では挑ませていただきます」
アステ(医療メイド)
「…… ルミリア様。旦那様とグラフトが二人だけで突撃して行きました」
ルミリア(伯爵夫人)
「昔を思い出すわね。代わりに私が指揮るとしましょうか。さ、私の愛するローグシーの街の領民よ! 班で固まりフォローして! あなたたちは突出しちゃダメよ!」
ローグシー住人
「「「おー!」」」
ルミリア
「地区ごとにジャイアントクロウの討伐数を競うわ! 一位の地区には報奨を出すわよ!」
ローグシー住人
「三丁目軍団! 気合い入れろ!」
「一丁目! 声出していくぞー!」
「二丁目弓兵隊! 屋根に昇れ!」
・・・・・・・・・・!
ルミリア
「……という感じ、だったかしら?」
話を聞いたルブセィラ
「……え? 相手はジャイアントクロウの王種の大群……??」
ハラード
「うむ、ジャイアントクロウであったの」
❀ ❀ ❀
ジャイアントクロウ
■種別:鳥型魔獣(大鴉の魔獣)
■主な出現地域:辺境の山野〜人里
■出現数と頻度:単独〜十羽前後/ふつう
■サイズ:成鳥は大型の水鳥なみ
■危険度:小(単独)
■知能:人間の子供なみ
■人間への反応:警戒 〜敵対的
■登場エピソード:
『蜘蛛の意吐』第五章・五の二十八◇ローグシー街夜戦、ウィラーイン伯爵視点
( https://ncode.syosetu.com/n4757eu/131/ )
❀ ❀ ❀
_______ええ?? (⌒ ⌒ ; P
「カラスの魔獣………本編にいた?」
K;  ̄ ▽ ̄) ノ: 出番ゼロ__
「ちらっと話題に出ただけ。
ほらほら以前、大発生して領都を襲いましたよ!あ、そうだったー、という扱い」
「だけど!!」
「大鴉が魔獣化して群れなしたのに、それ軽すぎない ⁉︎」
_________?? (ー ー ;P
「わからんけど。なにイメージしてるのさ」
K; ´ ▽ ` )ノ:°:_____
「『鳥』! ヒッチコック映画!!」
________ え ? (⌒_ ⌒ ; P
( … あれ? カラスは主役じゃないだろ)
K;  ̄ □ ̄)_____
「スピルードル王国の人たちは、魔獣災害多発地域に暮らしている。『でかい鴉の群れ』とか恐れないのはわかる」
「だから、ネタをはげしくふくらませた!」
______なにそれ (ーー;P
「作者(NOMAR様)と相談したよね?」
K;  ̄ v ̄) 望外!_____
「ショートストーリー、いただきました」
❀ ❀ ❀
■身体的特性とパワー
ジャイアントクロウは、漆黒のカラスの魔獣です。雑食で、餌が豊富にある環境では大繁殖します。
クチバシと鍵爪が武器ですが、どちらもそれほど威力はありません。風魔法の補助(弱)のある飛翔は、効果が巨大化と相殺されて、まれにみせる猛ダッシュ(直線的)が警戒されるくらいです。
さらに、これまで単眼や三本足の亜種が報告されていますが、深刻な脅威はなかったといわれています(異説あり)。
▷ ジャイアント・クロウの危険性
辺境の地の人々の認識は『めんどうくさい』です。
うるさく騒いでしつこいクセに手応えがない ── 危険な魔法や特殊能力をもたず、強健でもなく、悪賢さも経験豊富なハンターや、クセを知る地元住民なら逆手に取れるレベルです。
王種による異常発生も、むやみに攻撃的になって用心深さが減退してしまうので、普段より簡単に低空に降りてきて、むしろ撃ち墜としやすくなるといわれます。
「あー、あいつら鬱陶しかったな」
「狩っても肉は不味いし、素材としてもたいしたこと無かったし」
(『蜘蛛の意吐』・五の二十八 )
◇ルブセィラ先生の生徒注意 ‼︎
ジャイアントクロウをよく知っていて、魔獣災害を何度も経験した辺境地域の感覚ですよ?
怪我したところを襲われたり、甘くみて取り囲まれれば突き殺されますから。
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▷中央諸国のジャイアントクロウ禍
ジャイアントクロウは、大陸の中央諸国で猛威をふるうことがある数少ない魔獣の一種です。
『呪い鳥』、『死黒鳥』、『厄災の黒羽根』など。疫病や飢餓、紛争の凶兆と怖れられ、禍々しい異称が中央諸国の方々にあります。
中央諸国のジャイアントクロウ禍は、辺境にいた群れが、大嵐などで偶然、大陸中央に迷い込んで爆発的に増えて起こります。過去には五万羽(諸説あり)もの魔獣の大鴉の群れが、大国シャルセイルの首都上空を暗くした記録があります。
文明諸国の人々から、黒い不吉な外見と悪意を感じさせる鳴き声と仕草、貪欲さが怖れられていますが、大陸中央で突発する大発生は、王種のそれとは別のものです。
ジャイアントクロウは、本来いる土地では餌の不足、競合種や天敵、辺境の人間によって繁殖が抑えられています。
中央の大発生はそのタガが外れたもので、バッタの大群のように方々食い散らかしながら数を増やす一方、人間に対する直接的な攻撃性は低いので、不利になると簡単に逃げ散ってしまいます。
中央諸国の軍隊は、兵の動員数と組織力が持ち味ですが、対人・対地戦闘が主なので魔鳥の群れの討伐には不向きです。出動させた軍隊のために、被災地の食糧事情が悪化したケースさえあります。
爆発的に増えたジャイアントクロウは、中央諸国にとって手に負えない災厄で、多くの民衆は必死に祈りながら、どこかへ飛び去るか、原因不明で突然始まる群れの崩壊を待つしかありません。
一方、辺境出身者からすると、中央諸国で異常発生したジャイアントクロウは、疾病や猛毒に蝕まれているかのようです。
中央で生まれ育った第一世代は、すがたは祖先と同じでも、普通のカラスなみに弱々しいところがあります。さらに、かれらが産む卵は親世代と異なり、地面に落ちたり踏まれたりするとたやすく殻が砕けるほどもろく。孵化したてのヒナも、ジャイアントクロウでありながら、なぜかすぐに走れず自力で餌が採れません。
辺境出身者はそうした点を、いくら数が増えても弱々しく気味悪く感じます。
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□ ルブセィラ先生の授業メモ
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ジャイアントクロウの弱体化現象の原因…… これは魔力が乏しい土地に迷い込んだことが大きいでしょう。光の神々教会の関係者は、中央の祝福された土地が闇のしもべを弱らせると言っていましたが。
ジャイアントクロウの弱体化の理由はもうひとつ、おそらく『食』。
かれらは好奇心のせいか、加工されて調理された人間の食料を好みます。 中央諸国の都市部はもともと、辺境と違って保存処理や調理加工した食品が多いので 、好き放題に食い散らかせば自然物をまったく口にしなくなります。
人間の文明圏を荒らしているうちに、魔獣の力をなくすジャイアントクロウ。
どれだけ数を増やしても、その先に待っているのは個体の劣化と群れの崩壊。その土地にもとからいた普通のカラスにさえ負けてゆく、無残な『終わり』です。
これは……魔獣でさえ、うかつにふるまえば人間と同じ滅日にむかうということでしょうか。
もう少し考えたいですね。
授業で教えるのは先にしましょう。
◎「暴走読者」のタイトル回収/その2
■ (『蜘蛛の意吐』第五章・五の二十八より )
「このローグシーの街中まで魔獣が来たのは、いつ以来であったか?」
肩に剣を担いだ大工が首を捻る。
「タラテクトの大発生、じゃなかったですかい?」
「いや、そのあとに大鴉の王種発生がありましたよ」
…… 以上(笑)!
本稿は、ただの一度も登場せず、回想?さえもぞんざいな『ジャイアントクロウ』を勝手にふくらませた記事です。
[テコ入れ]の流れとして……単眼、角つき、三本足など。強化された新種や亜種を出す線はまず却下。それなら、一からオリジナルモンスターを作れば良い話だからです。
■「あー、あいつら鬱陶しかったな」
地元で馬鹿にされる大鴉のまま、派手に暴れさせられないものか?
ふと思いついたのがいわゆる「侵入害虫」「帰化動物」です。ザコモンスターが、魔獣に馴染みのない文明国に偶々飛来して、爆発的に増えたら??
侵入魔獣(侵入害鳥)のジャイアントクロウという設定が、爆発増殖しました。
◎「 SS・猛る鴉群、ローグシーに襲来!!」
SS本文は、作者のNOMAR 様からの頂きものです。
ジャイアントクロウ、ついにメインの敵役で描かれる!
しかし、空でビクっとして登場シーン?はお終い。
モンスターコレクションに取り上げられても、地元の扱いは変わらない(笑)