最初の奇跡
「当然球団職員もいるし、球団施設もある
そしてそれを管理する人間もいる」
「それになれと?」
「ふんw」
鼻で笑った
このひと本性怖い…
「勘違いしないでね、それはこの私」
「新しく球場も整備してあとは人員ってときに問題がおきたわけ
わが社はみんな頭の固いインテリばかり」
おいおい
「それが野球の仕事になんてつくはずないのよ
足りない人員を募集したけど
社内から応募者なし」
そりゃそうだろ
苦労して入ったのに自分から出世コース外れる
やつはいないだろう
「それでまあ、プロ野球OBを中心に採用して最後の一枠に
あなたが選ばれたわけ」
なんか想像の遥か彼方なような(笑)
「なるほど、では球団職員ということですか?」
「ええ、でも最後の一枠といったわよね」
「三軍の用具係、それがあなたの配属先です」
まあそりゃそうだ
人助けして大企業の出世コースなんて
あるはずないよなー
「私からは以上です、この紙に詳細がかかれています。受けるなら今月中には連絡をください」
"基本給30万"
"年間休日未定"
"就業時間未定"
なんだこのブラック企業の求人は !?
「それと会長からです」
渡された紙には
"チャンスを掴むか逃すか"
チャンス
確かにどんな形にしろ
一流企業勤務となれば安定はある
ブラック企業でこき使われることを考えれば
悪い話ではない
「私は球団社長として4月から正式に動きます
あなたはどうする?」
→うける
やめる
"うける"
「やります!お願いします」
これはきっとチャンス
この選択が俺の人生の最初の奇跡の始まりだった