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私の不思議体験備忘録  作者: 体験者
社員寮での出来事
5/7

逢魔が時

 これは社員寮にいた時に体験した一番変わった出来事でした。

 

 

 季節は秋だったと思いますが、私は休みの日に自室で昼寝をしていました。

 

 寝始めてからどのくらい時間が経ったのかはわかりませんが、突然体全体にズシリと何かが覆いかぶさってきました。

 

 目を覚ました私が身をよじって逃れようとしましたが、出来ませんでした。

 

 何故なら姿の見えない何かが私の両肩と胴や脚を抑えて動けなくしているのです。

 

 やがて耳元で唸り声のような声やハアハアと荒い呼吸も聞こえてました。

  

 その時私は覆いかぶさっているのが人間ではなく4つ足の獣だと思いました。

 

 

 この状況を逃れるために何とか隙が出来ないかと探っていたのですが、相手はなかなか退いてくれませんし、私の両肩を押さえつけてる前足?にはさらに力が込められていました。

 

 これは不味いと思いましたが、なぜか声が出せず助けを呼ぶこともできません。

 

 でもある瞬間相手の体重がすっと抜けました。

 

 肩の重さは全く取れていませんでしたが、脚を動かせるようになったので、私は思いきり右膝を立てました。

 

 すると右膝に柔らかい感触があり、同時に相手が何か吠え声の様な物を上げて私の頭を飛び越えて窓から出て行きました。

 

 私はすぐに立ち上がって窓の外を見ましたが、それらしき相手はいませんでした。

 

 普通に飛び出しても私の部屋は3階だったのでいくら獣でもただでは済まないと思うのですが、落下音は聞こえませんでした。

 

 

 よく外を見直すと夕暮れが綺麗で逢魔が時と呼ばれる時間帯でした。

 

 ひょっとすると夜中よりこの時間帯の方が怖いのかも知れないとあの時は思いました。

 

 ただ現実に近い悪夢だった可能性もあるので、冷静になってよく考えてみました。

 

 肩をずっと抑え込まれていたのだから、もし現実なら何か痕跡があるかも知れないと思い鏡を見ると、両肩にくっきりと抑え込まれた跡がついていました。

 

 あれは紛れもなく現実だったのです。

 

 

 途中で相手の体重が軽くなったのがなぜかと考えてみましたが、どうやら犬でいう所の伏せのような姿勢で私を抑え込んでいたけれど、何かの理由で立ち上がったのではと思います。

 

 その瞬間に私が立てた膝が恐らく相手の腹部に入ったので、難を逃れる事が出来たのではと今では思います。

 

 

複数の寮生が白い服を着た女の姿を見て、私が金縛りにあったり、よくわからない存在から襲撃を受けた埼玉の社員寮ですが、何年か前に久々に気になったので、Google Street Viewで調べてみた時には、もうそこは更地になっていました。


建物と一緒におかしな現象が消えたのなら良いのですが、どうなんでしょうね?


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