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第6話 悪滅 前編

今回はかなり長くなっちゃいそうなんで3本立てて書こうと思います。

「あれは…雷葉ちゃん⁉︎貴女にはまだ変身許可を出した覚えはないわよ‼︎」

「も〜そんな細かい事ばっか気にしてるとシワが増えるよ?楓お・ば・さ・ん♪」

「私はまだおばさんじゃないわよ‼︎」


第6話 悪滅 前編


[助けて頂きありがとうございます。しかし貴女はまだ正規の魔法少女では無いはずですが…]

「いいのいいの、どーせあたしにしかボルトは扱えないんだし。そうだよね?ボルト」


フレイの疑問に答えるためライジングハート…神野雷葉は胸部に付いている宝玉に問いかけた。


[確かに現状では貴様しか居ないがな…私としてはあそこで突っ立っている小娘の方が良いのだが…]

「だから小娘じゃねぇっての!」


フレイとはまた別のデバイスであるボルトに小娘呼ばわりされた輝は、小娘としか思えないような迫力のない声で否定するのであった。


「と言うかさっさと俺にフレイを渡してくれ‼︎早く変身してあの腐れデバイスを粉々にぶっ壊してやりてぇんだよ‼︎」

「まぁ汚い言葉使い…まぁいいや。さ、受け取って新人さん‼︎」

〔そう簡単に渡させる訳がないでしょう?〕


雷葉は、輝に向かってフレイを投げた。しかし、そんな事はさせまいとシャドウハートは魔力弾を放とうとしたのだが…突如胸を押さえて苦しみ出したのであった。


〔グゥッ⁉︎あんた…私に抵抗するつもり⁉︎〕

「…これ以上、私の身体を好き勝手させるもんですかぁぁぁぁ‼︎私がこいつを押さえている内に…早く変身して下さい‼︎」


シャドウハートが苦しみ出したのは、美月の決死の抵抗の影響であった。


「あぁ‼︎お前の根性は絶対無駄にはしねぇ‼︎」


美月の根性を目にして魂に火がついた輝は跳躍してフレイを掴み取り全力で叫ぶのであった。


「行くぜフレイ‼︎変…身‼︎」


眩い光に包まれた輝は、一瞬の内にバーニングハートへの変身を完了させた。


「魔法少女バーニングハート!只今見参‼︎」


決めポーズを取り名乗りを上げたその姿は前回の変身時とは異なる姿をしていた。前の変身の時は如何にも魔法少女と言う感じの可愛らしい服装であったのだが、今回はロングコートに身を包み、拳には真っ赤なナックルガードをつけた戦闘服の側面が強い格好になっていた。


「これは…なんか前と服装が変わったんだけど、どうなってんだコレ?」

[マスターの戦闘スタイルや性格を考慮して新しい姿を再構築してみました。名付けてmode−B…バーニングモードです。気に入って頂けたでしょうか?]

「いや普通にバーニングモードだけでいいだろ…だがこの格好は悪くねぇな。あんがとなフレイ」

「へ〜格好良いじゃん。ねぇあたしにもなんかモードつけてよボルト」

[必要性を感じないな…おい、バーニングハート!私達は魔獣の方を何とかしてくる‼︎だから貴様はシャドウハートを倒し美月を助けろ‼︎]

「ちょっ、待ちなさい!勝手な事ばかり言わないで!まだ充分な訓練もしてないのにそんな危ない事させられる訳がないでしょう⁉︎」

「だ〜いじょうぶだって。確かに実戦的な訓練はまだまだこれからだけど、あたしとボルトならあんな魔獣す〜ぐやっつけちゃうから。それに訓練をしてないのはそこの新人さんも同じ事でしょ?」

「彼は特殊なのよ!雷葉ちゃんとは」

「あーもう、面倒くせえな‼︎大丈夫っつってんだから、行かせてやりゃ良いだろ!そんだけ自信満々に言ってんだ、ちったぁ信じてやれよ。それともあいつが行かなくても良い様な策があんのか?あんなら言ってみろ‼︎」

「そ…それは…」

「あ、あのぅそろそろ限界なんで早く何とかして貰っても良いでしょうか?」


すっかり忘れ去られた美月が長々とやり取りしてるばかりで行動に移さない奴等に弱々しく突っ込んだ。


「わ、悪い!とにかくあいつは俺が何とかするから、ライジングハートは魔獣を頼む‼︎南条さんもいつまで頭の固い事ばっか言ってんだ!そんなに信じられない奴なのか?あいつは⁉︎俺にはそうは見えねぇけどな‼︎」

「輝くん…」

「楓さん。いつもふざけてばっかのあたしだけどさ…この力で誰かを守りたいって想いだけは本物だよ。説教だったら後でいくらでも聞くからさ…だから今だけは何も言わずに行かせてくれないかな?」

(本当はわかっていたのにね…この子に行ってもらうしかないって。信じられない訳じゃ無く、恐かったのよね…この子が怪我をしたり、死んでしまうかもしれない事が。でもこんな真剣な目で見られたら…)

「一つだけ条件があるわ…必ず生きて帰ってくる事。雷葉ちゃんには言いたい事、話したい事がまだまだ沢山あるの。だから…」

「わかってるって。絶対帰ってくる。だから信じてあたしの…ライジングハートの力を」


そう言って転送ゲートに乗り込み、雷葉は初めての魔獣退治に出撃していった。


〔良い加減にしろこの小娘が!ハァやっと抑え込めたわ…全く面倒な奴に取り付いてしまった様ね…待たせたわねバーニングハート。変身出来た所で、あんたは所詮魔力が高いだけの素人…経験を積まれる前に此処で死んでもらうわよ〕

「素人ねぇ…本当に唯の素人か、試してみっか?」


変身した事により、輝はシャドウハートの発言に対し不敵に笑いながら返せるくらい心に余裕が出来ていた。対してシャドウハートはそんな輝の態度に苛立ちを隠せず…


〔生意気な小娘がぁぁぁ‼︎死ねぇ‼︎〕


と、如何にもな悪役が言いそうな言葉と共に高出力の魔力弾を輝に放った。

ドゴンッと轟音を立て魔力弾は輝に直撃して白い煙を上げていた。


〔ハハハッ‼︎生意気なのよこの私に刃向かうなんて!これだけの威力の魔力弾が直撃したんだ。いくら魔力が高いっていっても無事では済まない……⁉︎〕


自らの魔力弾の直撃によって勝利したと思い込み高笑いをあげるシャドウハートだったが、煙が晴れた事で見えてきたのは赤色の魔法陣と、その後ろで手をかざしている輝の姿であった。


〔な…なんだその魔法陣は…〕

[戦力差の分析完了。此方が圧倒的に有利です]

「ふーん、まぁ元々あんま強そうにみえなかったしな…さぁてと、悪党さん?滅びの時間だぜ?」


そう言って輝は構えを取り、シャドウハートを鋭く睨みつけた。


中編に続く



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