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子分気質の魔法創造者  作者: よーも
第1章 ユニークスキルで冒険開始!編
7/10

第七話 新たな歯車の追加

 テイジとアベルハルは関所前まで来ていた


「いよいよ獣人族アニマライズ領ッスね」


「ああ、道中のモンスターの大群の事は忘れて心機一転、新天地へ行くぞ」


 そう、実はアベルハルが仲間になった後、50は居ようかというようなアサシンビートルに襲われていたのだ


 アサシンビートルはその名に恥じぬ隠密性を持っており、普通のカブトムシと同じ大きさで角だけが大きく、音もなく飛びながら敵を突き殺すという恐ろしいモンスターである


 テイジたちが関所を通ろうとすると、門番に呼び止められた


「ああ、待ちたまえ君たち。今は通行禁止だよ」


「どうしてでヤンス?」


「王国から御触れが回って来たんだ。何でも近々近隣国に攻めるから誰も通すな、とね」


「戦争か、穏やかじゃないな」


「どうにか通して貰えないッスか?」


 門番は少し悩んだ様子で


「通しても良いけど、死んでも自己責任だよ?」


「構わないッス。冒険者なら当たり前でヤンスし」


 門番は呆れた様子で首を軽く振ると横を向いてしまった


「な、何してるでヤンス?」


「・・・フ、いい男だなアンタ」


 アベルハルはそう言いながら関所を抜けようとしていた


「早くこいよテイジ」


「で、でも」


「その兄ちゃんは、見ていない内に越えろと言っているんだ。見ていない者に注意は出来ないからな」


 なるほど、そういうことであれば遠慮せずに通らせてもらおう


「ありがとうでヤンス」


 通り際にそう言うと、門番は少し照れくさそうに笑った




 時を同じくして・・・


 茶髪のショートカットの女の子が手を振りながらこっちに走って来ていた


「あーおーいー!」


「・・・あ、かなちゃん、廊下は走ったら危ないよ」


「お、心配してくれるの?やっぱり葵は優しいねー!」


「アハハ・・・」


 私は力なく笑っていた・・・彼が消えてしまったあの日から私の中の大事な何かがなくなってしまったかのように、何をするにもやる気が出ないのだ


「・・・アイツが消えて良かったじゃないか。鬱陶うっとうしがっていたじゃない」


 そう、私はおやびんとか呼ばれたくなかったし、彼の前であの性格を演じるのも少し鬱陶うっとうしかった。でも優しかった、離れたくなかった


「かなちゃん?いくら何でも言い過ぎだよ」


「・・・ごめん」


 何処に行ったの?禎司ていじ君・・・


 回りにいた人の話ではトラックが突っ込んできて、逃げた様子もなかったのに、血も死体も見つからなかったらしい


「生きているならもどって来てよ・・・」


「・・・い、・・・おい!・・・葵!」


 ふと我に変えると友達が何故か叫んでいた


「早くこっちに来い!」


「もー、どうしたの?かなちゃん」


 かなちゃんと呼ばれた女の子は慌てているようだった


「足元みろ!足元!」


「えっ?」


 言われた通り見てみると足元から謎の光と魔方陣が出ていた


「な、何これ!」


 急いで魔方陣から出ようとするが、光の壁に阻まれ出ることが出来なかった


「いや!助けて!誰か助けてよ!」


 しかし、その叫びとは裏腹に魔方陣にどんどん沈んで行った


「助けて、禎・・・司・・・くん」


 そして魔方陣に完全に引き込まれてしまった



 気がつくと葵は石造りの部屋に居た


「ようこそ・・・異世界の勇者よ。私の名はノーランド・クレイマール。クレイマール国第37代目国王である。」




「ここが獣人族アニマライズ領・・・何て言うか人間族ヒューマイズ領とあんまり景色が変わらないでヤンス」


「まあな、獣人族アニマライズは基本は人間とあんまり変わらないからな。生活風景も変わらんし、違うとすれば身体能力と見た目位だろう」


なるほど、自分は思っていた以上に異世界に幻想を抱いていたのかも知れない


「そういえばハルさんは王国が何処にあるか知ってるでヤンス?」


「大まかな位置ならな。何せ地図でしか見たことが無いからな」


 アベルハルの記憶を頼りに首都、レクアール王国へと歩き出した



「あれは・・・人間?」


 ピョコン、と茂みから兎・・・いや、ウサミミを付けた女の子が覗いていた


「何をしに来たのかしら・・・はっ、まさか戦争のために破壊工作をしに来たのでは!こうしちゃいられないわ!」


 そういうなり、茂みから茂みへとこそこそ移動しながらテイジたちを付けて行った



「王国まで何kmくらいあるでヤンス?」


「今のペースだと大体10日って所だな」


 山を降りながら他愛ない会話をしていたテイジたちだが、テイジはステータスがどうなっているのか気になっていた


(オイラだけじゃなくてハルさんのも知っておきたいでヤンスし、もしも怪しい人なら逃げたいでヤンス)


 しかしどうしてステータスを見たものか?


 ギルドクリスタルを使う訳にもいかないし、直接聞くのもあれだしなぁ、とテイジは考えていた


 「・・・あっ」


 不意に思い出した。自分のユニークスキルを何故忘れていたのだろうか


「ん、どうした?」


 アベルハルが不思議そうにこちらを見ていた


「あぁいや、何でも無いでヤンス」


「そうか?何かあったらいつでも言えよ」


 なんとか誤魔化したので、早速作ってしまおう。


 しかしこのスキルはどうやら細かく設定を作れば作るほど微妙に消費レベルが少なくなるようだ。重力操作グラビテーション異空間生成ディメンジョンワークにレベルの違いが出たのはおおざっぱに作ったのと、僅かながら設定を作った違いのようだ


(さて、魔法名は・・・『情報開眼ステータス・ライブラリ』でいいでヤンスかね)


 そんな感じで魔法を造り始める。効果は任意で解除、但し時間が経つと一定時間ごとにMP消費、目に見える者のステータス、自分自身のステータスを見ることが出来る、魔法の発動には発音を必要としない、などと考え完成した


(さて、んじゃやってみるッス。『情報開眼ステータス・ライブラリ』!)


 少しの疲労感の後に目の前に自分のステータスが浮かび上がった。初めてしっかりとした魔法を作った気がしてとても嬉しかった


(成功でヤンス!えっと、なになに)



 NAME  テイジ・イナツキ


 SEX  MALE


 AGE  17


 LEVEL  14  NEXT  17450/28340


 HP  210/320


 MP  2000/2400


 HEAD  ---


 BODY  ボロボロの襟詰め学生服


 LITE  ベアラビットの皮のグローブ・スチールブレード


 REFT  ベアラビットの皮のグローブ


 LEG  ボロボロの学生ズボン


 FEET  ボロボロの運動靴


 ACCESSORY  ---


 SKILL・MAGIC  『創造魔法クリエイト・マジックLV.2』『自己流武術LV.3』『重力操作グラビテーションLV.2』『異空間生成ディメンジョン・ワーク』『加速魔法アクセラレイテッドLV3』『情報開眼ステータス・ライブラリ


 TITLE  子分気質・異世界の勇者(仮)・駆け出し冒険者・見習い創造主クリエイター・コボルトハンター・速き者・ホモに好かれた男




 やっぱりMPがとんでもないことになっているではないか。称号も増えているが、嫌な称号もある


(称号は一旦置いておいて、なんでMPばかりこんなに高いんでヤンスか?)


 怪しいのは称号なので色々調べてみた。すると原因と思わしき称号があった


(えっと・・・うん、多分これでヤンス)


 それは『見習い創造主クリエイター』だった


 この称号はMPを12倍にするらしい。正直そんなにいらないのであるが・・・


(まあ、多いに越した事はないでヤンスからねぇ)


 次は本命、アベルハルだった



 NAME  アベルハル・ミスタルド


 SEX  MALE


 AGE  25


 LEVEL  36  NEXT  28540/57250


 HP  1260/1420


 MP  260/260


 HEAD  ハチマキ


 BODY  白い武道着


 LITE  包帯の自作グローブ


 REFT  包帯の自作グローブ


 LEG  黒い武道着


 FEET  疾風はやての靴


 ACCESSORY  力の護符ごふ


 SKILL・MAGIC  『キナスレス流武術LV.6』『衝撃拳しょうげきけんLV.4』『衝撃掌しょうげきしょうLV.4』『内爆掌ないばくしょうLV.3』『空気拳エア・パンチLV.2』


 TITLE  武の道を歩みし者・鬼神きしん・ホモハーレム・強き武人・王宮戦士・大会優勝者



 いたって普通のステータスだった。拍子抜けである


(しかし・・・なんでヤンスかね?鬼神きしんって・・・)


 不安を抱えたままテイジはレクアール王国を目指し、フタガ山林へ入っていった

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