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二人で一つの救星主  作者: 霞梳卯狩
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噂の少女たち

獣狩りの獣が出現したので倒したという報告をして狩人ギルドを後にしようとした二人に声が掛けられた


「おい糞ガキ!血生臭ぇかっこでうろついてんなよ!」


声のした方を見るとプロレスラーのなりそこないのような男たちが酒を飲みながらこちらを見ておりその中の一人がこちらの前に出てきた


「どうもすみませんね、さっさと帰るんでどいてもらえます?」

「そういうわけにはいかねぇな、そんなかっこでうろつかれちゃ俺たち冒険者と狩人の品性を疑われちまうんでな」


男のあまりの勢いにフィリナリスは委縮してしまいマオンの腕を掴む

「おいおい!この程度でビビっちまってんのによく狩人なんてなろうと」

それを見て調子に乗ったのかさらに畳み掛けてくる男に面倒くささと苛立ちを感じたのかマオンの姿が一瞬ブレる


「あ~もう邪魔・・・」


そう呟いた時には男はトラックにでも轢かれたかのように真横に吹っ飛びこちらの様子を見ていた男たちの中に突っ込んでいた

突然の出来事に男たちは反応できず、飛んできた男に巻き込まれた

巻き込まれなかった者はこちらを見て信じられないものでも見るような顔をしている


「こちらが下手に出てやれば調子づくし、これだから半端者は見るに堪えないんだよ、いい?私たちの邪魔をすんな」


その少女とは思えない程、ドスの効いた声と顔で脅され男たちは慌てて謝罪の言葉を並べていく


「わ、悪かった!俺たちが悪かった!謝る!だから命だけは!」


その言葉を聞くとマオンはすっと表情を戻して


「次はないからね、さて、フィリナリス、行くよ」


と言って屋敷への道を歩いていった


その後、街では二人組の少女は獣狩りの獣を初陣で狩り絡んできた荒くれ者を再起不能にした狂戦士という噂が流れるようになった


「っていう噂が流れてるんだけど?」


かくいう私たちは今、ガストさんの前で二人揃って座っている


「いや、あのですね、自分達でもちょっとやりすぎたかなって~ね?」

「わ、私のは正当な防衛ですし」

「フィナのはちょっと人格変わってるレベルだけど…」

「そんなことないもん」

「わかったわかった、別に君たちを責めるわけじゃないんだ、獣狩りの獣は狩人狩りとしても有名で発見者が無事でしかも発見者が狩猟済みなのは大変ありがたい、それに冒険者や狩人間の諍いは少なくないし軽い怪我人が出た程度なら本人同士で話が済めばそれで終わりなんだ」


それを聞いた二人は顔を見合わせる

「ならなんでよばれたんでせうか」

「旅の準備はまだ途中ですし」

「うん、旅に必要な道具も注文は済ませてもらったから明日以降にしかそろわないと思う、私が話したいのは君たちのステータスと実力、それに魔法と魔術についてなんだ」

「魔法と魔術ですか?」

「ステータスとか実力も、ね」


二人のステータスは高低差があるが高水準でただ鍛えただけではありえないランクで保護者変わりであるガストにギルドから報告が来ていたのだ


「君たちについては公にはしていないがギルドには一応手回しはしてあるんだ、そんあところから『あなたのところにいる姉妹が並みの英雄以上のステータスを叩き出したんですがなにか御存じありませんか』なんてきたら聞きたくもなるさ、さて、それじゃあ君たちの強さについて言えることだけでいい、教えてくれないか?、君たちのことは信用しているが君たちの口から信じられる言葉がほしい」


その言葉に二人は悩むような困ったような表情をした


「あんまり人に説明するのは得意ではないのでわからなかったら聞き直してください」

「マオ?」

「たぶん話しても大丈夫」

「うん」

「私たちのステータスは見ましたか?」

「あぁ、マオ君は技量と魔力がEXでフィリナリス君は魔力がEX、勇者並みのランクだ」

「えぇ、私たちは元から魔力が高かったようなんです」

「ほぉ」

「ですが魔法や魔術は勉強する方法とかよくわからなかったので使えませんでした、昔はなんか身体を巡るパワーが多い程度だったんですよ、でもそれが影響してか物を持ち上げたり何かをする際に段々と急に自分が強くなって細かいことができるようになったんです、私はそれを使われてない魔力がほかのステータスの底上げをしているんだと思ってます」

「ふむ、確かに魔法や魔術はそれこそ魔法使いや魔術師に教示してもらうか学院にでも入らないと使えるようになるのは難しいし一つ高いステータスがあるとそれに付随してほかも高くなりやすいというのは聞いたことがある、だとすれば君たちの強さについても筋が通る」

「こんな感じでいいすか?」

「うん、君たちが実は魔族だったとか人間に化けたモンスターなんてことがないことがわかったよ」

「話を聞いただけでわかるんですか?」

「そうだね、おい」


ガストさんが天井に向かって声を掛けると天井が開き黒ずくめが一人下りてくる

「彼は生まれ持ってのスキルがあるんだ、それで君たちの言葉が嘘じゃないと彼は言っている、だからだよ」

「それを私たちに言ってもよかったんですか?」

「ここは一応私の屋敷で彼らは私のというか騎士団の諜報部隊でそれなりに腕が立つからね、君たちがなにかしたらそれ相応の対応にはなるけど、君たちはそんな子たちじゃないだろ?」

「は、はい」

「それじゃ、今日は疲れただろう、もうおやすみ」

「おやすみなさい」

「おやすみなさい」


ほっと安心したような様子で部屋を出ていく二人を見送るとガストが一人こぼす

「あれだけの実力なら確保しとくべきだったな」


部屋に戻った二人はベッドに横になり向き合っていた

「うん、もういいよ、部屋の外に音は出ないから」

「ふぅ、さっきのは本当のこと話しちゃうのかと思ったよ」

「さすがにそんなことはしないよ、でもステータスの底上げはあると思うよ、私たちの腕や足腰じゃあんな動きは絶対にできないから、スキルの補助があったからっていうのにしても意識はしてなかったし、魔力が多いのはそれだけ最初にエネルギーを注いでもらったからだろうし」

「それで明日には旅の道具揃うみたいだけどどうする?」

「そやねぇ、明日すぐ出るのはせっかち過ぎるし揃った道具の確認と挨拶回りしてからだから明後日に出発かな」

「わかった」

「そんじゃ、おやすみ」









ちょっと迷走し始めました

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