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夏の大三角  作者: とも
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過去の思い出

 書き終えた入部届を柊先輩に渡して僕は天文部の部室を後にした。

 先輩はありがとうと言って僕にそっと微笑んでくれた。

 校舎を出ると外はもう赤い夕焼けの色に染まっていた。

 まだ校庭では部活動に励む人たちの声が聞こえている。

 今までなんとなく見ていた日常が変わったようだった。

 部活に入ったこともそうだが今日はいろいろと普段起こらないことが多すぎた。下駄箱に入っていた手紙。部活に入部したこと。そして、柊紅葉という先輩に出会ったこと。今日はきっと僕の人生の転換期になるだろう。明日からはきっと今日までの僕の日常とは違う日々を過ごすことになるのだと、そう感じた。

 家に帰り布団の中で今日会った出来事を思い返す。

 いろいろなことがあった気がする。

 でも、時間にしたらきっと一時間も経っていないだろう。

 僕は眠りに落ちる直前。去年の夏の日のことを思い出していた。

 キャンプ場で。夜、テントを抜け出して星を眺めた。

 吸い込まれるような星空を眺めて僕は息をのみまるでこのままと気が止まってしまうんじゃないかと思うほど、言葉では言い表せないような胸に満ちるものを感じた。その時僕の隣には誰かいた気がする。

 家族でも、兄弟でもない。あの子はいったい誰だっけ?

 僕は思い出せないままやってきた睡魔に抵抗することなく眠りに落ちた。

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