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辻地蔵

作者: 銀神月美

辻の地蔵のこと         銀神月美


 家居の近き所に程無き辻ありて、角に怪しき地蔵あり。その地蔵、首が無ければ、如何なる故あらんと思ひて、辻へ赴きたり。地蔵を守りて、実にけしかるものなりと覚えたりしかば、道行き人ありて、その者「ここが地蔵、丑の刻に呻き給ひ候う」と言い掛けたり。由を知りたる者と思ひ、地蔵の故由を聞きしかば、昔この辻にて辻斬りありけり。数多の人斬られたりければ、地蔵を納め弔ひけり。ある人、「納め給ひける後より、丑の刻に地蔵から恐ろしげなる声聞こゆめり」など言ひて、立ち離れたり。そを聞きて、あなむつかしかなと覚へつれど、今宵その声を聞きたしと思ひき。

 丑の刻になりて地蔵を窺ひたるに、何と無き有様なりき。怪しがりて寄りて見るに、ゆくりなくおどろおどろしげなる音ぞ聞こえたりし。恐ろしく思ひ疾く家に帰りき。

 後に地蔵の故を改むるに、辻斬りの実ぞなかりたりし。

 かの時の声は何ぞ。

結局、由縁は分からないのですよね。私も知りません。

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