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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
ハルモネイア → 感情の芽生え?
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自宅ハーレム・天国編

 食事は肉じゃがだった。

 アツアツご飯に予想以上に上手く出来た肉じゃが。

 これを変身を解いた王利と真由、そしてヘスティだけが食べる。

 ほたるんとハルモネイアは座ったまま見ているだけだ。


 当然と言えば当然だ。彼女たちは二人とも機械族。

 身体が機械で出来ているため食物の摂取は不要なのである。

 ほたるんのエネルギー源は髪からソーラーパワー、体内では摩擦で起きる静電気を溜めた電気エネルギーを予備エネルギーとして持っているらしい。

 ドクターが戻ってきたら食物を食べるプラズマエネルギーを取りつけるんだとか死亡フラグを立てていたらしいが、どうでもいいので王利たちはスル―することにした。


 ハルモネイアは独自のエネルギーを持っているらしく、半永久的に稼働できるそうだ。

 王利が凄いと褒めると、ハルモネイアはなぜ褒められるのか分からず首を傾げていた。

 そして、食事は珍しく姦しく終わった。


 とくに真由がいることで話題性に事欠くことはなく。次から次に話しが紡ぎだされていく。

 あっちへ跳んでこっちへ向いさらに戻ってくる会話の脈絡のなさに、男性である王利だけが付いて行けていなかった。


 話しを理解して会話に入ろうとした時には既に別の話に入っており、そちらの話になれる頃には別の話になっているというハイスピードな会話の応酬に、割って入ることができなかったのである。

 なので、ただ一人、居心地悪そうに相槌を打つしかなくなっていた。

 救いだったのは料理がおいしかったこと。

 食事に集中している間は会話の必要もなかったので王利は殆ど食べながら話しを聞くに留めることになっていた。


 食事を終えると、ほたるんが風呂を沸かしに向う。

 ハルモネイアはソレが理解できずに真由に聞いていた。

 どうやら真由がいろいろと教えてくれるので王利に聞くよりも効率がいいと気付いたようだ。


 それに気付いた王利はさらなる疎外感に身が縮こまる思いだった。

 しかし、そんな王利の心情に気付くモノは皆無。

 ヘスティは食事を終えると満腹ですとそのまま突っ伏し寝息を立て始めているので王利のフォローなどしてくれるはずもない。


「あ、王利さん。一番風呂行って下さい」


「ん? いいのか?」


「当然でしょう? まさか女性陣が入った後の残り湯に入って天国じゃウヘヘ。とか言うつもりですか? そんな変態に育てた覚えは無いですよ」


「俺も真由に育てられた覚えはないけど?」


 しかし、先に入れと言うのならば断る理由など王利にはなかった。

 ついでに変態のレッテルを張られる気も無いので先に入る事にする。

 丁度その頃ほたるんが帰って来たので、入れ違うように王利は風呂へと向うのだった。


 王利の家にある風呂場は、人一人が入れる程度の小さな湯船、そして身体を洗うためのタイル張りの床にはすのこ状の硬いバスマットが敷かれている。

 水はけがいいので王利はこれを好んで使っているのだ。

 父親は風呂に入らずシャワーで簡単に済ますので風呂場の状況などいちいち見ちゃいない。


 王利だけが使うと言っても過言ではないので彼好みの風呂場へと変貌しているのだ。

 湯船は人一人が座った状態で足を伸ばせる広さ、身体を洗うためのバスマットもだいたい湯船と同じ大きさだ。

 その床の壁に、掃除道具や身体を洗うためのタオルなどが設置されている。


 王利は掛け湯を済ませ風呂へと浸かる。

 程良く熱された温水に癒されていると、浴室の入り口が音を立てて開かれた。

 そして、湯気に紛れて誰かが入ってくる。

 王利は思考が追い付かず、やってくる人物を思わず大口開けて見入てしまっていた。


 そいつはメタリックホワイトなボディを惜しげも無く晒し、タオル一枚手に持って浴室へと入ってくると、王利の傍までやって来て深々と頭を下げる。


「背中、流る」


 まさかのハルモネイアだった。


「ちょ、ちょちょちょ、チョイ待ち、なぜハルモネイアがここに!?」


「真由に教わった。王利を好きになれば感情はおのずと目覚めると。よくわからないけど、一緒に風呂に入って背中を流せば感情の目覚めも速くなるらしい」


 実に現実主義な回答だった。

 二の句の告げられなくなった王利は仕方なく背中を流して貰うことにする。

 それを行えば満足して止めるだろうと思う王利だったが、ハルモネイアの行動は予想の斜め上へと昇り始めた。


 浴槽を出てすのこ状のバスマットに座った王利はハルモネイアに背中を向ける。

 どうせすぐに終わると思った王利だったが、その背中に何かの小さな膨らみが触れた。

 タオルで擦るとばかり思っていた王利は完全に予想を上回られ微動だに出来なくなってしまった。


 そんな王利にハルモネイアが抱きつくようにして自らの身体を動かし始める。

 王利は完全にパニックだ。

 ただ、自らの背中が伝えるとてつもなく冷えた鉄の塊の感触に、どう反応していいのか分からないと言った感じの王利。

 そして、常識外れの地獄が齎されようとしていた。


女の子? と一緒に風呂な天国、の後は……


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