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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
ロボ → 美少女?
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潜入作戦

 ほたるん、バグリベルレ、ヘスティと共に、王利は飼育場へと潜入した。

 既にほたるんを除く全員が変身を終えている。

 王利はほたるんに抱えられながらの潜入で、バグパピヨンが物凄い剣幕でほたるんに不満をぶつけていたが、ほたるんは全く聞く耳を持たなかった。

 なので王利だけが青い顔で潜入する事になっていたりする。

 次にバグパピヨンと顔を合わすのが怖い王利だった。


 屋上へと辿り着いた彼らは、カメラの届いていない最上階中央の窓を音が出ないように壊し、そこから侵入する。

 が、入った瞬間、アラーム音が鳴り響いた。


「あらら、速攻バレちゃいましたか?」


「おそらく窓を割ったせいでしょう。振動感知式の防犯システムがあったようです」


「じゃあ陽動意味無いよな……」


「どうしマス?」


 王利たちは少し悩んだが、すぐにそのまま行動を開始することにした。


「まぁ、何時も真正面から乗り込んでたわけですし、このアラームで下の方も突入するんじゃないですかね。というわけで、行きますか」


「では、皆様私の後ろに。索敵を行いながら進みます」


「あ、それでしたらエコーを使ってこちらでも行いマスよ」


 ほたるんとヘスティ―が索敵を行うらしい。

 そうなると、バグリベルレと王利には活躍の場など与えられなかった。


「あ、コレデスカ? かなりの人型が生活してマスね」


「肯定です。彼らを助けるにはその位置まで行かねばなりません。何階でしょうか?」


「各階に分かれてかなりの数がいらっしゃいマス。全員を助けるのは大変そうデス」


 一階一階確認しながら順次開放する。それが一番早そうだった。

 その施設は30階からなるビルのような場所で、一階一階が狭い。

 部屋数は各階七つくらいで、その一部屋がかなり大きい。

 この最上階である30階には、監視施設だろうか? モニター室が存在し、他には施設長室、副施設長室。シャワー室。書斎……のようなもの。会議室。あとはおそらく倉庫。


 どうやらこの施設自体は元々人間が建てたモノを再利用しているらしい。

 ロボットには必要のないトイレが男女別で存在しているのが証拠だ。

 女子トイレを見つけて思わず覗きこんだ王利がバグリベルレに変態さん発見です。と言われていたが、それ以外30階には問題はなさそうだった。


「ふーむ。一つ一つの部屋が大きい分廊下が狭っ苦しいですね」


「しかも逃げ場もないデス。ロボット、来マス!」


 ヘスティの言葉に遅れる事数秒、階段側から姿を現す無骨な形容のロボが数体。

 面長のヘッドには望遠レンズが嵌めこまれ、アーム部分には銃のようなものが存在している。

 基本、十体ほどのロボは皆キャタピラ式の防衛用ロボだった。

 彼らは首をくるくる回して周囲を調べつつ、王利たちに真っ直ぐ向って行く。


「来ましたね……さぁ、盾役カモンですよ王利さん! W・B、君に決めた!」


「おいっ。いきなり俺を盾にするな。隠れるな。それでも正義の味方か!」


「そう言わないでください。あのアームの形状からしてなんかヤバそうですし、とりあえず王利さんバリアーで身を守った方がよさそうなんです」


 バグリベルレばかりかヘスティまでが王利の後ろに陣取る中、ほたるん一人が疾走する。

 ほたるんがロボたちに接近する直前、ロボたちがアームを王利たちに向け、一斉に発射した。

 ビシュッと発砲音すらしない何かが高速で王利に直撃する。ちなみに、ビシュッと音が鳴ったのは王利の頭に直撃した音だ。


「いたっ。ちょ、痛い痛い。何か無駄に痛いっ。何コレ、俺のボディに痛みが走るとかどんな銃だよ!」


 王利は自分の身体に打ち込まれて跳ねかえる弾丸の一つを摘まみ取る。

 その弾丸を見て、思わずうなった。


「マジかよ。これ、ナット?」


「な……なんです? ナット?」


「器材の部品に使われる小さなネジみたいなもんだよ。ちょっと形状は違うけど」


 説明する間にも王利の身体には高速で飛来する無数のナット。時折ボルトも混じっている。

 一つ一つが結構痛いので、できれば全て避けたい王利だったが、自分の身体で痛みを感じているのだ、これがバグリベルレやヘスティに当ればどうなるか、想像に難くなかった。


 ほたるんがナット弾飛び交う中ついに接敵。まずは手身近にいた一体に蹴りを叩き込み、横のロボ諸共破壊する。

 同じロボなのに容赦は無かった。


 さらに王利に向けて発砲中のアームを掴み、ハンマーの要領で他のロボへと振り下ろす。

 双方破壊されるが、掴まれたロボはさらに振りまわされ、ナットを振り撒きながら別のロボを破壊する道具に使われていた。

 一分と経たずにその場に居た全てのロボを破壊する。


「あいつ、結構強いな……」


「王利さん、ずっと突っ立てるだけでしたもんね」


「お前らのせいだろ、どう見ても……」


 攻撃が止まったのを確認し、王利の後ろから飛び出るバグリベルレ。

 余りの調子の良さに愚痴りたくなった王利だが、言葉を途中で飲み込んだ。

 どうせ言ってもスル―されて終わりだ。ならば、建設的にもスル―した方がいい。

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