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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
正義 → 激闘
314/314

そして勇者は世界から去る

 真上から黒い蝶が舞い降りる。

 ノーネイムの怪人たちを殴り飛ばし蹴りつけるバグソルジャーの中心に降り立つと、彼女の周囲に黒い粉が舞いあがった。


 風が不自然に吹き起こり、戦闘員たちへと鱗粉を届けて行く。

 次の瞬間、ノーネイムの怪人が、戦闘員が、敵と思われる全ての怪人が等しく痙攣するように崩れ去る。

 あまりにも圧倒的な攻撃。

 触れることすらなくただ鱗粉を吸わせるだけで命を奪く黒死の蝶。バグパピヨンは最後にダンゴロワムワを殺そうとして、あれ? っと小首を傾げる。


「ねぇ、もしかしてだけどあなた怪人でも敵じゃなかったり?」


「ラナリア側だ。何故わかった?」


「だって、容姿が王利君みたいだし。感じが似てるかなって。まぁ王利君の方が全然格好良いけど」


 と、言いつつ王利を見付けて大きく手を振るバグパピヨン。

 王利は突然の出来事に呆然としながらも、彼女に手を振り返した。


「バグソルジャーも来たのか?」


「ラナリアから密告があったからな。不本意だがヒストブルグを潰させる訳にはいかん」


 バグカブトが王利に寄って来て憮然と呟く。

 バグリベルレがその背後で走り寄ってきた戦闘員を蹴りあげ、それをバグワスプが顔面掴んで思い切り投げ落す。

 バグアントはバグパピヨンの傍で彼女を守りつつ怪人達と激闘を始めていた。

 直ぐにダンゴロワムワも加わっての近接戦闘。

 遅れてなるかと蘭爛たちも即座に攻撃に加わった。


 乱戦になってしまった。

 王利は困った顔で真横に座ったままの男を見る。

 茶髪にロン毛の優男。M男とかいう生物だったか。あの髪型がMの形になってる男である。

 彼は既に全身震わせ、なぜ自分がこんな所に居るんだろう? みたいな顔をしている。

 戦力にはなりそうにないし、自力で逃げてくれそうにも無い。正直お荷物以外の何者でもないらしい。


「ふむ。なかなか面白い状況になっているなW・B」


 どうしたものかと迷っていると、上空から現れる一団。

 首領とエルティア、ほたるん、ハルモネイア、そしてナールがいる。医療用ロボのナールまで戦場に来ていたのかと王利は驚くが、そんな驚きどうでもいい。とばかりに首領は王利のもとへとやって来ると、ニヤリと悪魔的な笑みを浮かべた。


「そろそろ飽きた。異世界旅行に行くぞW・B」


「……はぁ!? こ、ここで? 今言う事じゃないですよね!?」


「この世界はレウコの奴に任せることになった。我等はエルティアの世界を拠点にして別世界を順々旅していくとしようではないか。ほれ、さっさと行くぞ、バグパピヨン、バグリベルレ。後来たい者はさっさとW・Bに触れよ」


 いきなり来て勝手に告げると、王利の黒く太い腕に絡まる。

 慌てたようにバグパピヨンが走り寄って来て、腕を取ろうとするが、空いた左腕はエルティアが奪い取っていた。

 絡みついたエルティアが悪戯っ子のようにくすっと笑った後、挑発するようにバグパピヨンにあっかんべーをした。


 よくわからないがカチンと来たらしいバグパピヨンが何してんのっ!? と飛びかかる。

 遊んでる場合かっ!? と叫ぶバグアントとバグカブトだが、周囲の敵はかなり多い。それだけじゃない。大空を埋め尽くすほどの大量の何かが近づいていた。

 人型のように見えるその怪人部隊に、王利たちは戦慄する。

 

「そうら来なすったぞ……悪魔どもが」


「はぁ? あく……?」


「なぁに言葉のあやだ。ほれ、この近辺は片付いただろう。さっさと集まれバグソルジャー」


「珍しいなレウコクロリディウム。その二人はともかく俺達も連れて行くのか?」


「問題は無い。折角五人になったのに再び人数が少なくなるのもダメだろう? 一応お前達のメンテナンス担当が欲しいしな。花菱鹿波……を連れて来ることにした。ナール」


 そういうと、ナールが何かを取りだす。アタッシュケース?


「そろそろ空気が無くなるだろうし、さっさと開くか」


 そしてアタッシュケースから身体を折り曲げられた花菱鹿波が現れる。

 用意がいいですね首領。正義の味方側のドクター拉致るとか。


「ここから先のこの戦場はもう我等の関知せぬところだ。ほれ、さっさと行くぞ」


 黒い笑みを浮かべる首領に誘われて、王利は異世界へのダイヤルに手を掛ける。

 ラナが、クルナが、クラスメイト達がとついつい寄って来て王利に手を触れた。

 あまり考えていないようだが、彼らも付いて来るらしい。

 仮面ダンサーステップまでがノリで付いてくる気なのには気付かないことにした。

 多分異世界に向う事自体分かっていないのだろう。


「首領、俺も、俺も付いて行っていいですか!?」


「D・Wか。よかろう。来るがいい」


 よくわからない混成パーティーで、王利は異世界へと旅立っていく。

 ヒストブルグが襲われた原因である男も一緒に異世界へ旅立っていたが、王利にとっては些細なことだった。

 この後ヒストブルグがどうなるか、それを王利たちが後に知ることはもはやなかった。

 ただ、とある秘密結社には勇者が居た。そんな伝承が後の世に伝わっていたが、彼の事を差すのかどうかは……誰も知らない。

 僕たちの冒険はこれからだ!

 途中完結になりますが一端ここで区切ります。

 ご愛読ありがとうございました<(_ _)>

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