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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
正義 → 激闘
313/314

暗躍する者4

 コリントノヴァ総帥、草葉くさばの 岩内ようちは次々に飛び込む情報に愕然としていた。

 何が起こったのかは上がってくる情報で理解したが、何故ここまで自分の秘密結社が崩壊していくのか理解できていなかった。


 ヒストブルグに怪人部隊を注ぎ込んだせいで手薄になった秘密結社。

 さすがに大企業なコリントノヴァは防備に残った怪人もかなりの数だ。

 メス共も引っぱり出して護衛に当らせている現状だが、実に芳しくない。


 敵はただの機械兵。村井の怪人が群れで攻めてきているのと全く大差ないはずだった。

 だが、強い。そして多い。

 銃器を扱う機械たちは怪人を次々と射殺している。

 銃弾を受けたところで問題の無い怪人も、鉄鋼弾を打ち込まれればさすがに傷を負うらしい。

 いや、その程度ではない。威力がおかしい。


 硬い怪人の装甲すら撃ち抜く銃弾をただの銃と言うべきではないのかもしれない。

 さすがにこの戦力で攻め入られるのは想定外なのである。

 悔しげに歪む。


「三階突破されました!」


「四階迎撃開始せよ!」


 オペレーターたちが各階への指示を出して行く。

 しかし追い付かない。

 これはマズい。


「第四階層東部隊から応答途絶えましたッ!?」


「南部隊も壊滅! これ以上はここも危険です!」


「ええい、不甲斐ないッ。このような人形共に良いようにッ」


「そう言うな草葉。私の最高傑作たちだぞ」


 不意に、指令室に無遠慮に入ってくる一人の怪人。

 サメの姿をしたその怪人は醜悪な笑みを浮かべて岩内を見つめて来た。


「チッ、ここまで来たかインセクトワールド!」


「おいおい、今の私はラナリアの特別顧問だよ。とはいえ。お前を殺しに来た事に変わりは無いがな」


「なんだと!?」


「目ざわりなのだよ。我等以外の悪の組織は。しかもヒストブルグに手を出すなど具の極みとしか言いようがない。やはり悪は悪だと過激な正義の味方どもに付け入られる前に、粛清という事実がひつようでね」


「我々を生贄にするつもりか!?」


「ただ死ぬだけより意義はあるだろう? この者のように」


 言われて、岩内も思い出す。

 今、レウコクロリディウムが寄生している肉体は、もともと正義の味方としてマークしていた男であった。


「バグシャーク。バグソルジャーから消えたと思っていたが、そうか。貴様の人形になり下がっていたか」


「こいつの力はなかなか面白いぞ。使い勝手も良いしな。海で無いので威力は半減ではあるがな」


 二人の首領は互いに見合い、不敵に笑みを浮かべる。

 どちらからともなく高笑いを始める姿は、コリントノヴァの非戦闘員たちも呆然と魅入る程の奇妙さだった。


「バグパピヨンの代わりという訳ではないがな。奴がコリントノヴァに来る機会はなさそうなので我がバグ繋がりのシャークでお前を葬ることにしたよ」


「よくもいう。貴様に殺せると思うなよ?」


「できんことは言わぬ主義だ。なぁに、別にコリントノヴァを破壊しつくす気はないさ。お前を殺して頭をスゲ替えるだけでいい」


 ニヤリと笑みを浮かべたレウコクロリディウム女に岩内は毒づく。

 やっていられん。

 そう思いながらなんとか脱出の手札を整えていく。


 待っていろ小娘。部隊を立てなおし、今度は逆にラナリアを……

 誓いを胸に、脱出路の確認を済ませる岩内。真横の机にあるボタンを押しこんだ。

 バグシャークの遺体が牙を引き抜くのと、岩内の姿が真下の落とし穴に消えるのは同時だった。


 一瞬遅れ。バグシャークの遠距離攻撃が虚空を薙ぐ。

 流れ弾の一つを受けた非戦闘員系の怪人が歯に心臓を打ち抜かれ死亡した。


「ふむ。そう楽にはいかんか。だが……その選択。果たして正しいことだったかな?」


 ニタリと笑みを浮かべるバグシャーク。

 何せ岩内が向った先に存在するのは万一のために出動した、奴なのだから。


 ---------------


 草葉岩内は撤退を始めていた。

 さすがに今の武力でレウコクロリディウムを止めるのは不可能だ。

 ここは逃げの一手で力を付ける。

 それしか思い浮かばなかった。


 だが。コツッコツッと誰かの近づく音がする。

 何が来る? と身構える岩内の前に、青い肌の大男が現れた。


「ククっ、初めまして。レウコクロリディウム、オリジナルだ」


 まさかの二匹目のレウコクロリディウム登場であった。

 しかも、その容姿はあまりにも人間とかけ離れている。

 悪魔、いや、その悪魔たちの王だと言われてもしっくりと来る出で立ちだ。


 圧迫感、威圧感、その全てが申し分なく放たれている。

 青い肌はあまりにも不気味であり、ブーメランパンツがさらに男の危険度を引き上げていた。

 そんな男の口から洩れるのは、レウコクロリディウム特有の人をさげすむような声、間違いなく、目の前の存在もレウコクロリディウムなのであった。

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