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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
正義 → 激闘
304/314

動き出す悪7

「あいつら、一応もう少しこの近辺の敵掃除してくれるみたいね」


「ステップ先輩、それはいいんですけど、まだ結構来てるみたいですよ」


 少し遠いが怪人を含んだ戦闘員たちがこちらに向って来ている。

 その中でも代表格と思われるのが、コリントノヴァの獣人、アルマジアロス。

 王利たちを見付けた途端、身体を丸めて転がって来始めた。


「ヤバい、突っ込んで来るぞ!?」


「逃げなきゃ、直撃コースよ!」


 薺と亜衣子が慌てて左右に飛ぶ。

 遅れて雅巳がもたつきながらも逃げる。見かねた蘭爛が雅巳の首根っこを掴んで飛び退いた。

 ラナとクルナは落ち着いた様子で退避し、王利とステップが逃げようとした時だ。

 ようやく彼らは気付いた。

 護衛するべき存在が未だに地面にうずくまったままだという事に。


 どうやらF・Tの脅しが効きすぎたようだ。

 完全に腰を抜かせている柄の悪い正義の味方は、逃げる事すら出来ず迫りくる巨大アルマジロを見つめていた。


「チッ、ヤベェぞ!」


「クソッタレ!」


 亜衣子の言葉に王利は悪態付きながら彼の前に飛び出した。

 とっさに連れ出すのは無理だ。でも、クマムシ男の耐久力ならあの衝撃でも耐えきれる。

 ただ、その後はどうなるか分からない。

 敵はアルマジアロスだけではないのだ。


 少し遅れノーネイムの林次郎の群れが迫り、ヘルマンデ地下帝国の恐竜人がその背後を走っている。

 アンデッドスネイクの蛇怪人も居れば、火星人のような出で立ちの怪人もいる。

 アルマジアロスの一撃で態勢を崩されると、あの怪人と戦闘員の群れに単体取り残されることになる。


「誰でもいい、ここの金髪豚野郎を誰か連れてってくれ!」


「ちょ、言うの遅い!?」


「無理ネ! 手一杯ヨ!」


「私無理無理、自分だけで手一杯!」


 薺が中空に身を躍らせつつ告げる。

 既に逃げる動きに入っている彼女に助っ人は無理だ。

 蘭爛も無理だった。

 彼女は雅巳を連れていくので手一杯である。

 そして仮面ダンサーステップは生身の人間。助けを期待するだけ無駄だった。


 ラナとクルナは助ける気すらないらしい。

 つまり、彼女たちの助っ人は期待できないのだ。

 王利はなぜ自分がこんな闘いに巻き込まれてるんだと溜息吐きたい気持ちになりながら、転がってくるアルマジアロスを受け止める。


 強烈な衝撃。

 身体自体はダメージを受けていないが、衝撃で態勢が崩されそうになる。

 なんとか押しとどめようとするが、相手が止まらない。

 徐々に地面を滑り、護衛対象に踵が当る。

 これ以上は下がれない。

 否、ここで止めなきゃ態勢を完全に崩される。


 ようやく地面に足を付けた薺と亜衣子が走る。

 金髪豚野郎な護衛対象を引っ張り逃げようと地を蹴る。

 しかし遅い。既に王利の態勢は崩れかけている。

 アルマジアロスの身体が王利に圧し掛かる。


「クソッタレ……っ」


「W・Bだったな。そのまま抑えてろ!」


 不意に、声が聞こえた。

 なんだ? と思わず声の方に視線を向けると、黒い団子のような何かが王利に向って転がってくる。

 アルマジアロスだけでも手一杯な王利に向け、新たな巨大鉄球のような弾が転がって来たのである。


 焦る王利だが身動きが取れない。

 そんな王利のもとへ突撃した黒い球体は、直前でバウンドすると、王利を避けてアルマジアロスに激突した。

 巨大な球同士の衝突で王利から真横に吹き飛ばされるアルマジアロス。

 跳ね返るように落下した黒い球体が王利の真横に着地、グルンと球状から怪人形態へと戻る。


「あんたは!?」


「D・W。ダンゴロワムワだ。首領から連絡を受けて助っ人に来た。ラナリア所属の正義の味方たちも続々集結している。今回怪人は来ないよう言われていたがどうしても俺の人生を変えてくれたラナ首領に恩返しがしたくてな」


「D・Wさん、そんなことでわざわざ来てくれたんですか!?」


 驚くラナにコクリと頷くダンゴロワムワ。


「別にこいつが拉致されたからって問題は殆ど無いんですよ?」


「それでも、あなたを助けたかった。良ければこの下等なるダンゴムシ、あなたの思うままにお使いください」


 まるで臣下の礼を取るように胸に手を当て頭を下げるダンゴロワムワ。

 何がどうしてこうなったかは知らないが、どうやらラナに忠誠を誓うつもりらしい。


「オノレ、同じ怪人の分際で!」


「コリントノヴァか。お前らにはちょいと恨みがあるんだよ。まぁ、御蔭でラナリアに所属できたっちゃ幸運だったけどな」


 王利たちを放置して、球体状態を解いたアルマジアロスとダンゴロワムワが互いに拳を握る。

 そして敵の怪人達が追い付いた。

 態勢を整え直した薺たちが迎撃を行おうとした時だ。

 上空から、高速で飛来する二体の怪人。

 双方一体ずつ怪人を両手で抱え、敵陣まっただ中へと突っ込んだ。


「な、何だ!?」


「バグソルジャーだよ、馬鹿が!」


 バグリベルレとバグワスプの突撃、その二人に運ばれたバグカブトとバグアントが即座に周囲の戦闘員を蹴り倒す。

 そして、上空から、最後のバグソルジャーが舞い降りた。

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