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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
怪人 → 学園
289/314

首領と首領の作戦会議

「揃ったか」


 とある地下の一角で、レウコクロリディウムが動かすホムンクルスが口を開いた。

 目の前にはラナリアの裏の首領であるレウコクロリディウム女の脳が入ったチェンバーが存在し、ゴポゴポと気泡を上げている。


「揃うも何もお前と私だけ。大きく言えば私だけだろうが」


 淡いエメラルドグリーンに輝くチェンバーのガラス越しに彼女を見上げ、レウコクロリディウム二号に当る旧インセクトワールド首領のレウコクロリディウムがラナの体内から声を発した。

 ここには今、三人のレウコクロリディウムが存在していた。


 初期レウコクロリディウム。これが元祖首領という奴だ。

 そしてラナに寄生中なのが異世界に渡航経験を持つ元首領。

 さらに、元祖首領が操るホムンクルス体に宿る現首領。


 三人が三人ともレウコクロリディウムであり、この会議を行う主要メンバーである。

 と言っても、確かに実質は二人しか集まっていない。

 ただし、ラナを除いて、である。

 ラナは今、身体の操作権を元首領に握られているものの、意識は有り、首領たちの言葉に耳を傾けている。


「さて、そろそろ本格的に活動を始めようと思う。が、その前に、クロリよ、奴らの情報は把握しているか?」


「他の結社共の事か? 問題はない。が、クロリとは私の事を指しているのか?」


「レウコクロリディウム。折角だし私が一番なのでレウコ、二番目のお前がクロリ。そしてホムンクルス体の名がディウム。どうであろう?」


「いや、どうであろうと言われてもな。まぁ呼び名があった方が分かりやすくていいか。レウコクロリディウム。レウコクロリディウム。と互いに呼び合ってもおかしく思われるだけだしな」


「そういうわけだ。で、まずはお前が炊き付けてきた秘密結社の動きについてだが」


「W・Bの通う学園に忍び込む算段のようだな。シクタも共同しておればほぼ完ぺきに拉致できただろうが、向こうが壊滅したのを他の結社は知らんらしいからな」


「全くだ。まさかあの会合の直ぐ後に正義の味方共に本拠地を制圧されるとはな」


「仮面ダンサーにジャスティスセイバーだったか、それと確証にまでは達していないが断罪者の片割れがいたとか?」


「まぁ、過ぎたことだ。シクタ壊滅を正義の味方共が声高に叫んでいないので首領かドクター辺りは逃げ出したようだがな」


「そこまで掴めればよかったがな。まぁいい。今回の作戦にはシクタが来ない。おそらくこちらにとってはやりやすくなるだろうな」


「ふふ。何を言う。言霊があればほぼ楽に殲滅できように」


 その対策くらいはされているのでは?

 ラナはそう思ったが首領たちの会話に加わるのは止めておき、聞き役に徹する。

 首領ならばそのくらいの事は既に想定済みなのだろうと分かっているからだ。

 そもそも、言霊が封じられたからと言って首領たちが正義の味方や悪の組織に蹂躙される程弱くはないのだ。


 それくらいの強さだったなら既に討伐されていたはずだ。

 巧妙に知恵を巡らせ、実力を付け、部下を手に入れ、バレることなく存続を続けた。

 だから彼らには今がある。


 ならば、ラナが想像できる程度の危険などすでに対策の一つや二つあるはずである。

 聞いてみたい気もするが、それで呆れた視線を二人から貰うのもあまりいいものではない。

 そのうち一人の視線が自分の視線というのもかなりいただけない事実である。


「そう言えば、風音と連絡が付いたらしいじゃないか」


「ああ。元気そうで何よりだった。F・Tの方は生存について異世界で聞いていたが、彼女が生存してくれていたのは、そして再び我が元へ来てくれたのは幸運だ」


「ああ、ちなみにラナ。お前が来る前は武藤風音はインセクトワールド次期首領の筆頭候補だったのだ。なかなか面白いぞあやつは」


「面白い……? 面白いですか。そうですか……」


 話を振られたので喋った。という訳ではない。

 武藤風音。ラナリアに所属しながら首領であるラナをタクシーか何かのように扱い無数の正義の味方に会うためこき使う女である。


 ラナの印象? 面白い訳が無い。

 そろそろ我慢の限界だ。この前ほぼ一日が移動に付き合うことで消えた。

 それからは味を占めたのかちょくちょく呼んで来る。

 放置しているとクルナを呼ぼうとするので、ラナが仕方なく受けている。さすがにクルナに送り迎えをさせる訳にはいかない。


 というか、首領としてそろそろキレても良いと思う今日この頃、風音はラナにとってはある種の天敵であった。

 彼女が褒められるのを聞くごとにこう、言いしれない怒りがふつふつと……

 何年かに一度しか目覚めないとかいう訳のわからない正義の味方を見に行った時くらいしか感動はなかった。あったのは、むしろ憎悪。お前の趣味に私を巻き込むな。それがラナの心情である。

 首領なので忙しいのだ。これでも。

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