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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
怪人 → 学園
283/314

動き出す悪の組織

 危険だ。

 何が? そう問われれば、ラナリア首領が。というべきだろう。

 しかし、自分たちは既に手綱を握られている。

 ではどうするか?


 簡単だ。手綱に触れないように噛みつけばいい。

 今、数社の秘密結社が顔を会わせていた。

 大手結社のフォルクスやアンデスローズなどはここに居ない。


「やぁ、皆さん。今宵は我らの、ラナリア滅殺計画に乗っていただき、感謝いたします」


 コリントノヴァ総帥、草葉くさばの 岩内ようちは集まった秘密結社の首領たちを見つめてニヤリと笑みを浮かべた。

 目に見える位置にいるのは村井機工株式会社の村井。ロイド帝国メルガ・モルガータ。ノーネイムの山田太郎。

 声を掛けた名だたる者たちはシクタ以外出席している。


 新興勢力の一部や中堅首領たちも一応参加はしているが、草葉が気に掛けているのはこの面々だけである。

 他の有象無象の秘密結社など、歯牙にもかけていない。

 彼に名を覚えられたいのならばそれ相応の実力を見せなければならないのだ。


「ゴタクはイイ。ラナリアは危険だ。我は潰したい」


「しかし、言霊。というのでしたか。アレを受けた我々首領は手を出せないでしょう?」


 メルガの言葉に村井がため息交じりに告げる。

 確かに、と草葉も思う。

 ラナリアへと密偵を送ろうとしたのだが、それすら指示出来なかった。

 自分の身体が拒否してしまうのである。


「なんとも難儀な能力だ。アレをどうにかするにはどうしたらいい?」


「言霊は声、声をなんとかすべきだろう。声を消す方法などはないのか?」


「シラン、我はラナリア潰す、これ確定」


 首領どもが勝手に話し合う中、山田がひっそりと手を上げる。


「山田? どうした?」


「ヒストブルグに音を扱う正義の味方候補がいたはずだ。アレを拉致し洗脳してはどうか?」


「そんなことで言霊が封じられるか?」


「やってみることに意義がありましょう。他に案があればいいですが?」


 山田の言葉に草葉はふむと黙りこむ。

 一度、やってみる価値はあるだろう。

 洗脳を行う必要はないが、捕まえて内部構造を調べることで量産型怪人も作れるはずである。

 万一失敗してもそれはそれで結社の糧にはなる。


「ふむ。では洗脳、それと能力の解析を行おう。といっても、拉致せねばならんわけだが」


「それについてはノーネイムがやりましょう。ただ、こちらでは洗脳は行っていないので、出来れば別の結社にお願いしたいのだが?」


「コリントノヴァで受け持とう。我が結社でやる方が一番と思うが、他に受け持ちたい結社はあるか?」


 一番力のある秘密結社からそう言われて、返せる首領はなかなかいない。

 力を持つ結社の面々も、コリントノヴァからわざわざ引き取って自分側で洗脳を施す気はない様で、話の続きを促すようだ。


 草葉は当然か、といった様子で頷き、首領たちを見回す。

 『全員、ラナリアへの攻撃意思を持った攻撃を禁ず』そんな言霊を受けた面々は、お互いに話す事はできても、ラナリアへの攻撃意思を含んだ行動を禁止されてしまっている。

 部下に指示を与えることに置いても、ラナリアが関わると途端に指示出来なくなってしまうのだ。


 任務にも支障を来たし、彼らの理想の数歩が失敗になっている。

 それも全てラナリア台頭のせいである。

 邪魔なのだあの秘密結社は。

 否、奴らに日本征服をされてしまっては、困るのだ。


 自分たちこそが日本を征服する。

 その為に彼らは悪の組織を設立した。

 会議などを行い相手が突出しないよう足の引っ張り合い、あるいは凶悪な正義の味方を打倒するための情報共有は行うため、今まではこんなことはなかった。

 でも、皆が日本を征服したいのだ。


 他者に征服されていい訳が無い。

 つまり、ラナリアは悉く撃破して日本から退場戴き、あわよくば自分たちが代わりに日本を統べる。

 それがここに集まった首領たちの目標なのである。


 敵の敵は味方。

 つまり、彼らが共同戦線を張る良い理由となる。

 首領同士でならコミュニケーションを行ったりラナリアへの攻撃意思を示す事ができるのだが、いざ部下に伝えようとすると上手く伝わらない。


 面倒な状態だが、草葉には幾つかのプランがあった。

 その一つに、今回議題に上がった正義の味方候補拉致計画が発動される。

 発動し、研究を行うこと自体は別にラナリアとの敵対にはならない。だから洗脳するまでなら行える。

 そこからラナリアに差し向けるということができないだけなのだ。


 だが、頭のいい部下がいれば話は別だ。

 自分が指示をせずとも自分のやりたいことを把握し、理解し、行ってくれる。

 コリントノヴァにもそいつが居るのだ。

 洗脳さえしてしまえば意図を察して勝手に行動してくれる。

 そして、ラナリアの首領にけしかけてくれるはずである。


 さぁ、始めよう。

 コリントノヴァの首領、草葉岩内は近いうちに従えるだろうラナの姿を思い浮かべ舌舐めずりをするのだった。

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