第二部エピローグ
「さて、では全員揃ったな」
「人間たちについては機械族と共存させるよう伝えましる。これから私が居なくとも感情を持った彼らが率先して人を導いてくれることでる」
適当なロボに機械族の運営を任せ、ハルモネイアはそう言いながら王利の傍へと歩み寄った。
彼女はこのまま第四世界に一緒に来るらしい。
こちらに残っても良かったのだが、彼女は感情に気付く切っ掛けをくれた王利たちに借りを返したいと言ってきたのである。
王利たちは再び一所に集まっていた。
点呼を終えて、王利は異世界転移を行う。
随分長い間異世界を転々としていた気がする。
光に包まれたと思った次の瞬間には別世界へと飛んでいる。
そこは広い荒野だった。
日本、では決して見られることのない荒野である。
「うむ。ギアナ高地だな」
「外国ですか。戻るまで大変ですね」
「飛行して行けばよかろうが。さっさと戻るぞ」
ロクロムィスも連れて来たので首領とエルティアとクルナがそれに乗って一足先に地面へと潜っていく。
内部に向ったエルティアが何かに驚いていたが、首領に促されてロクロムィスに押し込められていた。
王利以外も飛行を始め、日本を目指して飛び上がり始めた。
バグリベルレは、日本に向おうとしてふと、王利と葉奈がその場に留まっていることに気付く。
全員が空の彼方へと消え去ったのを見送って、バグリベルレは彼らの元へと近寄った。
「御二人さん、どうしたんですか?」
「真由、あなたこそ、まだ向わなくていいの?」
「発情状態の葉奈さんと王利さんが二人きりになるとエロエロなことになりそうですから、さすがにそういうのは日本に戻ってからにしません?」
「し、しないよっ! 何言ってるの真由っ」
「えー。誰も見てないし子作りするのかと思ったのに」
「違うからっ。王利君の見送りだから!」
勢いに任せて叫んでから葉奈はしまったといった顔で口を塞ぐ。
「どういうことです?」
王利は事のあらましを告げようかと迷ったが、クルナにより言霊を付けられていると思しき真由に告げるべきか判断をあぐね、空を見上げる。
「ちょっと、アフターケアをしに行くんだ。少しの間、葉奈さんを頼む」
「へぇ……まぁいいですけどね。女性を待たすんですからちゃんと帰って来ないとしばきますよ」
「わかってるよ。じゃあ、行ってくるよ葉奈さん」
「うん、気を付けてね」
葉奈と真由に見送られ、王利は再び異世界へと転移する。
目指すは第21世界。ここから第26世界まで、一気に向ってみる予定である。
そして、決意する。地獄に堕ちるだろうと予言された少女を助けると。
だからそれまで……さよなら、第四世界。
ただ一人、秘密結社の勇者が光に包まれ、その日、第四世界から消え去った。
ようやく一段落。
次回は第三部に入ります。
当然、先の話などまったく脳内に描かれておりません。
何時止まるか楽しみですね orz
……止まらない様頑張ります。