表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
クルナ → 復讐準備
174/314

VS ゼルピュクネー6

 ゼルピュクネー09と戦うのはバグアントである。

 確かにゼルピュクネーシリーズは強力であるといえた。

 しかし、バグレンジャー個々の能力と似たり寄ったりといった戦力なのだ。


 勝つ相手も居れば負ける相手もいる。

 その点で言えばバグアントは圧倒的に、勝者だった。

 開始直後にブースター点火で突っ込んで来たゼルピュクネー09に口から吐き出した酸を思い切り吐きつける。

 避ける事もできず直撃した瞬間、ゼルピュクネー09は音を立てて溶けだした。


 その速度は劇的で、またたく間にゼルピュクネー09の頭部が消失したのである。

 重要機器を失った彼は相手を視覚的に確認できなくなった。

 その為、直前に居た場所を元にして適当にレーザーサーベルを振りまわす。


 当然バグアントがそれに当るはずもなく、彼は遠くから適確に相手の足を溶かし、腕を溶かし、一パーツごとを確実に消して行く。

 やがて、ゼルピュクネー09はこの世から消失した。

 余りに簡単に、そして楽に決着がついてしまい、バグアントは拍子抜けしながら周囲を見る。

 どうも女性陣が軒並み苦戦中の様だ。


 どこかを手伝いに行くか。と思った矢先だった。

 真横から飛んできた物体を思わず受け止める。

 マンティス・サンダーバード。

 ゼルピュクネー10と戦っていた元クロスブリッド・カンパニーの最後の一人である。

 いや、ミカヅキ・メイフライを抜かしてといっておこう。


 彼女の能力では敵を強化させる事は出来ても戦力的に荷が重いらしい。

 これは彼女の怪人としての性能のせいだ。

 他の秘密結社で作られた存在であればあるいはバグアントのように楽に勝てたかもしれない。

 しかし、クロスブリッド・カンパニーの技術力ではゼルピュクネーシリーズを相手にするには少々荷が重いようだ。


「替わるか?」


「冗談だろう? まだ負けた訳ではない。そこで見ていろ」


 彼女としても自分自身の力で奴に勝たなければ示しが付かないのだろう。

 もともと彼女にとってはバグアントたちとは共闘を行う契約でこちら側についたのだ。

 それが自分の力不足を露呈させてしまっては、足元を見られてしまう。


 特に悪の首領であるレウコクロリディウム相手に自分が足を引っ張る存在だと見られてしまえば、共闘ではなく恭順を強いられかねない。

 それではいけないのだ。

 ベルゼビュート・ハンマーシャークを失った今、共闘関係を保てるのはマンティス・サンダーバード自身の頑張りに掛かっているのだから。


 確かに機械相手に彼女の武具では心もとなくはある。しかし、バグアントはマンティス・サンダーバードの気持ちを汲み、手伝う事はしなかった。

 腕を組んで見学の体勢に入る。


 マンティス・サンダーバードもそれに気付いて一人立ち上がるとゼルピュクネー10に対応する。

 ついついバグアントが勝手に手伝ってくれないだろうかと弱気が鎌首もたげるが、被りを振って相手を見定める。

 気は抜けない。手も抜けない。それでも敵わないかもしれない。


 バグアントはマンティス・サンダーバードの戦いを見る。

 どうやら能力的にはほぼ拮抗しているようだ。

 ただ、やはり総合的にゼルピュクネー10の実力が上回っているように見える。


 このままではじりじりと追い詰められていくだけだろう。

 彼女だけでは勝てない。

 善戦は可能だが、結局は打つ手を失い負けるだろう。


 全く仕方ない。少しだけ手を貸しておくか。

 ふと、別の場所に視線を移すとバグパピヨンが爆発に巻き込まれ落下しているのが見えた。

 次いでその対戦相手が爆発。少し離れた場所では今まさにバグリベルレが地面に激突しようとしていた。


 これは、不味くないか?

 思わず向こうに助けに行くべきかと思ったが、すぐにこちらも危険だと気付く。

 マンティス・サンダーバードの身体がゼルピュクネー10の拳を受けて吹っ飛んだのだ。

 余りに遠くへと吹き飛ばされるので、目を離すことすら難しい。

 いつ死ぬかとひやひやしてしまう。


 ソレに、バグパピヨンは相討ちながら相手を倒し、バグリベルレはW・Bによって救われたようだ。

 ならば向こうは任せても良いだろう。とバグアントはこちらの戦いに集中する。

 W・Bは信用ならないが、実力だけは評価しているのだ。

 バグカブトの拳を破壊する程の装甲を有するクマムシ男。果たして、アレを殺せる相手がどれ程いるのか?


 いや、と考える。

 物理的には無敵に近いかもしれない。

 しかし先程の毒で苦しんでいる所を見るに毒物関連に対する抵抗力は低い。

 それはつまり、自分の持つ酸も有効なのではないだろうか?

 なるほど、奴と敵対する事があればバグカブトに任せるよりも自分が相対した方が良さそうだと気付いた。


 そんなことを考えていると、マンティス・サンダーバードが死にかけていた。

 慌てて彼女にトドメを刺そうとするゼルピュクネー10に横合いから飛び蹴りをかまし、ついでに強力な酸を噴き付けてやった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ