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秘密結社の勇者様  作者: 龍華ぷろじぇくと
マザー → エクファリトスの王
123/314

VS 量産型ハルモネイア1

「行きまる!」


 量産型ハルモネイア013982号機が代表するように言葉を発した瞬間、二体の量産型ハルモネイアが片手のライフルをぶっ放す。

 どうやら単発式らしく、レーザービームのような砲撃が王利たちに二連。遅れて二体の量産型ハルモネイアがレーザーソードを振り抜き接近を開始する。

 しかし、動力部に損傷を受けたらしい013986号機だけは緩慢に動き、遅れて動きだした。


「防衛しまる」


 元祖ハルモネイアが掌を前に出しバリアシールドを発生させ、砲撃を受け流す。

 しかし、受け流せたのは一発だけだ。もう一方はヘスティ向けて放たれていたため、彼女の防御範囲外だった。


「反射のリフレクト・シールド


 遅れてエルティアの魔法が完成。刹那の時間でヘスティを銃弾から守った。

 反射された銃弾は発射した量産型ハルモネイア013983号機の銃口に突撃し、まさかの爆発を引き起こした。

 さすがにこれには驚いたようで、全員の視線が彼女に集中する。

 013983号機は銃口に変えていた左腕を見事爆散させてしまっていたが、それだけだった。

 他の量産型ハルモネイアも、彼女が動く事を確認すると、再び行動を開始する。


「全員、指示するぞ! W・Bはヘスティを護れ、エルティアは魔法で防衛、隙を見て遠距離攻撃を行え。蠅と蟷螂は敵を一体づつ任せる。ハルモネイア、一番無傷の敵を撃破しろ! エスカンダリオは……チッ、おらんではないか使えん奴め。ヘスティ、W・Bと協力して一匹倒せ。我が最後の一体を屠ってやろう」


「チッ、何が指示だ」


「どの道分散させて叩いた方がいい。行くぞマンティス」


「ふん。仕方ないな」


 首領の指示に従う気はないが、元より敵を一体一体倒すべきだと結論付けていた彼らは、即座に迫って来た敵を各々引き付ける。

 先制とばかりにマンティス・サンダーバードが水弾を吐きだす。

 慌てて避ける量産型ハルモネイア013985号機。勢い回って顔が360度回転していた。


「あの動きが遅い方をくれてやる。あのフクロウモドキは貰うぞマンティス」


「どっちでも一緒だ。好きにしてくれ」


 言うが早いか飛び上がったベルゼビュート・ハンマーシャーク。首が回転して視界が安定しないのか、両手で支えて首の回転を止めた013985号機に突撃を敢行する。

 視界を安定させた瞬間飛び込んで来た蠅鮫怪人に、眼を見開く量産型ハルモネイア。

 無防備に体当たりを受け瓦礫の山へと吹き飛んだ。


「さぁて、燃え上がれ!」


 床に足を付けたベルゼビュート・ハンマーシャークは両手を超高速で擦りだす。

 すぐに煙が噴き上がり、ベルゼビュート・ハンマーシャークの両手に炎が灯った。

 ベルゼビュート・ハンマーシャークの必殺技の一つ、摩擦熱で灯した炎を耐熱仕様の腕に纏い、相手を殴りつけるバーニングナックルである。


 摩擦熱の具合によってはそのまま目の前に炎を噴き出すフレイムブレイドもあるが、今回は直接殴りつけることにしたらしい。

 瓦礫を崩しながら起き上がる013985号機に高速移動で肉薄し、思い切り殴りつける。

 さすがに機械であるため燃え上がることはなかったが、強化された怪人に殴られた彼女の首が音を立てて砕けた。さらに炎で融解し、頭部が完全に焼き放された。


 013985号機の首が地面を転がる。

 ふん、楽勝。と思ったベルゼビュート・ハンマーシャークだったが、次の瞬間013985号機の胴体が動き、ベルゼビュート・ハンマーシャークのどてっ腹に拳を叩き込んだ。

 まさかまだ動くと思っていなかったベルゼビュート・ハンマーシャークは、不意の一撃を受けてくの字に折れ曲がる。


 さらにレーザーソードを振り抜きベルゼビュート・ハンマーシャークを横一文字に切り裂こうとしてきた。

 慌てて急上昇するベルゼビュート・ハンマーシャーク。なんとか剣に空を切らせることに成功するが、少し遅れていれば確実に身体の一部が無くなっていたところだ。


 冷や汗まじりに体勢を整え、再び接近、火炎を纏った拳とレーザーソードの戦いはさらにエスカレートして行った。


 一方、動きの遅い013986号機を受け持ったマンティス・サンダーバードも意外と苦戦中だった。

 なにせ動きが遅い分、避けるタイミングがずらされるのである。

 レーザーソードをタイミング良く避けたら戻った頃にようやく目の前に来ていたり、敵の動きを呼んで攻撃すると、一拍遅れた動きで運良く避けたりと、013986号機の動きに翻弄されていた。


 いい加減業を煮やしたマンティス・サンダーバードは必殺で蹴りを付けることにした。

 「斬り裂け、シザーズカッター」と帯電した鎌を振って敵を攻撃して見せる。

 さすがにこれは避けきれないらしくダメージを負った013986号機。しかし、その瞬間、急に動きが良くなった。

 雷により損傷していた動力炉に電気エネルギーが到達してしまったらしい。

 即座に動いて見せる013986号機にマンティス・サンダーバードは軽く舌打ちしつつ、むしろやりやすくなったと喜んだ。

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