生まれ変わったら・・・
本文はR-18にはしていませんが、「殺す」という行為が入っております。
その手が苦手な方は退出下さいますようお願いします><
「ハァ、ハァ、急げ!あそこに隠れるんだ!」
パパが息を荒げながら、壁と壁の間にできていた小さな隙間を指差した。私とママは、パパの後に続いて走った。だけど・・・。
パンッ!大きな音が鳴った。後ろを振り返ると、ママが倒れてる!「ママ!」私とパパは叫んでママに近寄った。「ダメ!行って!」大きな声でママが叫んだ。「で、でも・・・!」私が叫ぶとママが笑って「ママの・・・一生のお願いよ・・・!
行って!」その言葉に、
「急げ!」とパパが叫んだ。私は走りながら泣いた。ママを見捨てた自分が許せない。パンッ!パンッ!また、大きな音が鳴った。私は後ろを振り返らなかった。振り返りたくなかった。だって、多分ママはもう・・・。
「ハァ、ハァ・・・」
壁の隙間に隠れた私達は、どんな顔をしているだろう。自分の母親を見捨てた私と、自分の妻を見捨てたパパは今、どんな顔をしているだろう?息を荒げながら私はそんなことを思っていた。「・・・ごめん。」
不意にパパが謝ってきた。
「・・・」私は何も言わなかった。
分かっている。パパは謝らなくてもいいんだ。これは、しょうがない事なんだ・・・。でも・・・!
そんな事を思っていると、今度は、シューッという音が聞こえてきて、煙みたいなものが私たちに近づいてきた。・・・あれ・・・何だか・・・苦しい・・・。
「毒ガスだ・・・!」パパが苦しそうに喋った。「え・・・。」という事は私は死ぬの?嫌だ・・・。
「出来るだけ小さく息をしろ!」パパが叫んだ。でも、そういうパパは、とても大きく息を吸って、吐いていた。私は父の指示に従った。でも、パパの呼吸は相変わらず大きい。すると、突然パパが倒れた。
「パパ!?」そうか・・・。やっと気づいた。パパは、私を助けるため・・・おおきく息を吸って、沢山の毒を吸って・・・・・・・・・・・・。パパは最期に小さな声で、「ごめんな・・・」と私に言ってきた。私一人になった。どうして?何で私達はこんな運命なの?
シューーーッ、まだまだ毒ガスは出てきた。私も意識が朦朧としてきた。その時、小さいころを思い出した。「ママー。私ね、生まれ変わったら、犬になるの!」「どうして?」ママがこっちを向いて笑う。
「だってね!犬は・・・」
私は目を閉じた。
しばらくしてから、男が冷蔵庫をどけると、大きなゴキブリが1匹、小さなゴキブリが1匹死んでいた。
「だってね!犬は・・・
人間が、心を許してくれる生き物だから!」
どうでしたか?
主人公は「ゴキブリ」の家族だったというお話です。
ゴキブリを人間に例えるとこんな感じかな・・・とか思いながら書いてみました。不快に思った方もいると思います。すいません;;
多めに見てください;;。