第4話 初めての二人乗り
今回はすごく短いです…(>_<)
「…声がでかい」
男子がうんざりだ、という口調で言う。
「だってぇぇ!」
こんな状況で黙っていられないって!
「気が散る!黙ってろ!」
その男子の怒鳴り声で、私はやっと口を閉じようと試みた。
ぐっと歯を食いしばる。
トクンッ、トクンッ。
不意に心臓の音が聞こえた。
男子の心臓の音だろうか。
そういえば、今まで叫びまわってたから気付かなかった…。
…って、今もしかして男子の体にぴったりくっついてる?
「………っ!」
私の頬がみるみる熱を帯びる。
今すぐ体を離したいけど、ここは自転車の上。
体を離すわけにはいかない。
「…名前は?」
「…………はっ?」
反応が遅れた。
突然話し出すからびっくりした…。
じゃなくて。
いきなり何を言い出すんだ、この人は。
「名前は、って聞いてる」
男子の口調からすると、イラついているようだ。
イライラばっかりして…。
この男子、ちゃんとカルシウムとっているのだろうか。
「…近藤花梨です」
名前を聞かれたのに黙っているのもおかしいかと思い、ぼそぼそと答えた。
「ふぅん…」
男子は興味がなさそうに言う。
興味がないんなら聞くな!
私はそう思い、ぎゅっと男子の背中をつねる。
ささやかな仕返しだ。私に命令ばっかりして。
「いてぇ!」
私が背中をつねると、男子は叫び声をあげ、自転車がぐらつく。
「きゃっ!」
私は必死で男子の背中に再びしがみつく。
ここで男子と折り重なって倒れるなんて、絶対に嫌だ。
「ばかやろう!何してんだよ!」
男子は悪態をつきながら、何とか自転車の体勢を立て直した。
「…わ、わざとじゃないし」
しまった。
私としたことが、どもってしまった。
「…そうか。ならいいけど」
男子は私がどもったことに対して、追及はしてこなかった。
ふっ。詰めが甘いな。
それにしても、運転の技術がすごいな。
私を後ろに乗せてるのに、体勢を立て直せるなんて。
「運転が上手いな…」
私は正直に思った感想を口にした。
「上手いって訳じゃねぇよ。よく二人乗りするから、慣れてる」
「へぇ…」
彼女とかとしてるのかな…。
「…言っとくけど、彼女とかとはしてねぇから。というか、彼女いねぇし」
ふぅん。そうなんだ…。
…ってか、この人私の心の中読めんの?
「よく弟が二人乗りしてくれってせがむから、慣れてんだよ」
男子は弟のことを話すとき、口調が柔らかくなった。
へぇ…。
この男子、見た目はチャラい感じだけど、弟思いなんだ…。
私はなんか、温かい気持ちになって思わず微笑んだ。
こんにちわ~(^.^)
作者です!
これからテスト期間に入るので、なかなか更新ができないと思います…。
多分、3月に入ってからになるかもです…。
すみませんm(__)m
後、お願いなのですが、できるだけ感想を書いてほしいです。
いろいろ、この後の展開に生かしたいので…(*^_^*)
よろしくお願いしますっ!
あっ!
ですけど、無理をして書いてくれなくても大丈夫ですよ。
見てくださるだけでも、うれしいですから(^^♪