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【青春BL】王子様と呼ばれる先輩を餌付けしたら、毎日会いに来るようになりました。  作者: k-ing


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2.休みの日の商店街

「休みの日なのに手伝ってもらってごめんね」

「パートの人がお休みだから仕方ないよ」


 基本的には平日の学校終わりのみ手伝っているが、休みの日や祝日は近所の主婦が休みなのもあり、僕がお昼から手伝っている。


「母さん、お弁当詰め終えたよ」

「さすが我が子ね」

「毎日お弁当を欠かさず作っているからね」

「いつも助かってるわよ」


 中学生になった時からお弁当を自分で作り始め、今は高校2年生だから、すでに4年も経っているのか。

 今ではお店のお弁当も詰めるようになり、前より見た目にも気を使うようになった。

 お昼前になると少しずつお客さんが増え始めるため、それに合わせて我が家の惣菜屋も開店する。


「いらっしゃいませ! 出来立てのお弁当はいかがですか!」


 ただ、この商店街付近では祝日に働く人も少ないため、平日よりかはお客さんの姿は少ない。

 僕は時折、通りかかる人に声をかけながら、お客さんが来るのを待っていると、遠くから知っている声が聞こえてきた。


「よっ! お店に来てやったぞ!」

「買わないやつはお客さんじゃないからな」


 お店にきたのは悠人を含む数人のバスケ部の部員たちだ。

 悠人以外あまり関わりもないため、特に話すことはないが、みんなお惣菜に目が向いていた。

 お腹が空いているのだろう。


「部活終わり?」

「ああ、今日は午前練だけだからな」


 どうやら午前で部活が終わったようだ。

 この間、部活の時間も法律で決められているって言ってたっけ。


「あら、悠人くん久しぶりね」

「あっ、おばさん! コロッケ一つください」

「いつも直と遊んでくれてありがとうね。サービスしちゃうわ」


 そう言って、母はたくさんのコロッケを包装紙に包んで渡していく。

 一緒に来ていたバスケ部の部員も驚きながらも受け取っていた。


「母さんのおせっかいだから気にしなくていいよ」

「いや、それは悪いからな」


 トレイにお金を置き、両手にコロッケを持って食べていく悠人たち。


「じゃあ、また来るわ!」

「ああ、お疲れ!」

 

 両手にコロッケを持って歩く同級生たちを見送る。


「やっぱり普通は自分で食べるもんなんだよな」


 昨日の王子様の姿を思い出し、思わず苦笑する。


「何か面白いことでもあった?」


 顔を上げると、声が聞こえてきた。

 そこにはお弁当を手に持った王子様がいた。

 いつの間に来たのだろうか。

 それにしてもうちのお弁当なのに似合わないね。


「お弁当も売っているんだね」

「お昼はお弁当がメインで、夕方からはお惣菜がメインになりますね」


 王子様は真剣な顔をしてお弁当を手に持ち選んでいた。

 やはり食べることが好きな人なんだろう。


「買う前に食べたらダメですよ」

「くくく、さすがにそこまで食いしん坊じゃないよ」


 優しく微笑む王子様の破壊力に僕も圧倒されそうになる。

 ただ、食いしん坊ではないって言いつつも、昨日は僕の手からコロッケを食べていたけどな……。


「休みの日も働いているの?」

「基本的に手伝ってますね」

「手伝ってる?」

「ええ、ここのお店は母さんがやっているところなので」


 王子様は看板をジーッと見つめてから、僕の方に視線を向けた。


「うちの名字が小川なんです」

「そうか」


 このお店の名前は〝小川惣菜店〟だ。

 だから、店名が気になったのだろう。

 謎がわかったからか、嬉しそうに王子様は笑っていた。


「おすすめはどれ?」

「どれもおすすめだけど……」


 手に持っている唐揚げ弁当とお魚弁当が気になったのかな?

 大きな唐揚げがゴロゴロ入っているから、うちの惣菜店でも人気の商品だ。

 それに部活終わりなら、尚更ボリュームがある方がいいだろう。


「僕は唐揚げ弁当の方が好きかな」

「じゃあ、こっちにする。あとコロッケも一つ」

「コロッケも!?」


 どちらも揚げ物である唐揚げ弁当とコロッケを買っていた。

 両方揚げ物なのは気にならないのだろうか。

 僕の中では、もう食いしん坊な証拠だと思うんだけどね。


「コロッケは食べていきます?」


 僕の言葉に王子様は頷いた。


「ありがとうございます」


 お弁当を入れた袋を渡したあと、包装紙に包んだコロッケを差し出した。

 王子様は右手にお弁当、左手には財布を持っていた。

 まさかとは思ったけど、王子様は気にする様子もなく、そのままコロッケをぱくりと口にした。


「あっ……」

「ご、ごめん!」


 僕の言葉に慌てて一歩下がる王子様。


「ふふっ。またやっちゃいましたね」


 そんな様子に僕は思わず吹き出してしまう。


「ついつい……」


 耳まで赤くしながら笑う姿は、学校で歓声を浴びている"王子様"とはまるで別人だった。

 やっぱりこの人って食いしん坊でどこか大型犬ぽいんだよね。


「お茶もいりますか?」

「ありがとう」


 コロッケは直接食べるのに、お茶は財布を置いて紙コップを手に持っていた。


「やっぱり美味しいな……」


 どこか変わった王子様だけど、よほどコロッケが好きなのかな?

お読み頂き、ありがとうございます。

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よろしくお願いします(*´꒳`*)

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