表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/110

-94-

 宵宮の巡行を終えた氏子の若衆とアルバイト達が社務所へ戻り、太鼓蔵へ大太鼓を収めて社務所へ上がると、氏子総代の切川が社務所の畳に敷いた座布団からスクッ! と立ち上がり、咳ばらいを一つすると、役員らしい威厳のある他所(よそ)いきの声で静かに語り始めた。

「えぇ~~…アルバイトの方々には本日の渡行、ご参加を頂き、誠に有難うございました。明日は午前十時からの渡りとなっております。お召しの装束にて境内へご参集頂きますようお願い致します。なお、参加して頂いた日当につきましては、参加説明会でお話をさせて頂いた通り、一週間ほどでそれぞれの口座に振り込まさせて頂きますので、よろしくお願いを致します。では、退席して頂いて結構でございます…」

 山高帽を被った紋付羽織、(はかま)姿の切川が言い終わり、ペコリと頭を下げると、参加したアルバイト達はザワザワと立ち上がり、社務所から出ていった。あとに残ったのは上戸町の十数人の若衆と宮司の岩口、役員の切川、宮尾を加えた小人数だけとなった。

「若衆会の方々におかれましても、本日のご参加、誠に有難うございました。このあと、十分ばかり(いさ)めて頂き、若衆会の大頭(おおがしら)の指示に従って解散していただきとうございます…」

 切川が言い終え、座布団に腰を下ろすと、若衆会の面々は、ザワつくこともなく静かに社務所を下り、鉦を()き、中太鼓を叩き始めた。骨太神社の境内はふたたび祭り一色に変化した。

「ひとまず、第一段が終わりました…」

 切川がボソッと本音を漏らした。

「総代、お疲れ様でした」

 仮屋番の宮居が切川を(ねぎら)った。

「ははは…まだ、あとが二日あります…」

「それはまあ、そうですが…」

「巡行前、宮司に(いさ)められました…」

 岩口、切川、宮居の高らかな(わら)い声が社務所に響き渡った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ